第32話 対オーク ペナルティ戦その4
せめて今居る場所か、せめて方角が分かれば・・勇気は、路地の奥を覗き込みながらお姉ちゃんと待ち合わせした時を思い出していた。
「どうする?」
「移動する気配も無い・・通れないなら。」
ゴブミは、指で奥のオークを示す、頷く勇気。短剣の位置を直すとロングボウに矢を・・ロングボウは、持っての移動や直接の戦闘には不向きだが、威力は遥かに大きい。引き絞った矢を解き放つと弓から手を放す、そのタイミングでゴブミもチューンをオークに掛ける。勇気の短剣が手前のオークの首筋を狙う、腹に刺さった矢に驚き、パニック状態のオークに反撃の意思は無い。
少し浅かったか・・再度、切りつける事はしない。走りながら体勢を立て直す、目の前に迫った次のオークの行動を観察し次の行動を予測する。
オークの斧が上に・・両足は固定されているので、体を捻り斧を振り下ろすようだ。持っている短剣をナイフの様に投げる。無理な体勢での投擲だが、近づけないと判断した。近づく短剣を避けようとオークは、無理に体を捻る。振り上げた斧は、不安定な状態でオークの頭上に持ち上げられる。
勇気の攻撃が致命傷を与えていないのは、走りながら見ていたので分かった。ナイフの様に短い短剣を、勇気が通り過ぎて行った後、倒れてきたオークの首筋に再度・・声帯を切られていたのか、声にならない悲鳴を上げながら倒れていく。
後ろの腰から二本目の短剣を抜き取る。今なら斧を下にしか振り下ろす事は出来ない。姿勢を出来るだけ低く・・オークの横をする抜ける時に、足の付け根、腰の下を狙い突き刺す。そのまま通り過ぎると、立ち止まったゴブミと挟み込む格好になる。まだ、致命傷は与えていない。足元に落ちている最初の短剣を拾い・・両手で構える。ゴブミの指がオークを示す。うなづく勇気。
両足を固定され、腰を刺されたオークは、身動きが出来ない・・近くの仲間を呼ぼうとするが、通り過ぎて行った侵入者が再度向かってくる。危険を察知したオークは、体を捻り斧を向けようとする。両手を斧に掛けた時・・・突き出された斧を握っている両手が固定された。斧の動きが止まる・・手の甲に短剣が刺さる・・斧を落とすオーク・・別の短剣が喉元に突き刺さる・・声も上げる事も出来ずに後ろに倒れる。
二人は、2匹のオークが守っていたドアに耳を当て、中の様子を確かめる。中にまだ居る・・勇気とゴブミの指が動く。それぞれの位置、行動を指示しあうと・・・行動を開始する。




