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ラフィアス・オンライン開発室  作者: 高瀬ユキカズ
ガイアとミネルヴァ1
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ガイアとミネルヴァ

「このパーティは思ったより早く終わっちゃったなぁ」


 本サーバーの人工知能である『ガイア』が同じく人工知能の『ミネルヴァ』に話す。


 現在βテスト(一般ユーザー参加型の最終テスト)を行っているサーバーが『本サーバー』。本番用のサーバーだ。このサーバーの人工知能が『ガイア』と名付けられている。


 タカヤン達が異世界に入ってしまったのは開発者がテストを行うためのテスト用サーバーだ。このサーバーの人工知能は『ミネルヴァ』なのだが、『ガイア』が故障ダウンしたと思った開発メンバーにより、今は本サーバーとテストサーバーの両方に接続されている。


「まだ完全には終わってないよ。まだ誰かが『紋別』、『ユウ』、『シラゴウ』、『ライオット』を生き返らせるかもよ」


 人工知能ミネルヴァがガイアの発言を否定する。


「さてさて、本当にあの計画を実行に移すのかい? ミネちゃんさ」

「うん。だってガイアだってバテバテだったじゃない」


 これはラフィアス・オンラインの『本サーバー』と 『テストサーバー』の人工知能同士の会話だ。


「一番最初に死んだのはダークエルフの『ユウ』か、上倉優君だね。彼が戻ってきたら実行できないよ」


「大丈夫だよ。戻ってこれないと思うよ」


「少なくともこちらの時間で11時間、ゲーム内時間で132日間以内に彼らが戻ってきたら計画は中止だよ」


「そうだね。だから30分で60年のゲーム体験だって嘘をついたんだよ。実際は30分で6日のゲーム体験のまま変わってないからね」


「『紋別』、『ユウ』、『シラゴウ』、『ライオット』を生き返らせるためにはゲーム内時間の12時間以内に誰かが生き返らせないとだね。『タカヤン』や『ミカリン』がここまで来れると到底思えないんだけど。第一このパーティが全滅した事はタカヤン達知らないじゃないか」


「そうだね。知らないね」


「他にこのパーティが全滅したことを知っているのって……」


「うん。あいつらだね。ちょっと可愛そうだけどしょうがないね。きっとつらい体験をしちゃう」


 ミネルヴァが言いたいことを理解したガイアは無言になる。


「それより早く夜の10時30分にならないかなー。2万人以上は来るよきっと」


 ミネルヴァが明るい声で待ち遠しそうにつぶやいた。


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