第79話 フェアリー第32階層 金の管理者とアイアンゴーレムその3
「質問があります。」と、勇気
「なんでしょう?」
「アイアンゴーレムの電気を全て放電させた場合、勝利になりますか?」
「いいえ、雷属性は、金の管理者の祝福ですが、主たる戦闘に影響しませんので 勝利条件になりません。」
「そうか。では、ストーンゴーレムに祝福は1個だったようですが、アイアンゴーレムには?」
「テスト用のゴーレムですので、1個だけです。」勇気が何か閃いた。
川の中からお姉ちゃんが出てくる。アイアンゴーレムは動かない、間を詰める気が無いようだ。続いて勇気もお姉ちゃんの後ろに続く。
槍が届かない距離で両者対峙。アイアンゴーレムは、剣を斜め前に構えお姉ちゃんの顔に、お姉ちゃんの槍は、腰に小脇に抱えたような構え・・勇気の弓を待っている。
一歩下がった勇気、弓を引き絞る・・引くにつれ矢が現れる。十分に引いた弓を、タメ・・・・る。矢は肘を狙う。肘には、ストーンゴーレムと違い関節部分に丸い球が挟まれている。球を中心にスームズに腕が動く。おもちゃで同じような物を見ていたが、これは可動する部分に隙間が無い。精巧に作られたおもちゃ、勇気はそう思った。
束の間の映画の一シーン、勇気の指が弦を離す。スキルで出来た矢は、実体を持たない。音を出す訳でもなく、アイアンゴーレムの肘・・可動する玉の僅かに下に当てる。矢が当たると蛇の様に絡みつく。
矢が絡みつくとお姉ちゃんの攻撃が始まる。突いても大袈裟な衝突音だけで 傷を負わせる事も出来ない。目的は、こちらの動きに対応される事。無意味な攻撃が続く・・肘に絡みついた矢は、スキルにより勇気に出来うる高温に設定されていた。かつ、粘性を持たせた矢は、腕に絡みつくと、その部分だけの温度を上げる。鉄は、急激に熱せられると熱膨張を起こす。1㎜にも満たない膨張だが、精密に作られた玉の片方だけ先に膨張を始める。ほんの僅かな狂いが生じる・・静止したままなら 直ぐに冷え 正常に戻っただろう。
お姉ちゃんの槍が幾度 突いただろうか・・アイアンゴーレムの腕に一旦異変が現れと、効果は直ぐに出てきた。稼働する玉が裂ける・・剣を持った腕は、空中を舞い地面に落下する。アイアンゴーレムは、剣を拾い対応しようとするが、重量のある一部を失い バランスが悪い。キレのない攻撃に変わる。
余裕の出来た双子は。膝に狙いを変える。しばらく、意味の無い攻撃を繰り返すお姉ちゃん。膝の玉が割れ地面に倒れるアイアンゴーレム。
笑顔で微笑み合う双子。
「まだ終わってはいません。ここには、水の管理者様がいます。」




