表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/146

61話

「さて、アドルフ。この惨状に付いて、話を聞かせてもらえるかな?」

寝ぼけ眼の俺を、城門の外・・・・・・昨日の焼け野原に引きずってきたラインハルト。

何だって言うんだ? こっちは、憲兵の相手を夜遅くまでしていたって言うのに。


「おい! こっちを見ろ、目を見て真実だけを話せ? いいか?」

「もー、何って、魔法の実験でしょう? それ以外に、俺がこんな暴挙に出ると思ってる?」

「思っているから、聞いている。それに実験自体が暴挙スレスレだ。この元草原に、人がいたらどうするつもりだ? って言うか、居なかっただろうな?」

「いるわけないじゃん! ちゃんと調べたよ。それに誰の実験が暴挙だ、うっかり王子。」

「ほう~、どうやって調べたんだ? 焼け野原の周りを見てみろ。背の高い草ばかりじゃないか。・・・・・・誰がうっかり王子だ?」

全く、起き抜けにこんなところまで連れて来て。

「調べられるの。森だろうが草原だろうが、朝でも夜だろうとネズミ一匹から見つけられるようになったんだ。」

「・・・・・・魔法か?」

「そう、こんな風に・・・・・・」


 右手に木属性の魔力を、左手には土属性の魔力を展開する。

その状態で両手を合わせるように、2つの魔力をかけ合わせる。

2つの属性が合わさることで、魔力の質が変質する。

変質した魔力は体を通り、足から地面に抜け周囲一帯を駆け抜ける。

ラインハルトが近くにいることで一部が反響したように、返ってくる。


 これが俺の唯一といってもいい、非攻撃魔法。

|探知「ラダール」、字のまま周囲を見通す。

そのためだけの魔法だ。

「何をした? なんか地面から、気味の悪い波動が上がってきたけど」

あれ?

「嘘? 感覚あった?」

「ああ。」


 おっかしいなぁ~

原初の解説を思い出す限り、相手には分からないはずなのに原初が魔導の世界で、これを使う際とある野外ゲームで使っていたと、解説していた。

それは俺の知る言葉に訳すと、サバイバル・ゲームだ。

魔法を駆使して、低威力の魔法を当て合うと言う、想像するだに、非常にデンジャラスなゲームが魔導の世界にはあると言う。

そのゲームで、よく使われる手法の中にこの魔法が有ったと言う。

相手には気が付かれず、待ち伏せを察知する方法。

そう説明が書かれていたんだけど・・・・・・。


何回やっても、どれだけ離れてもラインハルトは分かると言う。

・・・・・・これは、要改良と言うことにしよう。

ちょいちょい、原初の魔法使いが使っていたと言う

魔法との差異が目に付く。

以前、木竜にも別物だと言われたけど。

真筆の手記よると、ほとんど変わらないはずなんだけどなぁ~? 中級だけは。


 取りあえず、人的被害がない事を納得したラインハルトに、今後実験の際には届け出を出すように言われた。

・・・・・・どこに出せって言うのか?

ラインハルト本人にか?

・・・・・・これからは、見つからない所まで行こう。


「そう言えば、ラインハルト?」

「なんだ?」

「トムーギで貰った戦斧、あれどうする?」

賢王の戦斧。

褒美としてもらったけど、重いし俺達の誰も使わない武器。

長さもそれなりにある為、今はリーズベルト家に鍛錬用として置いてある。


国王も好きにしたらいいと、接収もしてくれない、正直扱いに困っている武器だ。

「ラインハルトの知り合いで、誰か戦斧を使っている人居ない?」

「いないな。取りあえず、リーズベルト家でいいんじゃないか?」

良いんだろうか?

まぁ、鍛錬用だとしても使ってもらえるならその方が良いかな?


・・・・・・最悪、独立した時に持って行こう。

男爵に切らないで貰えるように、後でお願いしておくか。

「これからどうするの?」

「もう用事は終わったから、好きにしていいぞ。・・・・・・開発に行くなら、一言言って行けよ?」

「行かない・・・・・・行かないよ。」

「そうか?」


 今日は開発はしない。

他にやることがあるから。


 ラインハルトと別れ、とある森に来ていた。

最近猫が良く出没すると言う森に。

暫く進んで行くと、いた。

猫だ。

わざと足音を立てて、近づいていく。

案の定飛びかかってくる猫を、紙一重で躱す。

最小限の動きで、躱す。

あぁ~、これは大きく動きすぎた。


防具の付けずに猫の攻撃を躱す。

視神経にだけ身体強化を掛けて、ひたすらに躱していく。

知覚スピードが上がっても、身体が付いていかない

俺は、6段階を覚えてから、そのことがどこか不安だった。

そんな訳で、こうして知覚スピードと身体能力の差異を無くす訓練をすることにした。


 猫は疲れたのか次第に、動きに精彩が掛けてくる。

まぁ、こんなもんか。

猫が俺の横を通り過ぎるタイミングで炎の刃(フレメ・グリンゲ)を突き立てる。

んー、速さに慣れるつもりで猫退治に来たけど。

駄目だな。


 もっと速い攻撃に対応できないと。

魔神はこれの何倍も速い。

神殺しの方法がどんなものでも、視界に相手がいないんじゃ

確実に負ける。


 明日は父上相手に同じことをやってみよう。

格上の相手でも、同じことが出来ないと。

いずれはリーズベルト男爵とでも同じことが出来るようにしないと。

魔神はそれよりも速いはずだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ