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偽勇者の大冒険  作者: ルーシェン
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ギルドの偏見

酒場の2階は宿屋で、冒険者ギルドにも宿泊用の部屋があります。

まあロザリーとエミリーはロベルド市でも有名な大金持ちです。

知らないのは拳闘と流民とミダスだけ。

でも熊殺しのエミリーが野獣を狩れば100万や200万円位直ぐに稼げそうな気も・・・。

まあその辺は気にしないでください。

取り敢えず下水道の掃除を徹底的に行い、ネズミを退治して食い闇市で売り過ごしていたのだ・・。

「臭い。私これでもギルドの受付嬢なんだよ?ブラックだから臭い消さなきゃクビにされちゃうよ」

下水道の掃除を終えて、保存食の燻製肉の生産にいそしんでる禿げ頭とアルテミスを睨みつけたが。

「別に頼んでいないぞ。大体何でエミリーさん、何で、俺と組んで闇市の襲撃する事にしたんだ?」

ミダスが尋ねるがエミリーは何でそうなったのかよく覚えていないし意気投合してしまったとしか。

まあこれも運命なのだと思うが、大金持ちの総帥の割には人脈とお金がないのでコネにもなるしな。

「就職してる貴方と違って、私達フリーターなの。クビにされたら生活できなくなっちゃうんだよ」

いや拳闘のファイトマネーは俺でも6千円位だから(貨幣価値は2019年令和と同じ位)釣りと狩猟を行わなければ、服の洗濯も肉団子も満足に買えない立場で、炊き出しで無料配給を受けている。

それに比べれば一等市民(恐らくは)でバイトも出来るお前らは優遇されてるが、それを言っても。

「分かった。禿げ頭には覗かないように言っておくから、水浴びしてきたらどうだ?寒中水泳だが」

1月4日に水浴びなんてどこの荒行だよと思うエミリーとロザリーだが、背に腹は代えられないし。

「そんなに臭うか?あいつら何処のお嬢様だよ?潔癖にも程がある。ネズミの肉食いたくないと言うし、この食糧難の時代に好き嫌いができる程裕福な家庭って、アネレイ将軍か九州の富豪位しかな」

エレネイ市国連合の大富豪でも好き嫌いはしないのに、禿げ頭は呆れてエミリーを見ていたのだが。

「そう言うな。あいつらはお嬢様だが死体洗浄でもドブさらいでも出来る姉妹だぞ。大目に見ろよ」

本来迫害されがちな拳闘と一緒にいてはいけない身分の者だが、何故か2人になつかれているのだ。

「俺は欲も野望もあるぜ。あの2人の紹介なら街の配管工に就職出来ないかな?俺の親父は・・・」

日本で修復不可能とされている、大震災前の日本の水道とトイレを直せる貴重な人材なのであった。

拳闘でなかったら、さぞ重宝された存在であった事は間違いないが、拳闘は就職できないのである。

唯一の仕事が冒険者で、廃墟から衣服や金属片を回収する商売だが、それも門徒は限りなく狭いし。

「やっと臭い消えた。ライオンの皮の衣服は作ってくれた?アルテミスさん。仕事上手だよねぇ?」

「作ったよ。でもこんな鬼の女の子みたいなビキニスタイルで良いの?寒く無い訳?今1月だよ?」

「仕方ないよ。禿げ頭さん。さっきの話聞いてたんだけど、私で良ければ紹介するよ?仕事は何?」

エミリーはロザリーに言って、ロベルド市で唯一拳闘を受け入れてるギルドサクラギルドに向かわせ、ギルドマスターホサイン1世を説得させる事にしたが、ギルドへの入会金で全財産失うな・・・。

「配管工だ。俺拳闘だが、親父の技術を継承していて水道とトイレを直せる貴重な逸材だぜ・・・」

「トイレを直せる人間がまだ日本にいたの?何でそんな人材をロベルド市は迫害してるのよ?何故」

取り敢えずロザリーをホサイン1世の元に向かわせて説得させる決意をして向かわせたのだ・・・。

「無理だ。幾らサクラギルドが拳闘を受け入れてるとはいえ、3人も受け入れたら暴動が起きるぞ」

「そこを何とかなりませんか?D級のドブさらいと死体洗浄が専門の冒険者でも良いですから・・」

ロザリーは恋人のミダスと友人の禿げ頭とアルテミスの就職をお願いして全財産を提示したのだが。

「無理だ。うちのギルド所属の冒険者は1等市民7名、拳闘3名だ。これに3名が加わるとなると」

人数的に拳闘と1頭市民の数がほぼ同数になり、辞職するメンバーも出るかもしれないのだ・・・。

「あたし達も冒険者になりたいんですけど。それなら1等市民9人。拳闘が6人になりますけど?」

「お前ら拳闘の理解者じゃないか?実質7対8になるから絶対に受け入れてくれないと思うぞ・・」

ギルドメンバーのサブマスター、アレインは反拳闘派だが食わせてくれるのでサクラギルドにいる。

「俺じゃなくアレインを説得しろ。アイツを説得出来れば従業員の3人も拳闘派に寝返る筈だしな」

それでアレインが出勤してくるのを待つべく、ギルドの従業員の入れてくれた紅茶を飲むのだ・・。

この食糧難の時代に、優雅に高価な紅茶を飲むロザリーだが、全財産は提示したのでツケであるが。

「あのう。本当に拳闘を3人受け入れるんですか?俺達差別は良くないとは思ってはいるんですが」

1等市民のギルドメンバー6人がロザリーの訪問を聞いて慌てて直談判にやって来手話し合いだが。

でも拳闘を受け入れる事によって、1等市民の立場が危うくなるのも嫌なので不安であるのである。

「心配するな。アイツらはD級のドブさらいと死体洗浄専用だ。それで良いとロザリーは言ってる」

「それで納得出来ると本気で思ってます?あの3人エミリー財閥の総帥のお気に入りなんですよ?」

一度受け入れたら拳闘がどんどん増えて勢力図が一変するし発言力が低下するにきまってるのだが。

「お前らだってミダスのファンだろ?冒険者希望の拳闘はミダスと禿げ頭とアルテミスだぞ・・?」

アルテミスは知らないが、ミダスと禿げ頭は迫害されてる割には、1部のファンに人気があるのだ。

「あのミダスが俺らの仲間になるのか?いや嬉しいんだがアイツの下に就くのは嫌だよなぁ・・・」

「俺達C級冒険者だが、受け入れたらB級に格上げしてもらえますか?それなら受け入れましょう」

意外にアッサリ納得したギルメン6人だが、アレインを説得出来るだろうかと不安に思うのである。

「A級冒険者にしてやろう。だが上納金の方もA級並みになるがそれでも良いのか?俺は良いがな」

「仕事が増えます。俺達の弟や妹を食わす事が出来る様になるので、有難いですよ。背に腹は・・」

それで早速ツケで紅茶を飲んでるロザリーのご機嫌を取るべくA級冒険者達はお伺いを立てたのだ。

「ロザリーさん。ミダスさんを受け入れる事に俺達は同意しました。お互い生きるのに必死ですし」

「こんなアッサリ納得してくれるとは思いませんでした。今は無一文ですのでお礼は出来ないです」

紅茶代だけで5千円もかかってるから、暫くは借金で苦しむがミダスを味方に付ければ儲かるのだ。

死体洗浄とドブさらいは3kの仕事なので、結構高収入であるから、D級も捨てたもんじゃないし。

トイレの詰まりも直せない日本で、ドブや死体をそのままにしておいたら疫病で街は全滅だ・・・。

「お礼なんか良いですよ。生きる為には下手なプライドなど意味のない事位は分かってる心算です」

「でもアレインの親はロベルト市の将軍だから、多分説得は困難だと思います。敵に回すと厄介だ」

それでも拳闘とロベルト市の未来の為には、アレインを説得してミダスを受け入れるしかないのだ。

ミダスを慕う拳闘は多そうだから、味方に付ければサクラギルドは発展するし俺らも儲かるのだし。

まあミダスが俺らに追いつく前に、大儲けして1等市民の立場を維持しようと開き直ったのである。

「ああご機嫌取りに紅茶の代金は俺らで立て替えますよ。大金持ちのお嬢様でも事情はありそうだ」

いや確かに大金持ちのお嬢様だけど、執事に牛耳られて自由に出来るお金はないですからね・・・?

「いやあたしの年齢でしかも長女じゃないんだから財産自由に出来ないでしょ?食べさせてはくれるけど財産的にはほぼ無一文ですよ。ミダスさんと意気投合して野望と愛の為に利用するんですよね」

その為に貯め込んだ財産を全て吐き出して冒険者として生きていこうと心に決めたので悔いはない。

姉も最初は拳闘に偏見を持ってたようだが、あたしが好意を持ってると知った途端意気投合したし。

「この時代に3食食えるだけで憎しみに燃える市民にフクロにされるのが分からないのですかね?」

「あたしだって好きで金持ちの家に生まれたんじゃないです。お金持ちの娘が庶民として労働に励んでいても驕り高ぶってるように見えるなら、金持ちの娘は一体どうしたらいいんですか?皆さん方」

冒険者達は言い過ぎたと反省して、ロザリーの為に軍資金を用立てようと考え、冒険者仲間にカンパを願い出に行くと数時間後の1月5日2時に5万円の寄付金を持ってロザリーの元に来たのだ・・。

「お金の返済は出世払いで良いですよ。熊殺しで有名なあんたが冒険者になるなら悪人共は命乞い」

5万円の投資など直ぐに返済するであろうと思うが、利子は100倍返しであるので500万円だ。

執事を倒して実権を握れば、直ぐにでも返せる金額であるが、無理なんだろうなと思う今日この頃。

恐らく執事は後見人も兼ねており、姉のエミリーが18歳になる7年後までは財産は自由にならぬ。

「あたしは長女じゃないから、財産の相続分は少ないんです。ですから働かないといけないんです」

将来はたこ焼き屋でも営業して、失われた日本の伝統の味を復活させようと考えていたのだ・・・。

ロザリーの実家には書庫があり、旧日本の技術の結晶が眠ってる事は一応知ってはいるのだが・・。

知識が大切な物だと言う事も忘れてしまった今の日本人には何の価値も感じさせない話題であるし。

むしろ知識は怠け者の道楽とみなされ、どこぞの独裁国のごとく知識狩りが行われる時代なのだし。

エミリー財閥が知識狩りに合わないのは、日本を見捨てた外国に亡命して日本に帰ってきた帰国子女達によって構成された傭兵団20名による重火器と騎馬隊がロベルト市とエレネイ市国連合の連合軍を、撃ち破ったからでありアメリカ軍により支配されている九州四国以外では知識は残っていない。

都市の形態を保ってられればマシな方で3千万人を超える殆どの日本人の生活は獣並みであるのだ。

「へぇ。でも学問なんて役に立つのか?日本人には今日のパンが重要なんだよ。分かってるのか?」

「少なくとも美味しい食べ物は作れますよ?資金さえ蓄えれば何時でも店を開業しましょうね・・」

でも当面の問題はアレインを説得して拳闘の受け入れを認めさせる事なので保留しておく問題だし。

「でも嫌だなぁ。ミダスさんが冒険者になったらサクラギルドは流行っても1等市民の立場がなぁ」

酒を飲みながらアレインを説得する方法を考え取り敢えず宿代8千円で2階の宿に泊まる事にした。

死闘、アレインの説得の予定です。

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