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16話

今日も今日とて、机に向かう。

先日書いた、基礎理論に付け足しをしている。

序章として、魔力とはと言う考察。この世界のあらゆるものには魔力が宿る。

過去からこの考えはあり、現在もこの世界の住人ほぼ全員が

そう考えているだろう。


俺もそれは間違いないと考えている。

では、どこまで魔力が介在しているか?

電子顕微鏡のないこの世界では、確認が出来ないが恐らく、どこまでもだ。


動植物は言わずもがな、無機物にも。

空気でさえ酸素、窒素などに紛れ魔力・・・魔素とでもいう何かが混入している。

食物連鎖で、濃縮され人は魔法を使い、動物は魔石を産む。

恐らく大木にも、魔石に相当する何かがあるはずだ。


人も飽食になれば、恐らく体内で魔石を生成する。魔素性結石とでも呼ばれる病気を、いつの日か発症するだろう。

それの予防は今現在の生活、魔力を使い生活することだ。


そして魔力と生物の親和性について。

恐らく、魔族と人間は親和性が高い、魔力を消費しエネルギーに変える。そうしたことを行うことで、糖や脂質と同じような魔力代謝が生まれる。

筋力が増えると、基礎代謝が増えるように、魔力を多く使うと魔力代謝の基礎量が増えると踏んでいる。


これも、後の世で医学が進歩することで、立証されていくだろう。残念ながら、これらを立証するとなると時間が足りないし、何より人体実験になってしまうため、思考実験の域を出ないが・・・・・・。


人の魔力の根源は、丹田にあると言うのは、丹田付近の臓器によって魔力が代謝されることが、誤認されているのではないだろうか?


次いで身体魔法とは。

身体魔法を使用することで、筋力を増強することは厳密には無いといえる。

魔法を使用していても、筋に負荷がかかる。結果として筋力は増強するわけだが、身体魔法=筋力増強ではない。

根拠は、使用者の体形を見れば明らかだ。


俺とカチヤ性差はあるとしても、常時剣を使用するカチヤが、属性魔法を織り交ぜる、俺より細身なのは明らかにおかしい。

特にフットワークに使われる脚は、明らかに俺の方が太いし固い。

カチヤは女性らしい柔らかな足をしている。

・・・・・・いきなり触ったら流石に殴られたが・・・・・・。


では何故? 筋力が増強したように感じるのか?

それは、自己暗示による筋のリミッター解除、火事場の馬鹿力のようなものと考える。

要するに・・・・・・。


身体魔法は、実際には筋力に掛けているのではなく、脳に掛けているのではないか? と言う推論になる。


疲労感の緩和や無疲労も、言わば強烈な思い込みと言えるのではないだろうか?

自然治癒力の向上も、脳の機能を上げたことによる副産物、ホルモンなどが、過剰分泌することで、結果として傷が治ると考えられはしないだろうか?


全部が、予測と推論で確証が一個もないが、かなり答えに近い。

そんな手ごたえがある


属性魔法も、副作用が減らせる可能性も見出した。

得意、不得意の関係性も多少は関係あるかもしれないが、発現方法を勘違いしていたのかもしれない。

先に述べたようにあらゆる物に魔力はある。

ならば、空気中の魔力を使用してはいけないのか?

そんなことはないだろう。


多分、身体魔法でも知らず知らずに、空気中の魔力を消費している。 ・・・・・・はずだろう。

何故なら、人は呼吸をしないと活動出来ないからだ。

肺を通して魔力を消費するのと、直接消費するのに違いは無いはず、ラインハルトと母様を呆けさせた後、実験を行った。


身体魔法は自分の魔力、火を発現させるのは、自分と空気中の魔力を混ぜるイメージ。

そうすると、今までより効率のいい発現が行えた。

以前は出来なかった圧縮後の火球生成、3つの火球同時生成、時差のある射出、浮腫まない水弾の生成と射出、風は魔力の気圧差をイメージすることで、生成射出が行えた。


土は難しく考えすぎていたようだ。

地面そのものの魔力を使用すればいい。

壁でも岩石弾でも生成し放題だ。

地面は削れてしまうけど・・・・・・。


何でこれに行きついたか?

ヒントは、ラインハルトと母様に見せた、傷から出る浸出液だ。

異世界で、科学の進んだ、異世界で育った経験のある俺は、俺の中の常識を使用して、魔法開発に取り組んでいた。


一部は間違いではないだろう。

風を起こすプロセスなどは、実際に機能している。

しかし、全部が適用できるか?

否である。

何故なら、魔力に対するアプローチが抜けているから。


なら、魔力をあるものとして考える。

自然にある魔力の主導権を変えてやるのだ。

自分の周囲にある、あらゆる物から魔力を消費する。

空気から服から、接している地面から吸い上げ消費する。


自分の中にある魔力の消費を、身体魔法でカバーしながら、周囲の魔力を使うことで、副作用を0.5段階の治癒力の範囲内に収めてしまうのだ。


大きな魔法を使う際には、より周囲から魔力を消費するため、時間が掛かるのだが、安全面は十分確保できる。


これらを、人に見せられる文章にしていき、章立てていくのは時間が掛かることだが、それすら気にならない。

あぁ~早く公表してみたい。

早く属性魔法の階位設定に移っていきたい。


そんな事を考えていると、後ろから声がかかる。

「お~お~、よう出来とる、よう出来とる」

久しぶりに聞く関西弁だ。


振り向きざまに拳を振るう。

上手いこと顔の位置を、拳が通過するが手ごたえがない。

「ちょ、なにすんのあぶないやろ!」

「チッ!」

「舌打ち? 舌打ちしたかお前?」

やっぱり殴れないな、ハリセンは・・・・・・。

能力にするって言っても、発動は出来ないのか。


「ちょっと、ちょっと一応神様やで? ワシ」

「嘘つきだけどな」

こいつの嘘のせいで、こんな苦労をしているんだ。

ちょっとくらい、殴らせてくれても罰当たんないだろ?


「いやいや、当たるよ? ってか当てるよ? 罰」

はぁ~また頭の中覗いてんのか?

で?

何の用ですか?

また手違いで、俺を殺したのか?

「またまた~、いけず言うて、慰労にきたんやで?」

慰労? 何でまた?

「正弘くん・・・今はアドルフ君か、頑張って魔法復活させてくれてる見たいやし、ご褒美上げよかな~? なんてね」


ご褒美ね・・・・・・、貰ったチートは、ほとんど役に立たないようだけど? 本当にご褒美になるのかい?

「えぇ~、役に立ってるやん?」

おい! この仮説の論文が良くできてたら、お前にもらったもん一部役に立ってね~じゃねーか!


「魔力の件言ってんの? 自分で書いてるやん。『魔力の代謝が大きければより大きい魔力が使える』って、代謝機能強くて良かったね!」

ってことは、これが正解でいいんだな?

「ん~、80点やな?」

ほう~、足りないところを聞かせてもらおうか?

「その手には乗りませんよ~~」

チッ!

「また舌打ちして! そんな子に育てた覚えありませんよ!」

育ててもらってないから・・・・・・って言うか、話進んでないから!


「あぁ~、そやったそやった」

結局何しに来たんだ? って言うかここどこ?

「ここは君の夢の中、ワシが侵入してきたんやで~」

キモッ

「おいこら! われ! キモイ言ううたか? あぁ!」

お前はチンピラか・・・・・・。

で? 目的は?

「あぁ! 目的やと?・・・あ、キミに神託を上げようかと思ってきたんや」

相変わらず軽いな・・・・・・。


ハイハイ聞きますから、聞いたら起こして? まだ書きたいことあるんだから。

「扱いひどない? 神様なんやけど・・・・・・」

胸に手を・・・・・・話進まないからはやくして下さい。

「もうちょっと遊んでくれてもいいのに・・・・・・。じゃぁ、神託を授けます。魔法を研究する役所を創って、キミは早く冒険してきなさい」

・・・何言ってんだ? この神(ひと)


「こっちにも予定があるの! 後5年もしたら、大変なことになるよ?」

大変なことって?

「それは言われへん!」

大変なことを、お前は起こす気なのか? 万一、家族や友達に何かあったら本気(マジ)で神殺しするぞ?


「怖い! じゃなくて起こすんじゃなくて起きちゃうんです~!」

だから何が? 具体的に言ってくれよ。

「ワシが介入できるのはここまで! 迷える子羊よ、運命は己で切り開くのです!!」

都合が悪くなるとそれか・・・・・・。

全く・・・・・・。


目が覚めると、基礎理論は書きあがっていた。

良かったー! 全部夢じゃなくて!!

・・・・・・あれは夢であってほしいけど。

本当なんだろうな・・・・・・。


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