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テディベアが時空を超える時  作者: Gにゃん
第一章 目覚めたテディベア
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謎の集団

「ショウ、ちょっとココデ休もう。」


朝から江戸の町を歩き回っていた翔は、さすがに疲れてきた。ツユとの稽古で体は鍛えられてきたものの、慣れない下駄で歩き続けるのは大変だった。


「そうだね、マックス。喉も乾いたし…。」


二人は、道端の茶屋を見つけて、一休みすることにした。冷たいお茶を飲みながら、翔はマックスに尋ねた。


「ねえ、マックス。未来を変えるって、具体的にどうすればいいの?」


「ソレハ、マダ、ワカラナイ。キミノチチ、ショウタロウノ、シジニ、カンケイシテイル、ジダイ、ト、バショニ、タドリツケバ、ナニカ、ワカルカモシレナイ。」


マックスは、少し困ったように答えた。


「お父さんの死…。一体、何が関係しているんだろう…。」


翔は、父の死について思いを巡らせた。父は、なぜタイムマシンの研究をしていたのか。そして、なぜ事故で亡くなってしまったのか。

その時、翔は背筋に冷たいものを感じた。まるで、誰かに見られているような、嫌な感覚だ。


「ショウ、キヲツケテ。アヤシイヤツラガイル。」


マックスが、鋭い声で言った。


「アヤシイヤツラ…? どこ…?」


翔はキョロキョロと周囲を見回したが、特に変わった様子は見られない。


「アソコダ。ワタシニハ、ミエル。」


マックスが指差す方を見ると、黒装束の男たちが数人、人混みに紛れてこちらを観察していた。彼らは、鋭い目つきで翔たちを監視している。その目は、まるで獲物を狙う獣のようだった。


「あれは…、まさか…!」


マックスは、男たちの服装を見て、ある集団を思い出した。


「クロノス…。」


「クロノス…? なんだい、それ?」


翔は、聞き慣れない名前に首を傾げた。


「レキシカイヘンヲ、クワダテル、ナゾノ、シュウダン、ダ。」


マックスは、クロノスについて説明した。


「彼らは、時空を超えて、歴史に介入し、自分たちに都合の良いように過去を改変しようとしているんだ。そして…、ワタシタチノヨウナ、タイムトラベラーヲ、ショウメツシヨウトシテイル。」


「そんな…!」


翔は、クロノスの存在に驚きを隠せない。


「なぜ、僕たちを狙うんだ…?」


「ワタシタチガ、カレラノジャマヲスルカラ、ダ。」


マックスは、真剣な表情で言った。


「クロノスは、歴史が変わってしまうことを恐れている。彼らは、自分たちが築き上げた支配体制が崩れることを恐れているんだ。だから、僕たちのような存在を消そうとしているんだ。」


「でも、僕たちはまだ何もしていないよ…?」


翔は、納得がいかない様子だった。


「ソレハ、カンケイナイ。カレラハ、キケンブンシヲ、ツブスノガ、シゴトナンダ。ワタシタチハ、カレラニトッテ、キケンナソンザイ、トイウコトダ。」


マックスは、クロノスの冷酷さを説明した。


「そんな…!」


翔は、恐怖で体が硬直した。その時、

「翔! 逃げろ!」

聞き覚えのある声がした。振り返ると、ツユが刀を抜き、クロノスの男たちに向かって走り出していた。


「ツユ…さん…?」


翔は、ツユの突然の登場に驚きを隠せない。


「ツユ、キケン、ダ!」


マックスが叫んだ。しかし、ツユは構わず、男たちに斬りかかった。


「邪魔するな!」


男の一人が、ツユに襲いかかった。ツユは、軽やかに身をかわし、刀を振り下ろす。男は、腕を斬られ、悲鳴を上げた。

別の男が、ツユに飛び掛かる。ツユは、冷静に相手の動きを見極め、一瞬の隙を突いて、男の足を斬りつけた。男は、バランスを崩し、地面に倒れ込んだ。

さらに、ツユは、残りの男たちにも果敢に立ち向かう。彼女の動きは、まるで舞いを踊っているかのように優雅で、それでいて、力強い。刀が空気を切り裂く音が、周囲に響き渡る。


「翔、この隙に!」


ツユは、翔に叫んだ。


「でも…!」


翔は、ツユを置いて逃げることができなかった。


「心配しないで。私は大丈夫!」


ツユは、力強い声で言った。

翔は、マックスに促され、その場を離れた。



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