TPPとアベルナ軍
平時の傭兵ほど金のかかる職業はないですよ。
でもクビにすると他国で迷惑かけるんですよね。
イXラム国の乱で国を追われた傭兵が他国で物凄い迷惑をかけている。
厄介な問題です。
1月10日、緊急にTPPの加盟国になったアベルナ軍は、食料を買う事になったのだがお金ない。
長年の戦争と緑化に資金を投じて余分な資金はない状況なので、税金を上げないといけないのだが。
「え~?あれだけ重税で俺らを苦しめておいてまだ足りないんですか?弱い者虐めは止めて欲しい」
「俺達のような貧乏人から搾り取っても権力者様の懐は、温かくならないと思いますけどねぇ・・」
などと言いながらもアベルナ軍が理想に燃えて、国民と地球の為に税金使ってるのは知っているし。
それで不平たらたらだけど、税金納めるのに反抗はしなかったが、そろそろそれも限界だよね・・?
「中東のコボルト財団(コボルトギルドとは別組織)1号店がジビエ料理の専門店になりますから」
まあ中東の人がどんなジビエ料理を食べるのか知らんが、普通に羊肉専門店にしておこうと思うが。
猪料理食べさせ中東の禁忌に触れたとしたら深刻な国際問題で御免なさいで済む問題じゃなくなる。
下手すると日本とアベルナ軍の全面戦争に発展するかもしれないような状況に陥るかもなのだ・・。
郷に入れば郷に従えであり、外国人も中東にいる時はイスラムの慣習と法を守るのは義務であるし。
フランスでイスラムの女学生がスカーフを身に着けるのを禁止された事があるが中東では着けるし。
フランスでフランスの法でイスラムの教義を全否定するなら中東で女性がスカーフを蒔くべきだし。
フランスが自国でイスラム文化を否定するなら外国人が中東にいる時はイスラム法に従うべきだが。
「このスカーフ暑いよう。そりゃ私もフランス人の民族だけどイスラムをバカにしたことはないよ」
エミリーがコボルト財閥の羊肉店に指示を出しながら不機嫌そうに額の汗をぬぐっていたのだ・・。
「私が次に来る時までに最新式のエアコン用意しておきなさい。私には耐えられないからね・・?」
全く熱いの嫌だと思うエミリーだが、これでも気候は穏やからしいと聞いて心底うんざりしたのだ。
「じゃあこの羊とラクダ小麦の代金としてもらっていくよ。肉食に反対する人には悪いけどね・・」
肉は腹持ちが良いのでパンなどよりは余程お腹一杯になるし、なければないで困る食べ物なのだが。
アジアは米文化だけど、流石に中東は小麦が中心だし、麦粥で腹一杯にするのは効率が悪いのだし。
「まあ肉食反対派は西洋に多いからなぁ。クジラとかも最近は増えすぎているから困るんだがなぁ」
まあ肉食反対派だって代替肉があるのだから肉が美味しいと言う事は認めているんだし強要するな。
菜食主義者は自分達が肉を食わないからって、他人にもそれを強要する者がいて困るのだし・・・。
グラックAに犬食を止めろと迫った動物愛護団体がいるがカタツムリを食う奴に言われたくはない。
日本人はイルカを食うしクジラも食うから犬を食うのは、食文化と思っているし狼なら問題ないか?
多分秋田犬なら食べるの残酷だと言う動物愛護団体も狼の肉食べる奴にはそれほど関心ないんじゃ?
狼を食べる民族で動物愛護団体が批判したの俺は聞いた事ないが、俺が知らないだけだろうかねぇ?
「熱いよ。私もう帰る。我慢出来ない。連絡用の全権事務員を用意しておきなさい。ホントに帰る」
大事な会議もあったのだが、すっぽかして日本に帰ってしまったので、アベルナ軍がやって来たし。
「この寒い国なら中東の暑さに耐えられないのも納得ですな。でもアジアも復興中ですか・・・?」
「食料集めるのに苦労してるけど冬小麦が春に実れば、食料に余裕が出てくる。それまっで持つか」
恐らく耐え得られずに多くのアジア人が死ぬだろうと思われるが、ゴブリン財閥は助けないとねぇ。
まあエミリー財閥はこの数ヵ月で30兆円もの個人資産を蓄え、外貨預金に変えて利子を稼ぐ事に。
ブラジルの外貨預金の利子は10%超えてるから来年は3兆円確実に増えるので有難いのだ・・・。
「いや~。まさかテロリストだった俺達が独立国として承認してもらえるとは思わなかったな・・」
これで中東に覇を唱える事が出来て、俺は中東を統一した英雄として歴史に名が残るだろうな・・。
「TPPに加入するとなると外国から勝手に商人が来て商売できるのか?」と聞くラミアスである。
「それで良いならどんどん商人を送り込むぞ。心配するな。貿易は黒字になるようにしておくから」
別に中東の貿易で儲けないといけない理由も特にないので、多少美味い夢を見させようと思ったし。
最悪中東からの輸入品を売れば、舶来品好きな日本人が買って行くかもしれないのでやってみよう。
「なら決まりだ。人口はどんどん増えるだろうから小麦を売りに来てくれ。レバノン杉の森もなぁ」
1月11日に朝、条約が調印されTPPの加盟国になったアベルナ軍は総力を挙げて特産品をかき集めてエミリー財閥に引き取らせる事に狂奔したが、10年はTPP諸国の経済力に勝てないだろう。
アベルナ軍は戦闘員50万人、傭兵70万人に膨れ上がり、雇用対策からリストラも出来ないのだ。
「傭兵解雇した方が良いんじゃないか?民間の警備会社とかに転職させれば。傭兵いらないんだよ」
部下が傭兵の解雇と削減を主張したが、70万人の傭兵解雇したら戦争が起き鎮圧に手間取るぞぅ?
「正社員化しよう。10万人を選んで警察官として任務に就くように厳命する。戦争は終わったし」
そして急遽警察部隊を結成して、20万人に治安をゆだね、5人ごとに分散してしまったのである。
「じゃあ減税する。食料はオーストラリアから手に入る事になったからな。アジアの小麦もだがな」
「本当ですかい?あの諸国飢え死に寸前だと聞きますよ?小麦を我々に分けてくれるんですかね?」
「本当だ。植林は怠るな。何時食料危機が起きても不思議じゃないんだ。農地と森は確保しようぞ」
そして大企業に献金を命じて、国費の足しにするが国民の租税は大幅に減税され喜ばれたのだ・・。
「良いか。物資は向こうから欲しいだけ持ってくる。我々はその対価を支払う為に産業を興すのだ」
「産業ですか?我々は装飾品しか売れそうなものないですが。羊とラクダが産業になりますかね?」
薩摩芋軍の抑えてるロケット産業も良い商品になる。日本はロケットの数が足りない筈だ。半年前まで文明が崩壊してた国だぞ。奇跡的に復興を遂げてるとはいえアジアの富がなけりゃ何が出来る?」
それとエミリー財閥の富であるが、ラミアス元帥は傭兵を動員して植林を続けさせたので30%位。
緑地が国土の3割を超えたが取り合えず小麦を蒔いてみたのだ。(のんびりと地力の回復は待てぬ)
「ラミアス元帥。外国人に鹿肉を売って、3万円手に入れました。1万円税金として納めたいです」
「野生のラクダを売って2万円手に入れました。国費の足しにしてください」国民は好意的だ・・。
ラミアス元帥の娘のクレアは16歳の若さで戦闘員の司令官に任命されたが兵の人望は厚いのだし。
差別的なのであまり言いたくはないが中東って女性の政治家や軍司令官が珍しい国なのである・・。
ああ欧州だって日本だって女性の軍司令官はかなり異例だと思うが、イスラムって意外にそこは気にしないらしく、イXラム国でさえ女性の治安維持部隊を雇用していたと言う噂が広まったくらいだ。
「クレア総司令。我々は中東統一も果たしたしぶっちゃけ用済みみたいなので国に帰りたいと思う」
「英雄ラミアス元帥の兵としてどこかの商家に婿養子に入って楽しく余生を送りますよ。駄目か?」
いや本当に用済みで持て余してたから国に帰ってくれるならこんなに有り難い事はないのだけどね。
「そうか寂しくなるな」と社交辞令で言ってみたが、傭兵達はうすら笑いを浮かべてクレアを見た。
「お世辞はいらん。傭兵がどう思われてるか良く分かってるからな。一応証拠の勲章くれないか?」
言葉だけじゃ騙りだと思われるので、アベルナ軍特製の勲章とか欲しいしお金も欲しいのであるが。
「別にお金が欲しかった訳じゃ無いんですが。無一文でもよかったんだが生き残ってしまいました」
なら報酬をもらって金持の娘を嫁にして悠々自適の生活とか考えても良いじゃん。(当然だな・・)
「分かった。食料と武器弾薬以外なら何持って行っても良いから。略奪はするなよ?分かってるな」
そしてアベルナ軍は莫大な借金をして傭兵の報酬をねん出して、傭兵隊50万人を解雇したのだが。
「正規軍もリストラしたいなぁ。部下の給料だけで国家財政は破綻寸前だからなぁ」と嘆く元首様。
「戦争がいつ再開するか分からないから解雇は駄目だよ。天下りで高級幹部リストラしよう」言う。
それで天下り先に選ばれたのが農業法人であったが、農業主体のこの国ではいい天下り先だ・・・。
天下りは良くないと言う奴もいるが、邪魔な官僚や政治家を甘い誘いで左遷するのに都合が良いし。
「あのう。俺達16歳なんですよね。別に兵隊にならなくても今なら普通に高校とか入れるんです」
「そりゃ20歳過ぎた兵は高校は無理だし大検受けても仕事と両立できるか分かりませんけど・・」
でもアベルナ軍の主力は高校生の学徒出陣だし一応志願兵で死ぬのは覚悟していたつもりではある。
「でも運よく生き残ったからにはラミアス軍の英雄としてチヤホヤされながら学業再開したいです」
「それでクレア総司令がラミアス元帥と俺らをクビにする相談してるの聞いちゃった奴がいるんで」
「俺達とラミアス元帥の意見が一致するなら俺達除隊しても良いんですよね?年金貰えると・・・」
学費は自力で何とかするから生活費を6万円ほどくれると有り難いとクレアに相談してみたのだが。
「私に言われても困るな。父様は確かにリストラしたがっているけど何時再募兵されるか分からな」
「構いません。国に危機が訪れた時にはまた武器を取り戦わせていただきます。でも今は俺達用済みの厄介者で給料支払いたくないんですよね?意見が一致しているなら辞表持って来ましたから・・」
そしてアベルナの戦闘員は15万人に削減され、国庫負担が軽くなりラミアスは大喜びしたらしい。
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