第68話 フェアリー第22階層 吸血蜂その2
「勇気、そこ縛って。」
「お姉ちゃん、これで大丈夫なの?」
「心配無いって、バッカが考えるよりいいさ。」かなり、不安げな勇気。
テストを見た後、お姉ちゃんに言われて、新しいスキルを取得してみた。最初が、『火矢』火で作る矢、実際の矢は使用しない。次に『火球矢』火属性の矢、先端(あるいは、矢全体)に火の種を宿し 到達点で発火する。こちらは、実際の矢にスキル(魔法)をまとわせる。
お姉ちゃんは、『真空』を覚えた。槍に使うと先端の周りを真空状態に出来るようだ。剣に使うと、斬撃を真空にする事で、空気の刃を飛ばせる。
今やっているのは、細身の樹の先端と 蜂の巣の枝の先端を 結んでいる。
お姉ちゃんが細い樹の先端にロープを縛ってきた。引き寄せながら先端を巣の枝の先端に合わせる。しなった樹を使って、巣を遠くへ放り投げようとしている。
「OK。」お姉ちゃんの合図で、フレイムアローを3本、蜂の巣に当てる。徐々に燃え広る蜂の巣。あまり放置しておくと、果樹園全体に火が回ってしまう。
『真空刃』外れた、苦笑いするお姉ちゃん。再度、枝を狙うが切り落とす事は出来ない。
「あれ?」1撃で切れると思っていたようだ。再度・・枝は、樹から離れ大きく孤を描きながら空中に飛んでいく。
『ファイヤーアロー』狙い定めた矢は、巣を直撃、空中で爆発したように飛散していく。残った巣は、切り離された枝と共に地面に叩きつけられる。衝撃で原形を留めていない。
巣の残骸と死んだ蜂を片付けていると、怒った顔で、試験官がやって来た。
「とんでもない事を・・」怒りで終わりの言葉が聞こえない。どうやら、蜂が残っていた様で(その数14匹)飛んだ先が、牧場と作業員の宿舎。現在、牛の避難と家の目張作業をしている。至急、蜂を討伐しなさい。




