食糧危機
因みに誰が保証してるのか知らないですが、この話に出てくる1万円は紙幣です。
2月15日、ギルドの縄張りが人口1万人を超えた事により、蓄えてた食料が遂に尽きてしまった。
「どうするんだよ?この辺りの食料は全て肉に変えてしまったぞ。もう闇市で飢えをしのぐしか?」
ミダスが拳闘の試合でギャラ1万円を得ていたが、それもドーナツ100個で使い切ってしまうし。
「エミリーさん。エミリー財閥は食糧は蓄えていないのか?この状況マジでやばいんでけどな・・」
「無茶言わないでよ。余分な食料なんてないから。食料は腐るんだよ?備蓄出来る訳がない・・・」
仕方がないので偽勇者の肩書を生かして、エレネイ市国連合で食料を積んだ馬車を襲っているのだ。
報復が怖いので、サクラギルドと裏でつながってる証拠は厳重に揉み消しているが時間の問題だな。
「何かないのか?1月位で育つ生き物とか野菜とか。1月ならギルメンだけなら飢え死にさせんぞ」
「ある事にはあるんだけど。玉蜀黍だよ?それでも良いの?雑穀だよ?ご飯にならないよ・・・?」
この言葉にミダスは多少キレかかったが、庶民ぶっても所詮は財閥の総帥と言う訳かと思ったのだ。
この状況で米の飯を食べるのが当然と認識してる辺り世間をなめていると思うが悪意はなさそうだ。
「別にサクラギルドの縄張りの人間やギルメンは美食には興味ないと思うぞ?食えれば文句ないぞ」
「そうなの?早速種子を買いたいんだけど、100万円はかかると思うよ?私そんなにお金ないよ」
それにこの発言は玉蜀黍が主食の民族には失礼だなと思うが、エミリーの個人的な感想だろう・・。
「ロザリーさん配下の鉄器兵に畑の開墾に従事させろ。食料が尽きたら飢餓になるだけだぞ・・?」
玉蜀黍は普通の食料だからこの際大量生産して飢餓に苦しむ民衆に売れば縄張りの人口も増えるか?
「分かった。取り合えず候補地を探して移住者を募集してみるけどどっか良い場所あるの・・・?」
そこでホサイン1世が訳あり顔で口をはさんで、近隣の廃墟を指し示すがこの地は都市の跡地だし。
「この場所はいずれ調査隊を送ろうと思っていたんだ。貴重な古代の品が手に入るかもだし・・・」
服とか決定的に不足してるから、服を手に入れられるだけでも大金が手に入る確率が高いのだ・・。
「ナルデン。お前は配下50名と共に魚釣り。食料は買うから幾らでも持ってこい。良いな・・?」
「分かった。でもあの玉蜀黍荒れ地でも育つのか?まあやれと言われれば何でもやりますけどね?」
懐疑的なれどナルデンは魚釣りに出かけることに同意したのでアレイン配下の16名に命令するが。
「お前たちは留守番。俺は何とか質屋で金借りる為に努力してみるよ。この縄張りが担保なら・・」
5億円は貸してくれると思うのだが、志願者を募って遠方の森に狩りに出ないといけないんだよな。
「じゃあお金貸してくれない?種子を買うのにお金がかかる。今年の収穫の売り上げが担保だよ?」
「どうせやるなら徹底的に食糧の増産に走ろう。バイトを雇うから農業を教えてやれ。分かった?」
「良いよ。ロザリーに伝えて鉄器兵を動かすよ。じゃあ先に行って徹底的に畑開墾しておくからね」
そして緊急の食料大増産計画が始まったので、急遽歩兵して2千人をかき集めて畑を開墾させるし。
「いや~。どんな重労働をさせられるかと思ったら、開墾するだけでパンと水にありつけるなんて」
この日当を用意するのに、サクラギルドの縄張りは全て担保に入り、返済しないと質流れになるが。
「ちゃんと作物が実ったらサクラギルドの名誉ギルメンにして一生飯代をタダにしてやるぞ・・・」
ミダスが約束すると労働者達は兎に角がむしゃらに土を耕し始め、サクラギルドの金で買った2億円分の玉蜀黍の種を蒔き始めるが、サクラギルドが6億円貯め込んでいるのは秘密であるのだ・・・。
「飯代タダ?ホントでしょうね?まあ一日50名様までとかなのは分かってるから隠さなくていい」
「助かる。俺の自腹だから2千人全員を毎日ダダで食わせるのは無理だ。せいぜい1日で50名位」
それでも飯代タダは飢えに苦しむサクラギルドのメンバーにとっては貴重な節約のチャンスである。
「サッサと終わらせてしまおうぜ。ミダスさん。拳闘だと馬鹿にして悪かった。あんた良い奴だな」
「俺達の為にホサイン1世に掛け合ってくれるなんて有り難い。みかじめ料はちゃんと支払います」
因みに非課税世帯はみかじめ料の支払いを免除されているが、滞納者は0人であるので問題ないし。
「どっから出てきた?この猪?良い機会だ。今夜の夕食にしてしまおう」と運の悪い猪が殺された。
「鹿もいるぞ。夕食にしてしまえ。逃がすなよ?食えそうな物は何でもかき集めて食うんだからな」
こうして不運な鹿と猪が大量に殺され、遠方から縄張りを求めてやってきた熊や虎まで殺されたが。
「鉄器兵万歳~。ロザリーさん。俺失業者なんですよね。鉄器兵に入隊して良いですか?是非に?」
これ以上人数増えても困るんだが、畑を耕すお百姓さんも募集しないといけないし困ったなぁ・・。
「まずは移民の募集だよ。あんた達にはサクラギルドの縄張りでみかじめ料の収入源でいて欲しい」
食料を手に入れればサクラギルドの縄張りに人が集まるし、そうなれば経済が発展してみかじめ料の値上げを断行できるので、3億は儲けられるだろうとエミリーは思っていたが、こうなってはなぁ。
「取り合えず食料が確保出来るまでは水まきと雑草取りと害虫退治以外にすることはありませんよ」
なので暇な時間に読み書きを教える事にして、鉄器兵には廃墟の探索を命じておいたのだけど・・。
「見てください。廃墟の中は宝の山です」何故か高値が付くスク水とブルマが大量に持ち出された。
どうやら旧日本の洋服店でも掘り当てたらしいがブルマとスク水が出てくるあたりスポーツ衣料店?
「良くやりました。略奪品の30%はサクラギルドに納めるようお願いします。食料はどうです?」
「缶詰と訳の分からぬ倉庫がありましたが、硬過ぎて開けられないのです。諦めた方が良いのでは」
缶詰かと思ったがアルミが手に入ったのは幸いだったと思うロザリーとエミリーであったのである。
溶解して刀にでもしてしまおうと思ったが、どうせ中身は腐っていて食べられないだろうと思うし。
「あっ、ネズミが大量にいましたので全て捕まえて肉にしておきました。食料を確保しておけば南のグールテン共和国にも進出出来ます。あの辺りは人口600人ですが、獣が豊富で有名ですからね。
もう他国へ進出するしか食糧危機から逃れるすべはないがグルーテン共和国には勇者ジョーがいる。
軍隊20名足らずの国で独立を保っていられるのはジョーのおかげなのだが、本人は無頓着である。
「ジョーを敵に回すのか?ジョーの勇猛さはミダスさんも知ってるでしょう?拳闘の3冠王だしな」
「知っている。だが南に進出して縄張りを増やすか、奴隷狩りを行いみかじめ料を増やすしか・・」
我らのとるべき道はないのだが、取り合えずナナカツギルドにみかじめ料の前借を要求してみたが。
「仕方ありませんえぇ。俺達だって街が栄えるならみかじめ料位支払いますけど、暴X団もカタギの衆に迷惑かけないように抗争してくれるようにしてくれないと暴対法で逮捕されますよ?マスター」
ホサイン1世は取り合えずこの廃墟を廃墟村と名付けてギルドの支部を建立しておいたが立派だな。
2月20日朝、釣りをしてマグロを釣ってきたナルデン一味が強行軍で廃墟村にやってきていたが。
「どうです?苦労してマグロを30匹も釣ってきましたよ?最近外国船が多くて上りが少ないです」
日本文明崩壊以降、日本に進出してきたアメリカの商船と漁船は日本の海を荒らし放題なのである。
「助かります。薪調達班を編成して、近くの林に薪を取りに行ってください。夕食はマグロですよ」
時が時ならば最高額1億超えると言われるマグロ料理なのでエミリーとロザリーは大喜びであるが。
「それと土下座でお願いしてサンマと交換してもらった小麦粉です。食料の足しにしてもらえれば」
「ナルデンさん。暫くはこのマグロで飢えをしのぎますから、今度来る時はロベルド市にお願いし」
そこで声を詰まらせたロザリーは貴重な水を飲みこむと夕食を食おうと後ろから迫った虎をなぎ倒して逆に今晩のディナーにしてしまうが、虎の皮は毛皮としてA港町で売ることにしたのである・・。
「グルーテン共和国に鉄器兵を派遣しましょう。交渉して当座の食料を分けてもらいましょう・・」
それしか方法がないので早速グルーテン共和国に部下を派遣しようと思ったが、ハバルのパン屋がこんな時にも大繁盛しており、儲け2億、部下5名の大所帯になっていたが気にする者もいなかった。
「俺が行く。同じ拳闘としてジョーにはあってみたかったんだ。グルーテン共和国は1億で堕ちる」
ミダスはどうやらお金でグルーテン共和国を買収するつもりらしいが上手くいくだろうかと思った。
「上手くいくか行かないかではない。やるんだよ。そうしないとサクラギルドは助からないんだぜ」
サクラギルドの危機を救い手柄を立てれば、C級冒険者に格上げしてもらえる可能性があるのだし。
鉄器兵のリーダーになり軍事部門でトップのロザリーと受付嬢のエミリーとミダスでは見劣りする。
手柄を立ててC級冒険者になり、自分の配下を持つ事が重要なのだとミダスは思っていたのである。spしてホサイン1世に許可をもらうと護衛を鉄器兵から2名つけてグルーテン共和国へ旅立った。
エミリーとロザリーは苗木を買ってきて、売れそうな栗の苗木を植えているが3年後が楽しみだな。
「取り合えずやっと芽を出した玉蜀黍を狙ってやってくる鳥を退治して肉に変えるよ?良いねぇ?」
こうして鳥VS人間の熱いバトルが始まったが、取った獲物はA港町で野菜と交換したのだ・・・。
そしてグルーテン共和国でのミダスの戦いが始まる事になるが、1億円は重かったのは蛇足である。
新たなる食い扶持の予定です。




