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32話

神殿の奥まった一室に俺一人通される。

木竜は、扉が閉まるのを確認すると

「おぬしも使徒じゃな?」

そう、問いを投げ掛けてきた。

「使徒の定義にもよるかな?」


「随分素直に答えるの?」

「世界を見通す、そう称される使徒に嘘を付いたところで無駄でしょ?」

「ふぉふぉ、ワシにそんな力が無い事も分かっているだろうに・・・・・・」

そんな力があったら、あそこまで知識欲や技術に傾倒しないだろう。

「多分だけど全てを見通す力は神木の力。」

「そうじゃ、厳密に言えば最初の使徒はあの神木じゃ・・・・・・」

木竜は、遠い虚空を見上げ薄く笑みを浮かべた。


「まぁ、ワシの話は良いとして、おぬしも魔導の世界から来たのかの?」

魔導の世界?

「そんな世界が在るんですか?」

「以前、勇者一行が来たときに魔導の者からそう聞いている。」


勇者一行も神託により、旅の途中ここに立ち寄ったらしい。

その際原初の魔法使いから、別の世界について話をきいたらしい。


・・・・・・魔法が元々在る世界が在るなら、何で俺をこの世界に連れてきたんだ?

あの神様は?


「少なくとも俺が知る限り、元の世界に魔法はなかったですよ? 代わりに在ったのは科学です」

「ほう、かがくとな?どう言ったものじゃ?」

「俺も専門じゃないので・・・・・・例えば、火が何で燃えるのか? とか人が何でできてるか? そんなことを調べる学問ですね」

かなり大雑把だけど。


「なるほど、そこが違うのか」

「違い?」

「そうじゃ、魔導の者が使う魔法とおぬしが使う魔法はだいぶ違うはずじゃ」


詳しく話を聞くと、原初の魔法使いが使用した魔法は、圧縮・形成と言った過程がなくても火はそのままでも飛んでいくし、飛ばした火を自在に操れるしと言った明確な違いがあるらしい。


「なんでそこまでの違いが・・・・・・」

軽くショックを受ける。

「それにな、おぬしの言う0.5だったか? そういった前段階無しでも出来たようだぞ?」

「はぁ?」

いやいや、それは無理・・・・・・じゃないのか?

しかし、実際使っていたわけだし・・・・・・。


「まぁ、おぬし的に言うと、体の構造が違うんじゃろ。あやつは成人したままでここに来たそうだからな」

そうか、転移者なのか・・・・・・。

なるほどそれで、副作用もなしに使うことが出来たのか。

それなら納得できる。

実際、砦を燃やすなんて現状俺の魔法では出来ないし。

そりゃ、結果として燃えることもあるだろうけど、どちらかと言えば燃やすより、吹き飛ばすイメージだからな。


それにしても大きな疑問が残るな

「何で神はこの世界に魔法を作らなかったのでしょう?」

この世界で使用できる、この体に合った魔法を創ることは、世界を創造するより楽なことなんじゃないか?

寧ろ、世界の理を魔法に沿って創ることも不可能では無いはず。

現にそういった世界を創っているのだから。


それに魔法が無い世界なら、何故魔素なんてものがこの世界にあるのか?

原初の魔法使いを呼び込むため? だったら元の世界で神託を与えればいいはず。

神の行動が一切読めない。

まぁ、神の御心を読み取れるほど信心深くもないけれど。


「何かの目的のためとしか言えんのう」

木竜をしても計り知れない何かをしたいのだろう。

あの神様は・・・・・・。

あんなにちゃらんぽらんに見えるのに・・・・・・。


そう言えば・・・・・・。

「話は変わりますけど、神様を背中に乗せたって本当なんですか?」

この世界の創世記の話、神話が本当かどうかなんて興味深い話だろうか。

実は確かめたくて仕方がなかった。


「本当じゃ、生み出されてから世界の隅々まで見て回ったぞ! 知っておったか? この世界は丸くてな一周して元の場所に戻ってくることが出来るのだぞ」

それから、神と見て回った世界の話を喜々として話し出す木竜。

姿は好好爺と言った感じだが、目は少年のように輝いている。


「・・・・・・それでな神は言ったんじゃ、お前の目は竜胆のように澄んだ色をしているとな」

木竜の話を聞いているとあの神様は出てこない。

と言うか、神様は1柱しか出てこない。

「あの! 他の神様って会ったことないんですか?」

「他の神様? ・・・・・・魔神は神と言うより悪魔に近い存在じゃし、おお! 自分を分けて創ったと言う少年のような神はいたかの」

「それぞれに名前ってついてました?」


「神同士は呼び合っていたようだが、どう呼んでいたかは一切分からなかったな」

「分からない?」

「そうじゃ、神と同格ならば分かった様じゃが、格下のものには分からないようになっておるんじゃと」

なるほど・・・・・・前世では名前が付いているのが当たり前だったけど、道理でこの世界では名前が無いはずだ・・・・・・。


でも、前世も神様の管轄なんだよな?

あれ?

向こうの宗教って・・・・・・。

いや、考えるのはやめておこう。

現世では関係ない話だし。


人を超えた存在なら、あの神の名前も分かるかもしれないけど。

永遠といっていいほど永く生きる龍に分からないものが、人である俺に分からないのも仕様がないことだろう。


「あの神木の癒しの力って、やっぱり回復魔法なんですか?」

「回復魔法?」

「ええ、癒しの力を真似てみたら出来たんですけど・・・・・・」

「おぬしはなんでも創るのう。・・・・・・どうじゃろ? あの神木ではなくとも長く生きる木々なら同じ効果もあるようじゃが?」

・・・・・・木ならできる?

と言うことは、木に魔石が無いのはある程度時間がたつと、魔素を放出するからなんだろな。


虚の中に魔石が出来る木や、魔素の濃い水分が溜まる虚なんて神秘的でいいと思ったんだけど残念。

無いのか・・・・・・。

まぁ、回復魔法の属性は木ってことでいいだろう。


これまでに創った属性魔法は、火・水・土・風・木の5種類になった訳か。

・・・・・・何かに似ている気がする。

漫画でよく使われる何かに・・・・・・。


ん?

5行説なのか?

いや、そこまで安易でいいのか?

だとすると・・・・・・相克ってどうなるの?

あ!

そこか?

そこが20点の中に含まれているのか?


え?

何通りだ?

5つだから1パターンがえっと10か?

10の何乗になる?

2か? 3か?

10ってことは無いよな?


「どうしたんじゃ? 急に黙り込みよって」

今行きついた可能性を木竜に伝える。

あり得ないほど、長い実験をしなければいけない可能性を。

大体、どうやって検証していくんだ?


現状部分的に使えるって言える人間も、4人しかいないし・・・・・・。

「おぬし、大分抜けとるの? 検証のための神託じゃないのか?」

「神託?」

「そうじゃ、5つの属性に5色の魔物。無関係な訳がなかろう?」

・・・・・・へ?

そう言うこと?


そうなのか?

じゃぁ、早くトムーギの迷宮に行かないと!!


翌日、クラウディアが回復したことを確認すると、竜の聖地を後に王都への帰路についた。

ずっと意識を失っていたクラウディアは、龍の姿を見れず残念がっていたが。

申し訳ない。


早く迷宮に行かなくてはならない。

そう説明し、クラウディアを引きずって下山ルートに入っていくのであった。

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