タイムスリップ!
「グググ…!」
マックスの体が、まばゆい光に包まれた。翔は、思わず目を閉じた。耳をつんざくような轟音が響き渡り、体が浮き上がるような感覚に襲われる。まるで、ジェットコースターに乗っているような、激しい揺れだ。
視界は、光の渦に飲み込まれ、何が何だかわからない。
耳鳴りがひどく、自分の鼓動すら聞こえない。
息苦しさを感じ、思わずマックスを強く抱きしめた。
どれくらい時間が経ったのだろうか。
ようやく揺れが収まり、翔は恐る恐る目を開けた。
すると、そこには見慣れない風景が広がっていた。
「ここは…?」
翔は、あたりを見回した。木造の家々が立ち並び、瓦屋根が続く。人々は、着物や浴衣を身につけ、行き交っている。馬車がガタゴトと道を走り、屋台からは美味しそうな匂いが漂ってくる。
「ココハ、江戸ジダイノ、ニホン、ダ。」
マックスが、落ち着いた声で言った。
「え…? 本当に…?」
翔は、信じられない思いで、目の前の光景を見つめた。歴史の教科書で見た、江戸時代の街並みが、目の前に広がっているのだ。
「スゴイ…! まるで、タイムスリップしたみたいだ!」
翔は、興奮を抑えきれなかった。
「ソウダ。ワタシタチハ、イマ、カコニイル。」
マックスは、冷静に言った。
「でも、このままじゃ目立ってしまうよ。僕たち、現代の服を着ているし…。」
翔は、周りの人々の視線を感じ、不安になった。
「シンパイイラナイ。コレヲ、ツカッテ。」
マックスは、小さな袋を取り出した。
「コレハ、ナニスルモノ…?」
翔が尋ねると、マックスは袋を開けた。中には、着物と帯が入っていた。
「コレヲ、キテ、マチニンニ、フンソウシロ。」
マックスは、翔に指示した。
「え…? 着物…?」
翔は、戸惑ったが、マックスに言われるがまま、着物を着てみた。
「なかなか、ニアイッテル。」
マックスは、満足そうに言った。
「本当? ちょっと恥ずかしいけど…。」
翔は、慣れない着物姿に、少し照れくさそうだった。
「コレデ、マチニ、デテモ、ダイジョウブダ。」
マックスは、翔に笑顔を向けた。
「よし! じゃあ、江戸の街を探索しよう!」
翔は、ワクワクしながら、江戸の街へと繰り出した。