第30話 対オーク ペナルティ戦その2
俺の名作戦、発動・・階段の前は、少し広い部屋の様になっている。部屋には3方から通路が繋がっている。オークは、正面を見ているので こちらは死角になっているようだ。
ソロリソロリ・・オークに近づくと・・ゴブミが足元にチェーンを・・勇気がショートボウで帽子と鎧の隙間を狙う・・お姉ちゃんは、槍を小脇に固定する。勇気の弓矢と同時に飛び出す。俺は、後方からの攻撃に備えて油断なく構える。いや、絶対に楽してないからね。
ゴブミのチェーンがオークの足を固定する。勇気の弓矢が帽子の淵に当たり跳ね返る。オークは、体をひねりながら剣でお姉ちゃんの槍を払いのける。強い!しかも、足が動いている!?・・チェーンを見ると、靴の抜け殻? 靴の上にカバーをかけていたようだ。流石、ペナルティ!よく見てる。と・・俺を見てる。ヤバイ・・細い路地は、あちらこちらに曲がり角がある。さっさと逃げよー!
どうやら、逃げられた。最悪な状態になった。誰一人(自我さえも)ついてこない。俺一人になった。さて、困った。どうしたら・・・
お姉ちゃんは、自我と一緒にいた。路地に逃げ込んだお姉ちゃんは、後ろから自我が付いてくるのに気付いていない、逃げるのに忙しく廻りに気を使う余裕など無い。
幾度、路地を曲がったろう。お姉ちゃんは、恐ろしかった。不意をついたはず・・気取られないはずなのに、振り向き様に槍の矛先を払われた。自分には到底出来ない・・強い・・そう思った。だから、逃げている。息も切れ、もう走れない。路地の奥に来たのだろうか、辺りは薄暗く 自分でさえよく見えない。ここで、自我が居る事に気付く。疲れたのか、石に腰掛けると自我に話しかける。
「やあ、一緒に来てくれたのかい。」
「みんな、一斉に走りだしたから、近くに居たお姉ちゃんについて来ただけ。」
「そう、勇気も上手く逃げられたかな?」
「それは大丈夫だろうね、オークは、あれ(自我も俺の扱いが・・)に向かって行ったから。」
「だったら安心ね。(おーい、俺への心配は無いの?)」
「さて、ここはどこ?」廻りを見渡すが、初めて来た階層 どの方角を向いているのさえ分からない。
「ねえ、私の場所と勇気の場所教えてくれる?」なんか話し方が・・オレから私?しかも丁寧に話してない?
「残念ながら、場所を教える事は出来ない。どうも、私は監視されている様です。」
「そうですか。では、一人でなんとかしないと。」お姉ちゃんは、諦めが良いようだ。スッと立つと、オークの気配が無いか注意しながら 明るい路地へと足を進めていく。お姉ちゃんは、気付かなかったが、ここまでオークと会わなかったのは、自我がお姉ちゃんを誘導していたからだった。




