第41話 オーク第10階層 迷路
「お姉ちゃん、怖いよ。」
「うん。」
足下の喧騒がここまで聞こえる。しかし、この階の静けさは異常だ。墓地の様な静寂。
勇気のマップにこの付近の一部が映しだされる。水面に広がる波紋の様に円筒の内部に横の通路、中心から蜘蛛の糸の様に広がる縦の通路。階段から中心に向かえば・・だろう。でも、行く事を本能がそれを許さない。
姉は、通路の正面(中心に向かう通路)を避け、外周の通路に足を向ける。しかし、数歩 歩いた所で勇気に止められる。
「お姉ちゃん、待って。」
「なに?」
「槍を貸して。」姉から槍を受け取ると、直ぐ前の石畳に突き刺す・・いや、刺したのだが 何事もなく刺さっていく。
「?」
「ここだけ色が変だと思ったんだ。マップにマーク出来るので印をつけておくね。」
「うん・・。」マップを見れないお姉ちゃんは、単に返事をするしかない。
「2個連続でホノグラム処理されてるから飛んでも無理だね。廻り込むしか方法がないみたい。」
「そうか・・。」どの床が危険なのか分からないお姉ちゃん。ただ、勇気について行くだけだった。
マップに映し出される単純な通路に、次第に埋めつくされるマーク。マップ無しだと単純に進めそうだが、実は複雑で危険な迷路が現れてきた。
「これで、半分埋まったよ。」外周沿いに歩いた双子は、反対の階段から内側の通路に移動した。階段と階段を往復し、マップ半分の地図が出来た時。
「あれれ?2個の青い点が見えるよ。」
「青?青って味方だよな。」
「うん。味方だと思うよ。・・・ゴブミとバッカじゃない?」(おいおい、俺の扱いゴブリン以下になったの?)
「へえー、生きていたにか。今、何処にいるんだい。」
「こことあっちの階段の中間にドアがあったよね。外をみたら小さな出っ張りがいっぱいあったところ。」
「ああ、あれって階段じゃね?」
「うん、そのドアの外。・・今、中に入った。えっーー!」
「どうした?」
「1個が中央を真っすぐ、もう1個は壁際をゆっくり・・。」
「やっぱ、ゴブミとバッカだな。」
「あっ!マークで・・消えた。」




