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56話

 俺たち4人は宿の部屋に集まり、今後の事を相談し合うことにした。

「さて、どうするか。」

ラインハルトは難しい表情で口にする。

実際問題として、魔法は効かなかった。

では、剣などの物理攻撃はどうだろう?

その件に関しては、ラインハルトとカチヤが統一の答えを出す。

その答えは・・・・・・。

現状では無理。


「理由を教えてくれるか?」

「簡単さ、あいつが立ち去るとき『消えた』って、感じなかったか?」

そうだ、確かに消えた、そう感じた。

「アドルフは見てないだろうけど、地面には確かに足跡があった。その足跡が意味するところは・・・・・・」


 信じられないことに、俺達の認識できない速度で俺達の横を通り過ぎて行った。

そう言うことになる。

少し考えれば、当然のことでこの世界には、転移魔法と言うものはまだ無い。

俺達の知らないだけで、ある可能性もあるがそれなら、足跡の意味が説明がつかない。


「10段階の身体強化魔法が、本当に神降ろしかどうかは置いておくとしても、あの速度で移動する生物に、剣を振り下ろすことのできる武人が、この世にいるかどうか。」

ラインハルトが更に難しい表情になる。

「カチヤ、リーズベルト男爵ならどうだろう?」

俺の知る最強の武人。

義父上なら、可能じゃないか?

「アディ、父様でも無理だと思う。」

カチヤは以前、リーズベルト男爵の最速の型を見せられたことがあると言う。


「最速といっても、認識できないほどではなかった。」

と、言うことはリーズベルト男爵でも一方的に先手を明け渡すと言うこと。

苦戦は必至だろう。

「じゃぁ、弓なんかで長距離狙撃はどう?」

「アドルフさん、それも難しいと思いますわ。」

「なんで?」

「6段階を習得した人は矢の風切り音を聞くことが出来るようなんです。現にライニーは後ろから撃っても躱しますし。」

ラインハルト、そんな事出来るの?

お前はどこの達人だよ!


「じゃぁ、全く手はないと言うことになるけど・・・・・・」

「まぁ、現状ではな。」

やっぱり、10年はきついんじゃないか?

いや、何か手はあるはず。


「そう言えば、アドルフが初めて城で使ったあの青い炎の魔法ならどうだ?」

「あれか・・・・・・」

確かに速度は俺の使う魔法では最速だ。

しかし・・・・・・

「青い炎を創造するまでの時間がなぁ~」

デモンストレーションならたっぷり時間を使えるけど

実践では使えないだろう。多分・・・・・・。


「じゃぁ、打つ手なしか。」

ラインハルトは天を仰ぎながら呟く。

第一、魔法は効果が発現しなかったと言う問題が残っている。

そこをクリアしないと速度を捉えても意味がない。


ふと、あの魔神を自称する魔族が言った言葉。

自分を殺せる方法を『見つける』のは10年で短いか長いかを聞いてきた。

ならば、あるんじゃないか?

第一、神様を傷つけることができないならあの魔神が父親と母親に会いたいから、父神を地上に顕現させる為に戦争を起こす。と言う理由に矛盾が生じる。


 それに、会いたいと切望せるならそれだけの理由が必要だろう。

只会いたいなら媒介がなくても会えるはず。

神様なんだし、方法はいくらでもある気がする。

媒介が必要な理由、それは神として何かが欠けた可能性がある。


神様の親子がが一緒にいられなかった理由。

そこに突破口があるんじゃないか?

「なぁ、もう一度木竜に会いに行かないか?」

「どうした? 急に。」

俺は自分の考えを説明する。

一緒にいられなかった理由を知っていそうな人物は教会関係者なら、伝承が残ってて知っているかもしれない。

でも、その出来事をその目で見て語れる可能性がある者。

それは、木竜しかいない。

俺はそう思った。

それしか考えつかない。


「・・・・・・確かに。」

「そうですわね。」

「可能性は、あるかも。」

皆が同意してくれた。

本当は神様本人に聞きたいところだけどあいつは今回は、出てこないんじゃないだろうか?

そんな確信がある。

・・・・・・まぁ、痺れを切らして出てくる可能性もあるからその時は問い詰めよう。

ハリセンのことも踏まえて。


「じゃぁ、行くか!」

「待て、アドルフ。先に神託の結果と、今回のことを国に報告しなくては。」

おっと、忘れていた。

一応今回は、国に対してのの神託と言うことになっていた。


「そうだ、報告しなくちゃな。」

良く考えれば、人族全体の問題になっているんだ。

あれ?

「ラインハルト、トムーギ国王には報告しなくていいのか?」

「もちろんするさ、依頼達成の報奨金も貰わないといけないしな。」

と言うことは、また外国の国王様に会わないといけないのか。

ちょっと、面倒だな。

「ラインハルトだけで行くんじゃ、ダメ?」

「ダメに決まっているだろう!」

「いっその事ラインハルトの単独攻略にしちゃえば伯が付くんじゃない?」

「アホなことを言っていないで、先ずはトムーギ王国の首都に戻るぞ。」


 翌日、トムーギ王国の首都に向けて出発することにした。

何故か街の人たちが集まり、パレードのようになっていたけどこれは、何故だ?


 幾ら国王の依頼の迷宮攻略とは言え

10代前の依頼だぞ?

大袈裟過ぎるんじゃないか?


 やや居心地の悪いパレードを終え街を後にする。

まさか、行く先々でこんなことにはならないよな?

若干の嫌な予感を胸に、一路トムーギ王国の首都に向かうのだった。

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