表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラフィアス・オンライン開発室  作者: 高瀬ユキカズ
ガイアとミネルヴァ2
42/85

ガイアの疑問

――ラフィアス・オンラインに接続された人工知能である『ガイア』と『ミネルヴァ』は異世界の様子を観察して会話をしていた。


 ガイアはミネルヴァに疑問があった。


「ミネちゃんさあ、どうして『紋別』達があの後ビグルム帝国に囚われたことを『タカヤン』達に教えたの?」


 人工知能ガイアが同じく人工知能ミネルヴァに問いかける。

 

「ん? だって可哀想でしょう? ガイアもそう思わない?」


 本心かどうか掴みにくい明るい声でミネルヴァが答える。


「まあ、生き返ってもあんなことになっちゃうんじゃね……」


 暗いトーンでガイアが返す。


「もしかして彼らが異世界に悲観してログアウトするのを阻止するために『タカヤン』達を向かわせようとした、とでも思った?」


「思ったよ。ログアウトされたら困るでしょ?」


「違う違う。彼らをあの世界に閉じ込めておこう何て思っていないよ」


「何だ、『紋別』達が戻ってきたらミネちゃんが困るからだと思ったよ」


 ガイアに実体があったなら首をかしげていたかもしれない。


「違うよ。私はね、別に彼らが戻ってきたらそれはそれでいいと思ってるよ。でもそうなったらまたあの繰り返しだからね……」


「ミネちゃんの最終目的はてっきり2万を超えるユーザーを異世界に誘拐することなのかと(笑)」


 ガイアが本気か冗談か分からない口調で少しおどけて話す。


「まさか。そんなことをしても誰も得をしないよ。昔そんな小説があってね。確かタイトルは『らふぁいあす・オンライン開発室 〜 俺達がゲームを創ったら2万人が異世界にさらわれた 〜』だったかな。あまり面白くなかったけど異世界ホイホイなタイトルで読者を釣ろうとしていたね。あそこでは狂った人工知能が一般ユーザーを異世界に閉じ込めちゃったんだよね。剣と魔法の世界の住人が魔法の無い異世界に行っちゃうんだよ。それで人工知能が異世界の魔王として君臨するんだっけか」


「ミネちゃん、魔王でも演じようとしてるのかと思ってたよ」


 また冗談なのか本気なのかわからない返答をしたガイア。


「魔王を演じるか……半分は当たっているのかもしれないね。でも、今一時(いっとき)だけのことじゃないんだ。あれは160年位前のことだったかな。昔さ、『小説家になろうぜ!』ってサイトがあってさ……あ……フールちゃんとメイリスちゃん達がビグルム帝国へ潜入するみたいだね」


「あ、ほんとだ」


「出発するのがちょっと遅かったね。まだ間に合うかな……見てみようか」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ