1/6
序
――――ねぇ、君は「恋愛はゲームじゃない」って。そう言ったね。
……本当だった。
ゲームだったら、こんなに苦しくなる前にとっくにリタイアしているよ。
いや、ただの、たかがゲームなら、苦しいなんて感情が生まれることもない。
恋だの愛だのというものは一切信じていなかった。
信じる気もなかったし、する気もなかった。
でも、そんな俺でも誰かを愛しいと想い。恋をしたんだ。
そう、他の誰でもない君に。
偶然街で君を見かけた時、君は、笑っていた。……楽しそうに。
その時、確かに胸に鋭い痛みが走った。それでも何故なのか、嬉しくもあったんだ。
君は今、どうしているんだろうな。
この空の下、広くも狭い世界で君は今、何を想うのだろう……
過ぎ去る日々の中で思い出すのは、君と過ごした僅かな時間。
それでも何よりも鮮明に、記憶している。
この記憶が思い出へと、変われることはあるのだろうか。いつになるのだろうか―――。




