第93話 フェアリー第40階層 天空の部屋 その1
火山の跡から上を見ると、外周から湾曲した壁が天井を作っている。天井の中央、世界樹の周りがドーナツの様に中空になっている。道は、世界樹に続いており 前方に大きな門が見える。
世界樹の中、廻り階段を上がるとどんどん幹が狭くなる、階段を上がるにつれカタツムリの貝殻の様に小さな円を描いて上っていく。天井が迫ると外に出る通路(幅が有、奥行きの無い通路は、広い踊り場)へとつながる。この通路の先、左右に妖精の描かれた大門がある。
天空の部屋の門の前。ポケットで暴れるウリちゃんを出して、戦闘準備を整える・・。部屋の前でも中が異様な事が解かる。門の中では、異様な静けさの中で『ピタピタ』と鶏が歩くような音だけが聞こえる。
リーダーが門を開ける・・『ギィーッ』油が切れたような、手入れの行き届いていない門が開く。中は暗い、目が慣れるまで外で待機する。
門が開いた時、羽音が響く。『パタパターー』幾百かの羽が羽ばたき天井へと飛んで行った。天井の羽ばたきは、止まる場所がないのか消えること無く続いている。
入口から何かが飛び出して来た。インプの群れが、武器を持たず拳を振り上げて迫ってくる。『何故ここに悪魔が?』疑問に思う間もなく、戦闘が始まる。大きさは人間の子供程。
先頭のお姉ちゃんが片手両刃剣を両手で持ち左右に薙ぎ払う。1m程の剣に腕のリーチを合わせた半円に入ってきたインプの首が飛ぶ。
お姉ちゃんの後ろ、左右に俺と勇気。お姉ちゃんの脇を抜けてきたインプを、オーク戦で得た中剣で叩き切る。オークボスの使っていた中剣は、80cm程で重く、重量で切る事を重視している。命中率の悪い俺は、軌道に注意して振り下す。切り倒そうとすると外れる、ただ当てれば軽量で防御の無いインプを切り裂ける。
勇気は、片手両刃剣で戦っている。お姉ちゃんを抜けてきたインプを、一体一体丁寧に斬りつける。正確に胸を狙い外さない、軽い剣は宙を舞うように次から次へとインプを襲う。
しばらく続いた戦闘は、俺達の勝利なのだが・・何故?妖精のダンジョンに悪魔がいるのか?




