第5話 双子の姉妹
「お姉ちゃん、どこにいるの?」
6帖ほどの部屋に二人の女の子が、お互いのスマホを見せ合っている。
「ここをクリックすると・・・ほら地図がでるだろ。」
姉がスマホを操作してみせる。
「でもこれだと、お姉ちゃんの場所わかんないよ」
「ここをこうすると・・」指で地図を縮小している。
「な、俺はここにいるんだ。勇気の場所は・・・」と、妹のスマホを取り上げると地図をだし縮小してみせる。
「歩いていけるか?」姉は、ぶつぶついいながらさっき作ったアバターを操作して、海岸線を南に移動させる。
「勇気は、俺にあえるように北にむかって走れな。」
「ダンジョンクィーン」は、真円で広大なマップになっている。目玉焼きをイメージすると分かりやすいかも!最初に作れたアバターは、白身の外周部分にランダムに配置される。外周部分に最初の村が歩いて行ける場所にあるので、途中、画面に現れる指示に従って操作や戦闘方法を学びながら最初の村を目指す事になる。このゲームは、ソロのみなのでPTを組むことはできない。したがって、同時ログイン・同時アバター作成しても、二人のアバターがいっしょの場所に発生する事はない。
二人で外周を走ること1時間、二人のアバターは巡り会えた。
「「やった!!」」
PTを組むことは出来ないけれど、魔物は同時に何人のアバターでも攻撃できるが、他のアバターを攻撃する事(PKエリアかPKサーバーなら可能)は出来ない。
「攻撃の練習やるよ。」姉のアバターが近くのうさぎを攻撃する。なかなか当たらないようだ・・・
「ちぇ。STRに全部入れちゃったから あたんない。」不満そうだが 再度アバターを作り直しても妹にまた巡り会えるか分からない以上、このままやるしかないようだ。
妹も棍棒をふりまわすが、当たるが姉ほどのダメージを与えられない。
「お姉ちゃん、作り直す?」
「ばか、今回は近いところに出たからいいけど、次、会えるか分かんないだよ。」
「そか。」妹は、不満そうに自分のアバターを操作している。
瓜二つの顔と体型、しかし、性格は真逆。双生児の姉は、学校でも豪胆に力で相手を押し負かす姉さんタイプ。妹は、相手の様子をうかがい、それに合わせようとするタイプ。そんな二人が、友達からすすめれたのがこのゲーム。リアルでおもしれー!と勧めれた。なにがリアルなのか教えてくれなかったのだが、もうクラスの半分以上がやっている為、ゲームの話についていけない状態になっていた。
PTができない仕様のため、同時にアバターを作り現地集合にしたのだが・・・マップの大きさに驚いた。やむなく、それぞれの位置確認を・・・うまく合流でき一安心なのだが。姉のメチャブリに振り回される妹。
「勇気、DEXあげてな!なんかこのゲームめちゃ宝箱あるんだって。でな、罠が怖くて開けれられないって言ってた。姉ちゃんな、めちゃ宝箱ほしいんよ。だからDEXあげてな。」姉のメチャブリは、いつもの事。
お互いがLV3になった。
「そろそろダンジョンにはいろうな。」また、姉のメチャブリがはじまった。
しばらく弱い魔物を倒しながら中央に向かって歩いていると、こんもりとした塚のようなものがある。その塚には、人が出入りできるような穴があいていて下に向かって階段がある。入口の枠に猿のマークと数字の10と書いてある。
「この絵」と指を指す姉。「えーと、ゴブリンの巣で10階層って、書いてある。ランキングだと、このあたりで最弱のダンジョンみたい。」妹がパソコンでこのゲームの攻略サイトを見ながら説明する。続けて。
「ダンジョンは、10階層単位で作られていて、初心者用には、最初の10階層がよい みたい。」
「じゃ、これに入ってみようぜ。」
「まだ早くない?」
「中でLVあげればいいじゃん。」姉は、そんなこと気にしていない様に階段を下りていく。
「待ってよー」




