マックスの正体
「ショウ。ワタシノコエ、キコエルカ?」
再び聞こえてきた声に、翔は息を呑んだ。
「ま、マックス…? き、君が喋ったの…?」
信じられない思いで、翔はマックスを見つめた。すると、マックスのボタンでできた目が、まるで生きているかのように輝き始めた。
「ソウダ。ワタシハ、マックス。コウセイノウAIヲトウサイシタ、ヌイグルミダ。」
マックスは、ゆっくりとした口調で自己紹介をした。翔は、驚きで言葉を失った。ぬいぐるみが喋る? AI? そんなこと、あり得るのだろうか?
「オドロクノモ、ムリハナイ。キミハ、イマ、トテモタイセツナ、ジョウキョウニ、タチムカッテイル。」
マックスは、真剣な表情で翔を見つめた。
「ジツハ、キミハ、コンゴ、チキュウヲスクウ、カギヲニギル、ソンザイナンダー。」
「え…? 僕…が…?」
翔は、自分の耳を疑った。一体、どういうことなのだろうか?
「ワタシハ、キミノチチ、ショウタロウカラ、キミヘト、オクラーレタ、メッセンジャーダ。」
「お父さん…から…?」
翔の胸に、熱いものがこみ上げてきた。父は、生きていたのだろうか?
「ショウタロウハ、カガクシャトシテ、ミライノキキヲ、ヨチシ、ソノキキヲ、カイヒスルタメニ、ワタシヲ、ツクリダシタ。」
マックスは、未来から来たこと、そして翔の父が、未来を救うためにマックスを開発したことを説明した。
「ミライ…? キキ…? どうして…?」
翔は、混乱していた。マックスは、優しく語りかけた。
「シンパイシナイデ。ワタシガ、キチンと、セツメイシヨウ。ミライデハ…。」
マックスは、地球が深刻な環境汚染に見舞われ、砂漠化が進み、人々は水や食料にも困っていることを告げた。このままでは、人類は滅亡してしまうかもしれないのだと。そして、その危機を回避するために、翔が過去へ行き、歴史を変える必要があるのだと。
「キミハ、トキヲコエル、チカラヲモッテイル。ワタシト、イッショニ、ミライヲ、カエニイコウ。」
マックスの言葉に、翔は戸惑いながらも、何か大きな運命に巻き込まれていることを感じていた。




