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65話

 夜が明け朝早くから、魔法開発を再開する。

残る掛け合わせも2種類になったし、早々に切り上げたい気分だった。

何せ、中級魔法と銘打って出来た魔法の3つはどう使えばいいのか、見当もつかない素頓狂な魔法だった。


 やれ魔素を使って魔素を薄くしたり、濃くしたり、動けない隠形魔法。

これは残り2つもあまり期待が出来ない。

そんな訳でとっとと、開発してしまって街で武具でも見ようと言う話になった。


 先ずは木と風だな。

合成の難易度はあるけれど、一度できてしまえば大抵は同じ要領で、合成することが出来る。

目立った得意不得意がない事が、今の処開発には有利に作用しているようだ。


 さて、そうこうしている内に、合成は出来た。

これも・・・・・・弱く光っているけど、魔法自体に攻撃性は感じないな?

なら、自分を実験台にしてみる他ない。

昨日と同様に、足元に光る弾を落としてみる。

因みに仲間の中でも、ラインハルトは人一倍離れて観察している。

なんて友達がいのない奴なんだろう。

あんなに警戒される謂れは、・・・・・・少ししかないのに。


 地面に落ちた光の弾は、弾けて消えた。

・・・・・・何も効果が見当たらない。

使い方が違うのか?

再度、合成してみる。

今度は空中に撃ちだしてみる。

やはり、何も起きない。


 光の柱も光の靄も生じない。

失敗したか?

属性魔力が均等では、効果が発揮しないのか?

木を強めたり、風を強めると上手く合成が出来ない。

ってことは、合成自体は出来てるってことになる。


 うーん、自分では効果が認識できない系か?

「カチヤ、俺に何か変化有ったか?」

「何も、無いけど?」

「そうか・・・・・・」

「アディの魔法なんだから、攻撃対象がいないといけないんじゃ?」

いやいやいや、カチヤさん。

何も俺が攻撃魔法だけ創っている訳じゃ無いでしょ?

・・・・・・無いよな?


「確かに攻撃手段は多いけど、それだけじゃないから。」

「そう?」

「そうでしたっけ?」

おーい、女性陣の評価がおかしいって。

そんな、非攻撃魔法も沢山・・・・・・は無いけど。

あるじゃん!

そうだ! 回復魔法は攻撃手段じゃないし。

探索魔法だってあるしね!!


 まぁ、冗談はさておき、この魔法って一体?

この場合、協力者が必要になるよな?

多分必要だな。

いや、絶対必要さ。

「ってことで、ラインハルト。手伝って!!」


 声を掛けると同時に、光の弾を避けられないであろう速度でラインハルトに向けて撃ちだす。

何で、近くの女性陣に撃たないかって?

何かあったら大変だし、嫌われたくないじゃない?

その点ラインハルトは、受けるのうまいし。

それにこれ、攻撃魔法じゃないしね。


 ラインハルトが

「ってことって何だ――――――――!!」

なんて言っていたけど

もう遅い。

回避行動も予測して、着弾地点広くとったから。

よしよし、ちゃんと効果範囲にいたな。


「さて、どんな効果があるかな?」

「・・・・・・あいつは後で、絶対に斬ってやる。」

「何、物騒な事言ってんだ?ラインハルトの奴。」

「何か言ってるの?」

「どうしたんですの?」

おや?

聞こえてないのか?

 俺の耳には、今もブツブツと物騒なことを口走っている

ラインハルトの声が聞こえている。

あ! 聞こえなくなった。


 もう一度やってみるか。

恐らく怒りに震えているであろう、ラインハルトの足元目掛けて魔法を撃ちだす。

聞こえないな?


 自分の足元にも魔法を落とす。

あ、聞こえた。

「ちょっと、皆離れてみて。」

女性陣に声を掛けて下がらせる。

「もう少し、そうそこに居て!! ラインハルト! もう一回付き合って!!」

皆の行動を見て、不思議そうな表情のラインハルト。


 それぞれの足元に魔法を撃ちだす。

クラウディアが若干避けたけど、幸いにも効果範囲にはいるようだ。

今、クラウディアの声も聞こえる。

「聞こえる?」

小声で皆に問いかける。


 草原で遮るものが無いとはいえ、これは聞こえないだろう。

普通なら。

「聞こえるな。」

「聞こえる。」

「聞こえますわ――!!」

いや、クラウディア声大きい。

「効果が分かった。皆ありがとう。」

そうか、こんな魔法になるのか。


 これは魔法を掛けた同士の、声を伝えやすくする

なんて言えばいいな。

・・・・・・そう、伝達魔法ってところか。

永続効果じゃないのが、少々難があるけど意外と使いやすいんじゃない?

誰だよ、中級魔法使えないのが多いなんて言ったやつ。

・・・・・・俺だな。


 なんか、意外とやる気が出てきたな。

この調子で、最後の掛け合わせもやってしまおう。

残ったのは、火と木だな。

これも相性良さそうだな。

何せ、火で木が燃える関係性だもんな。


 皆にはそのまま、離れていてもらう。

最後が危険だったら、大変だしな。

おお、やっぱり火と水に比べれば合成しやすいな。

調子に乗って、あんまり大量に合成しないように気を付けないと。


出来上がった合成魔力。

土と水よりも黒い弾になった。

これは見るからに危険な魔法だ。

魔力に宿る攻撃性も、爆裂魔法と同等に感じる。

取りあえず、20メートルぐらい離して効果を見た方がいいな。

そう考え、撃ちだすと。

あれ?

半分くらいしか飛ばない。

何となくの感覚だが、飛距離が出ない、そう感じた。


 すぐさま縮地で距離を取る。

これで飛距離と合わせて、25メートル位はなれるはず。

着弾した魔力は、黒い柱を創り直ぐに消失する。

あまりの禍々しさからか、皆が集まってくる。

皆で恐る恐る、着弾地点を観察しに行く。


 何だこれ?

スゲ―――――――――!!!!

あんな少しの魔素で、こんなに広範囲に効果があるの?

それにこれ・・・・・・。

「これ・・・・・・森で・・・・・・」

「アドルフ!! ダメに決まってるだろ。」

「何でさ?」

「お前は森を死滅させるつもりか?」

「一回だけ! 一回だけ全力で撃ったら封印するから、お願い!!」

「撃ったら即座に、憲兵に引き渡すぞ!」

「大丈夫、婚約者の私が責任もって斬るから。」

「流石に、これは無いですわ。」

「じゃぁ、山で。」

「アホなのか? 場所の問題じゃないだろ?」


なんて不謹慎なことを言っている俺の背後は、草原の草が5メートル四方くらいの大きさで枯れている。

いや、腐敗している。

周囲は草が腐敗している不快な臭いが漂っているが、何故か俺の心は高揚していた。

これを魔物に撃ったらどうなるんだろう?

撃った魔法のように暗い感情が芽生えるが、皆にこれだけ反対されるのなら、これ以上の実験は出来ない。


大人しく封印しよう。

いや、何かに使えるかも・・・・・・。

「アドルフ!!」

はぁ、封印か・・・・・・。


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