幕間
portal を抜けた翔たちの目に飛び込んできたのは、見慣れた自宅の風景だった。
「ただいまー!」
翔が声を張り上げると、奥から元気な声が返ってきた。
「おや、翔くん、アヤちゃん、おかえりなさい!」
エプロン姿の山田さんが、満面の笑みで駆け寄ってきた。
「ただいま、山田さん!」
翔とアヤは、山田さんに駆け寄り、抱きついた。
「…ただいま…」
少し緊張した面持ちのエレーヌも、小さく頭を下げた。
「あら、このお嬢さんは…?まぁ、なんて綺麗なお子さんかしら!」
山田さんは、エレーヌを見て、目を輝かせた。
「…はじめまして…エレーヌと申します…」
エレーヌは、少し恥ずかしそうに自己紹介した。
「エレーヌさん、ようこそ!翔くんの…いえ、この家は初めてかしら?」
山田さんは、エレーヌに優しく微笑みかけた。
「山田さん、エレーヌは僕たちの仲間なんだ。これから一緒に暮らすことになるよ」
翔が説明すると、山田さんは満面の笑みでエレーヌを迎えた。
「まぁ、嬉しい!賑やかになって、ますます楽しくなりそうね!」
山田さんは、エレーヌの手を取り、家の中に招き入れた。
「さあさあ、皆さん、お疲れでしょう。美味しい紅茶とケーキを用意しておきましたよ!」
山田さんの心からの歓迎に、エレーヌの緊張も解けていった。
「…ありがとうございます…」
エレーヌは、翔たちと顔を見合わせ、安堵の表情を浮かべた。
翔たちは、山田さんの淹れてくれた紅茶を飲みながら、旅の思い出話に花を咲かせた。
「…それにしても…翔くん…アヤちゃん…本当に…たくましくなったわね…」
山田さんは、翔とアヤの顔を見て、目を細めた。
「…うん…僕たちも…驚いてるんだ…」
翔は、照れくさそうに答えた。
「…たくさんの…経験を…積んだのね…」
山田さんは、翔たちの成長を心から喜んでいた。
「…ピィ…」
プチは、アヤの膝の上で、満足そうに鳴いていた。
翔たちは、温かい家庭の雰囲気に包まれ、心から安らぎを感じていた。