第2話「ミオが消えた!?」
チヨ子は、身長わずか10センチの生身の人間。しかし、その存在は世界中の誰にも知られていない。彼女は公園のベンチ下に、折り紙で作った和風のちっちゃな家でひっそり暮らしてた。家の中は折り紙の畳、ちゃぶ台、提灯、さらには回転寿司の皿まで、チヨ子の神がかった折り紙技術で彩られていた。今日もチヨ子はご機嫌で、折り紙の「ミニチュア回転寿司」を折りながら、鼻歌を歌っていた。寿司ネタはマグロ、サーモン、エビ、全部折り紙や。食べられへんけど、見た目はミシュラン級!
「ふんふふ~ん、今日のマグロ、めっちゃキレッキレやな!」
チヨ子は10センチの体でちゃぶ台に乗り、折り紙の寿司をクルクル回してニヤニヤ。しかし、その瞬間、ドッカン! とすんごい衝撃が家を襲うた。折り紙の壁がペシャンコ、ちゃぶ台はひっくり返り、寿司は床に散乱や。チヨ子はちっちゃな体で大げさに叫んだ。
「オイオイオイ! なんやこの大地震! 私の和風御殿がスクラップや! 火災保険も地震保険も入ってへんのに、どないすんねん!」
ベンチの下に顔を覗かせたんは、10歳の少女ミオだった。目はキラキラ、驚きで口が半開き。
「えっ! 小さいおばちゃん!? めっちゃリアル! 妖精? ロボット? それとも…ガチャポンのハズレ!?」
チヨ子は腰に手ぇ当て、ムッとした顔で跳ね上がった。
「ハズレ言うな! わいはチヨ子、折り紙界のラスボスや! 身長10センチ、存在感はスカイツリー級やで! あんた、名前なんや!?」
「ミオ!」
少女は興奮で頬を赤らめ、前のめりに質問をぶつけた。
「チヨ子、なんでそんな小さいの? 魔法? 呪い? 宇宙のバグ?」
チヨ子は扇子をパタパタ振ってツッコミ。
「おい、ミオ! チヨ子さんや! さん付けせんかい! バグちゃうわ! 昔な、折り紙オリンピックで金メダル総ナメしたら、折り紙の神様がこう言うたんや。『チヨ子、お前の折り紙がデカすぎる! 体ちっちゃくしてバランス取れ!』って縮めよった!」
ミオは腹抱えて笑い転げた。「神様テキトーすぎ! どんなオリンピック? 折り紙でマラソン?」
「マラソンちゃう!」チヨ子は扇子でドヤ顔。
「全国折り紙バトルロイヤルや! 決勝で1/1000スケールのスカイツリーを2分で折って、審査員全員気絶! 賞品は神様の直筆寄せ書きやで!」
「寄せ書き!? 神様、めっちゃ昭和!」
ミオは涙が出るほど笑って、地面に座り込んだ。彼女は目をキラキラさせ、興奮冷めやらぬ声で言った。「チヨ子さん、めっちゃ面白い! こんなすごい人に会ったの初めて! ねえ、毎日ここに来てもいい?」
チヨ子は目を丸くし、扇子をブンブン。
「毎日!? あかん、あかん! 絶対あかん! わいの存在は国家機密や! バレたら紙クズになるんやぞ! 週に1回、せいぜい2回で十分や!」
ミオはムッとした顔で唇を尖らせ、反撃。
「えー、チヨ子さん、ケチ! そんなすごい折り紙の将軍なのに、ケチケチ将軍なの? 私、チヨ子さんの折り紙、もっと見たいし、話したい! だって、こんな面白い人、宇宙でチヨ子だけだよ!」
「宇宙でって、めっちゃ大袈裟やんか! ほんま、押しが強いガキやな…。まぁ、ええわ。毎日来てもええけど! ボールで家壊さんかったらな! それと、わいのこと、絶対誰にも言うたらあかん! 約束や!」
チヨ子は扇子で顔を隠し、ツンデレ全開でごまかした。
ミオはパッと笑顔になり、拳を突き上げた。
「やった! 約束する! チヨ子さんの秘密、絶対守るよ!」チヨ子は
「ほんまかいな…」とブツブツ言いながら、内心でミオの無邪気さにホッとした。彼女のちっちゃな家に、初めての「弟子」ができた瞬間やった。
翌日、ミオは約束通りやって来た。彼女はチヨ子の家を直すと申し出て、チヨ子は
「わいの存在は絶対秘密やで!」と念押ししながら、
和柄の折り紙シートを手渡した。ミオは不器用な手つきで折り紙をグチャグチャにし、悲鳴を上げた。「うわ、チヨ子さわ、難しい! こんなのどうやって折るの? 指がダンスパーティー開いてるよ!」
チヨ子はちゃぶ台に立ち、超高速で折り紙の障子を折り上げた。
「ミオ、指が酔っ払ってるんちゃうか! 折り紙はな、紙と心の漫才や! こうやって…」
ササッと折り紙のちゃぶ台がドーンと完成。ミオは拍手連打で大興奮。
「すごい! チヨ子、折り紙の忍者? いや、折り紙の怪盗!?」
チヨ子は扇子でパチン! と音を立て、キメポーズ。
「わいは折り紙の将軍や! 戦国時代なら折り紙の姫路城で天下統一! 家康もビビって土下座やで!」
ミオはゲラゲラ笑いながら反撃。「チヨ子さん、10センチで天下!? 刀持ったら倒れちゃうよ!」
「刀なんかいらん!」チヨ子は大げさに刀振るポーズで応戦。
「折り紙の千羽鶴で敵を空爆! 折り紙手裏剣でズバババ! ミオ、イメージ弱すぎや!」
「弱くないよ!」ミオは目を輝かせ、負けじと声を張った。
「チヨ子、チヨ子さん、いやチヨ子師匠、私を弟子にして! 折り紙で私も将軍になるんだから!」
チヨ子はニヤリと笑い、ツンデレ炸裂。
「ほぉ、弟子!? ええ根性や! ミオ、第一弟子認定や! まずは鶴1000羽折って魂鍛えんかい!」
ミオのグチャグちちゃな鶴にチヨ子は
「これ、カラスやん! カラス! 夜中にギャーギャーうるさいわ!」とツッコミ。
二人は大笑いしながら家の屋根を完成させた。チヨ子は胸を撫で下ろし、「これでバレんと住める…はずや」と呟いた。-
次の日、ミオの提案で「折り紙飛行機レース」が始まった。公園の水たまりを滑走路に見立て、チヨ子の戦闘機級の折り紙飛行機と、ミオの紙くず級飛行機が対決や。ミオは飛行機を投げ、即墜落。
「うわ、ミオジェット、爆散! なんで飛ばないの!?」
チヨ子は自分の飛行機を華麗に滑空させ、ドヤ顔で叫んだ。
「チヨ子エアフォース、完全勝利! ミオ、設計が雑すぎ! 折り紙は空気と恋する気持ちで折るんや!」ミオは悔しそうに
「ずるい! チヨ子、めっちゃカッコいい! 教えてよ!」と食い下がった。
「教えるのは100年早え!」チヨ子は扇子を振り回し、
「まず1000機折って、空気の心を掴め! ただし、わいの存在は絶対秘密やで!」と念押し。
ミオは目を輝かせ、「秘密、絶対守る! でも、チヨ子さんと毎日折り紙したい! 約束!」と拳を握った。
チヨ子はツンデレ全開で応じた。
「約束!? ったく、押しが強いガキやな…。ええで、毎日コソコソ来い! バレたらわい、紙クズや!」
二人は水たまりの周りで飛行機を飛ばし、笑い合った。チヨ子は「次は折り紙忍者屋敷や!」とノリノリで提案し、ミオは「今度は勝つから!」と意気込んだ。
夕暮れ時、ミオは折り紙で不格好な「チヨ子人形」を折ってプレゼントした。
「チヨ子、今日めっちゃ楽しかった! 秘密守るから、明日も来るね!」
チヨ子は「チヨ子さんや! さん! 顔がカッパみたいやぞ!」とツッコミつつ、こっそり人形を折り紙の棚に飾った。
「…ったく、騒がしい弟子やな。明日も来いよ。折り紙カレーの折り方、教えてやる!」とツンデレで応じた。
「カレー!? 食べられるの!?」ミオが目を丸くすると、チヨ子はウインク。
「食えへん! 折り紙やもん! でも、見た目はミシュラン3つ星やで!」二人は夕陽をバックに大笑い。チヨ子のちっちゃな家に、ミオの不格好な人形が温かい彩りを添えた。
せやけど、数日後、ミオは突然公園に来んくなった。チヨ子は折り紙の「ミニチュアたこ焼き」を折りながら、ベンチの上をキョロキョロ見回した。
「…なんや、ミオのガキ、どこ行った? 毎日来る言うてたやんか。」1日、2日、3日。ミオの姿はどこにもない。チヨ子のちっちゃな胸に、チクチクと不安が刺さった。
「まさか…病気か? 熱か? インフルか? それとも…折り紙の神様にバレて消された!? いや、あの神様、Zoom会議で忙しいはずや…。」
チヨ子は折り紙の「探偵キット」を折り、10センチの体でベンチの上に登る決意をした。
「ミオ、どこ行ったんや! わいの弟子が消えたら、折り紙道場が開店休業や! 秘密やけど…探しに行くで!」彼女は折り紙の双眼鏡を手に、公園の外へ初の冒険に出る。ミオは病気なんやろか、それとも別の理由? チヨ子のちっちゃな体に、でっかい決意が宿ってた。
次回、チヨ子はミオの行方を追うため、折り紙の忍者装備で街へ! 10センチの将軍、秘密を守りながら大奮闘や!