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64話

 さてさて、使いどころの分からない馬鹿魔法のことは忘れて、開発を進めよう。

次は・・・・・・、木と風だな。

さっきの火と水みたいにやっていけば出来るはず。


・・・・・・木って回復魔法だったよな?

相手に掛ける要領で、風の魔法に掛ければ

いけるか?

副作用の心配は最近ないけど、やっぱり副作用は気になる。

慎重に、慎重に。


 魔力を集中して・・・・・・。

あ、もう一回。

んー、くっ!

もう一回!!

あ、これか?


 数回で合成に成功した感触を得る。

さっきの馬鹿魔法に比べると光っているのは同じだけど、魔法自体の攻撃性みたいなのは感じないな?

攻撃魔法じゃないのか?


 試しに足元に合成した魔力を落としてみる。

「アドルフ! なにを?」

後ろでラインハルトが叫ぶ。

心配なんだろうが、俺は大丈夫な気がする。

足元で弾ける。


何も起きないな?

「アドルフ!! どこに行った??」

はぁ

「ここにいるだろ。」

「どこだ?声だけ聞こえるが・・・・・・」

ラインハルトは緊急事態だと認識したらしい。

剣に手を掛け、周囲を探っている。


ここにいるんだけどなぁ?

無造作に一歩踏み出すと、草が鳴り

「そこかぁー!」

ラインハルトが抜刀して突っ込んでくる。


 馬鹿じゃないの? 馬鹿じゃないの?

後数センチで切られてたけど!!

「ラインハルト! 危ないから剣しまえ!!」

「? 何だ・・・・・・そこにいたのか」

安堵した様子のラインハルト。

切りかかっておいて、その態度は無いだろう。


 ボカッっとやや鈍い音がラインハルトの頭で鳴る。

「イタッ! 何するんだ! アドルフ!!」

さっきの魔法をもう一度使ってみる。

「どこに逃げた!」

辺りを探りながら、徘徊するラインハルト。

一歩も動かずラインハルトの目の前にいたんだけど。

・・・・・・まだ探してるな。


なるほど・・・・・・。

こちらの姿を認識しずらくする魔法。

所謂、隠匿魔法とでも言う魔法なのか。

いや、隠形魔法か?

へ~、まだラインハルトが探しているなら大分持続時間も長いようだな。


 どれくらいで見つかるか観察してみよう。

よっと。

ずっと立ってるわけいかないから座ってみる。


「そこにいたのか!!」

あれ?

いきなり見つかったな。

「アドルフ! 何でいきなり殴った?」

「そりゃぁ、いきなり斬りかかるからだろ。」

「え?」

「俺が座ってすぐに見つかったってことはお前、俺を認識して斬りかかってきただろ?」

「そ、そんな訳無いだろぉ?」

こいつ・・・・・・。


 まぁ、特性はよくわかった。

隠形といっても動かなければ。っと言ったところか。

使えなくもないけど、使いどころが難しいな。

慣れで動けるようにならないかな?

・・・・・・まぁ、要検討だな。


さて、今度は・・・・・・。

土と水かな?

土と水って相性が良く感じるんだけど打ち消し属性なんだよなぁ~?

不思議だな。

そろそろ理由聞きたいから神様出てきてくんないかな?

まだ来ないだろうなぁ~。

あ、間違った。まだ出てきて欲しくないなぁ~。

よし! フリはして置いたから、その内くるだろ。


 さてさて、今回はどうなる?

うん、さっきよりもやり易いな。

やっぱり、相性良いんじゃないか?

あ、ほら!

もうできたもの!!


 今回は、黒い球体が俺の前に浮遊している。

さて、攻撃性は高くないけど隠形の時のような、明らかな非攻撃性は感じない。

見た目は断然攻撃魔法な見た目だけど・・・・・・。

怪しいものは撃ちだしてみるに限る。


 10メートルほど先に、打ち出してみる。

あ?

着弾地点が20メートルほど先になる。

なんで?

それにかなりゆっくり打ち出したのにあんなスピードある?

想像よりも速い弾速、飛距離。

そして着弾地点は・・・・・・。


うわぁ、なに?

靄?

黒い靄とか、もういい感じしないけど。

恐る恐る近づいていく。

あれ、この靄痛くも痒くもない。


なにこれ?

効果が分からない魔法の方が、怖いって。

暫く佇むと、視界が・・・・・・。

あれ?

なんだ?

膝に力が入らない。

魔力切れとも違う・・・・・・。

浮遊感のような、視界も定ま・・・・・・らな・・・・・・い。


危険に想い、その場を離れる。

膝に力が入らないせいで、足元がおぼつか無い。

少し離れた所で、深呼吸をする。


・・・・・・よし!

何とか回復したか?

それにしても・・・・・・なんだこれ?

いや、毎回なにこれって言ってるけど。

これなに?

え?


「おーい! どうしたー?」

ラインハルトは声を掛けてくるがこちらに近寄ってこない。

・・・・・・試してもらうか。


 先ほどの魔法を近場に打ち込む。

やはり、想像よりも遠くに着弾する。

何なんだろうか?


やはり靄が立っている。

「ラインハルト!! ちょっと来てくれ!」

ラインハルトは、靄を迂回して近づいてくる。

おーい! それじゃ意味ないだろうが。

靄を迂回したと思ったラインハルトの足取りが・・・・・・。

おお、これ、千鳥足って奴か。

ははーん?


 あ!!

倒れやがった。

やっば!!

あれ?

痙攣してる?

嘘だろ?


 先ほど馬鹿魔法と罵った魔法を、ラインハルトの近くに撃ちだす。

予想が正しければ、対処法はこれで良いはず。

まばゆい光の柱を造り、消えていく魔法。

ラインハルトは頭を振りながら、ゆっくりと立ち上がる。


良かったー!!

大丈夫みたいだな。

ラインハルトに駈け寄り、回復魔法を掛ける。

「大丈夫だったか?」

「ああ、最初は酔ったような気分になったんだが、そこから覚えてないが・・・・・・」

「やっぱり、そうか。」

「やっぱり? どう言うことだ?」


「この魔法、多分・・・・・・魔力を創る魔法かな? って」

「はぁ? 魔力を創る?」

「うん・・・・・・」

恐らく黒い靄は濃度の濃い魔素が、そう見えているだけだろう。

そして、酔ったような感覚になるのは所謂、酸素中毒のように魔素中毒になった

そう考えられる。

・・・・・・一歩間違えば、ラインハルトは非常に危険な状態だったんだが、今は黙っておこう。


 それにしても、魔素を使って、魔素を生み出す魔法。

意味ねぇぇぇぇぇぇぇ

なにこれ?

だったら、魔力消す方が、まだ使いどころあるだろ。

何なんだよ、この世界・・・何させたいの?

もう嫌だ・・・・・・。


カチヤたちが森から帰ってきたので、皆は食事の用意をし始めた。

俺は、簡単に土魔法で竈を作り、そのあとふて寝した。

中級魔法・・・・・・使えね―――!!


 食事が出来るまで、その日は何もやる気が起きず食事の後も森の中を、適当に散策し夜を明かすのだった。



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