表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/146

47話

トムーギの迷宮に向けて出発の日。

「さて、行くか」

色々面倒も有ったし、仲間達に散々な事を言われたけど、街を離れるのは何時だって感慨深い。

また、無事にこの街に訪れることのできるように、気を引き締めていかないと。


「あ、アドルフ、昨日はいい忘れたけど、ゴブリンに使った魔法禁止な?」

え?

「何で? いや、それにあれは魔法じゃなくて技だから、言うなればヴェルマー家流魔弓術だから」

「うん、どっちでもいい。禁止に変わりはないから」


「何で? 理由は?」

「お前、クラウディアの魔法の中を歩けるか? 歩けるなら許可してもいいぞ? 何なら、今試してみるといい」

なら、仕方がない。

使うのは止めておこう。


「大体、あの魔法は」

「技ね」

「あの技は包囲殲滅なんて言ってたけど、時間差がありすぎて実際には使い辛くないか?」

痛いところをついてくるな。

ラインハルト、察しが良さすぎるだろ。


そう、あの技は1対複数といっても数十を想定していなかった。

元々片手で(バレット)を放ちながら足止めをし、もう片方の手で意識の向いていない上空から弾の雨(バレット・レイン)を浴びせる。

そう言う想定で考案していた。

なので、先日の状況のように上空に2重に弾の雨(バレット・レイン)を展開しようとすると、足を止めなくてはならない。

「夜襲以外なら、アドルフが足を止めた隙に散開されて逆襲を喰らうものな?」

ご明察。


本当なら爆裂系の魔法を使いたいんだけど

「未だに、うまくいかないんだよなぁ~」

「ああ、着弾すると破裂する魔法だっけ?」

「ああ。」

そう、構想自体は子供の頃からあった、爆裂魔法。

これが未だに成功しない。


魔法はイメージなので、メカニズム自体を知らなくてもいけるハズなんだけど・・・・・・。

恐らく魔法の発現には2属性以上の魔法を合成しなくてはならないんだろう。

確証はないけど・・・・・・。


王都を出てからは暫くは徒歩で次の町に向かう。

路銀は潤沢だけど、強敵に備え魔法を織り交ぜた戦闘を、より十分なものにする為連携を考えなくてはならない。


なので道中も変わらず狩りをしなくてはならない。

「側面行ったぞ!」

「ラインハルト! 左右はちゃんと指示してくれ。」

今日の相手は鳥だ。

・・・・・・何鳥なんだろうな、これ。

中型の鳥の大群が次々に撃ち落とされていく。

大きさ的にはオウムなんだけど・・・・・・。


「アディ! 回り込んできてる」

「了解」

今日は戦略的に行動してみようと話していたのに・・・・・・。


作戦はラインハルトとカチヤが鳥をおびき寄せる、そこを俺とクラウディアが迎撃する。

至ってシンプルな作戦のはずだった。

数以外は・・・・・・。


「何匹いるんだこれ?」

「後にしろ! 考える前に行動だ。」

うーん、ラインハルトの言い分ももっともなんだけど。

きみ、わざわざ何本も木を揺らしておびき寄せたよね?

「あと、どれくらいですの?」

「まだ空を覆うぐらいいるから」

「もう!」

イラつくクラウディアは、先ほどから魔法を連射しまくっている。


俺もかなりの回数の範囲魔法を使っている。

個体が小さいから、俺たちの範囲魔法でも十分殺傷力はあるのだけど如何せん数が多い。


クラウディアが、何回目かの魔法を行使すると

「あ、」

と、小さな声を上げて倒れてしまった。

「え?」

なんで?

「おい! クラウディアが倒れた!!」

「なに?!」


前線から駆け付けるラインハルト。

カチヤの負担が大きくなる。

「ラインハルト! 前! 前!」

だんだんと捌ききれなくなってくる。


もうだめだ。カチヤが攻撃を受ける回数が多くなってきた。

「カチヤ! 下がれ。」

俺も前線に参加しなくては。

「アディ、二人が無防備になる。」

意外と平気そうな顔で答えるカチヤ。

「けど・・・・・・」


後ろを振り返るとラインハルト達の目前に、鳥の大群が迫って来ていた。

「あー! 直ぐに戻る!」

「うん」

走りながら両手で水の弾の雨(バレット・レイン)を、上空で十字に重なるように放つ。

弾の雨(バレット・レイン)十字射撃(クロイツ・シュス)を合わせたような魔法だ。

といっても実際には魔法の軌道を変えただけなんだけど。


間一髪で回り込んでいた群れを倒すことに成功した。

「ラインハルト! クラウディアは無事か?」

「あ、ああ」

「じゃぁ、後にしろ! 手が足らない」

乱暴にラインハルトの肩をゆすり、現状を突きつけカチヤの所に駆ける。

少し呆けていたようだが、俺の後ろから足音がする。

よし、動いてくれたようだ。


ラインハルトが風を起こし鳥を分断させることで、カチヤの負担も減り、幾分か楽に動けるようになったようだ。

更に俺が数回の弾の雨(バレット・レイン)を放ったころで、鳥たちは全滅していた。


やっと終わった・・・・・・。

あまりに長い戦闘で疲労感がハンパない。

「アディ助かった、ありがとう。」

声を掛けてきたカチヤを見ると、頭から血が流れていた。

顔にも多くの傷が見える。

「カチヤ、こっち来て」

カチヤを呼び寄せ回復魔法を掛けていく。


傷は見る見る治り、幸いにも残った傷はなかった。

さて、クラウディアに近寄ると、聞こえてくる寝息。

・・・・・・?

「寝てるな?」

「ああ。」

抱きかかえているラインハルトも、安堵した表情を浮かべている。


一応回復魔法を掛けるが、やはり寝ているだけのようなので、ラインハルトを残して鳥を回収にいく。

鳩のような顔をしている。

それにしてはやけに獰猛な気がするけど・・・・・・。

嫌な予感がして鳥を解体してみる。

ホッ、魔石はあるみたいだ。

魔族が出した魔物かと思ったけど、どうやら違うみたいだ。

鳥の体内にあった、小さな魔石を掲げて覗き安堵する。


目覚めたクラウディアは空腹を訴えたので、解体した鳥を塩焼きにして与える。

どうやら魔力切れのようだ。

体内に取り込んだ魔素を代謝しきると、さながら低血糖のような症状が出る。

低血魔? 低魔血?

うーん、語呂が悪いな。

などと、どうでもいいことを考えていると

「アドルフさん、足りませんの」

鳥一匹を平らげて更にお代りを要求してくる。


・・・・・・魔力代謝を上げるのも考え物かもしれない。

けど、俺は魔力切れをそこまで経験していない。

多少は神様のご加護があるのだろうか?


取りあえず、皆その場で食事を取り、近くの野営地で野宿をすることにした。

何匹かさばいてみたけれど、ちゃんと魔石はあった。けれど大きさにバラつきがある。

何か釈然としないものがあり、ラインハルトに報告してみる。

「うーん、セロフィーではあまり見ない種類だけど、そう言う種類なんじゃないか?」

「そうか・・・・・・そうだよな。」


国が違えば生き物も違う。

それに個体の成長によっても違うだろうし、考えすぎだよな。

そう考え、その日は交代しながら就寝し

夜が明けてから、先に進み街に到着した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ