マックスの危機
「くっ…、増援を呼んだか…!」
翔は、谷の入り口から続々と現れるクロノスの男たちを見て、歯噛みした。
その数は、先ほどの倍以上にもなり、谷全体を埋め尽くさんばかりの勢いだ。
「ショウ、数が多すぎる!どうしよう…!」
アヤも、不安そうに言った。
「ワタシガ、カレラヲ、食い止メル!」
マックスは、翔たちの前に出て、力強く宣言した。
彼の瞳は、覚悟に満ちていた。
「マックス…!」
翔は、マックスの勇敢な姿に、心を打たれた。
マックスは、体から強力な電磁波を放出し、クロノスの男たちを攻撃した。
「うわあああああ!」
男たちは、電磁波を浴びて、次々と倒れていく。
電磁波は、男たちの体を貫き、武器を破壊し、行動を封じ込めた。
「このぬいぐるみ…、なかなかやるな…!」
リーダー格の男は、驚いた様子で言った。
「だが、ここまでだ!」
男は、マックスに向かって、強力なレーザー砲を撃った。
レーザー砲は、赤い光を放ちながら、マックスに向かって飛んでいく。
その速度は、あまりにも速く、マックスには、避けることができなかった。
「マックス!」
翔は、マックスが攻撃を受けるのを見て、叫んだ。
マックスは、レーザー砲をまともに受け、地面に倒れ込んだ。
「マックス!」
翔は、マックスに駆け寄った。
彼の心は、恐怖と不安でいっぱいだった。
「マ、マックス…、しっかりして…!」
翔は、マックスの体を揺さぶった。
しかし、マックスは、反応しない。
マックスの体は、冷たく、硬くなっていた。
「マックス…!」
翔は、マックスの名前を叫びながら、涙を流した。
彼の視界は、涙でぼやけ、周囲の景色が色褪せて見える。
(マックス…、嘘だろ…?嘘だと言ってくれ…!)
翔の心は、絶望でいっぱいになった。
「ショウ…。」
アヤも、マックスのそばに駆け寄り、悲しそうな表情でマックスを見つめた。
彼女の瞳にも、涙が浮かんでいた。
「プチ、マックスを調べて!」
アヤは、プチに指示した。
プチは、マックスの体をスキャンした。
プチの体は、分析中、赤く点滅していた。
「アヤ…、マックスは…、機能停止している…。」
プチは、悲しそうな声で言った。
「そんな…!」
アヤは、言葉を失った。
翔は、絶望の淵に突き落とされた。
(マックス…、僕を置いて…、行かないで…!)
翔は、心の中で叫んだ。
(僕たちは、まだ、未来を救っていないんだ…!約束したんだ…!一緒に未来へ帰るって…!)
翔の意識が、徐々に薄れていく。
その時、アヤが翔の肩に手を置いた。
「ショウ、泣かないで。まだ、諦めないで。」
アヤは、翔に優しく語りかけた。
「アヤ…。」
翔は、アヤの言葉に、顔を上げた。
「マックスを助ける方法を、一緒に考えよう。」
アヤは、翔の目をまっすぐに見つめた。
「…うん。」
翔は、アヤの言葉に、うなずいた。
二人は、マックスを助ける方法を、必死に考えた。
その時、プチが大きな声で言った。
「ショウ、アヤ!マックスには、ある隠された機能がある!」
「え…?隠された機能…?」
翔は、プチの言葉に、目を見開いた。
希望の光が、翔の心に差し込んだ。
「ソウダ。マックスニハ、バックアップ機能ガアル。」
プチは、説明した。
「バックアップ機能…?」
翔は、首をかしげた。
「ソウダ。マックスガキノウテイシシタ場合、自動的ニバックアップ機能ガ起動スルヨウニナッテイル。キミノチチ、ショウタロウガ、マックスヲツクルトキニ、万が一ノコトヲカンガエテ、コノ機能ヲトウサイシタノダ。」
「バックアップ機能ヲ起動サセレバ、マックスヲフッカツサセルコトガデキルカモシレナイ。」
プチの言葉に、翔とアヤは、希望を確信に変えた。
「プチ、どうすれば、バックアップ機能ヲ起動デキルノ?」
翔は、プチに尋ねた。
「マックスノ体ニアル、ヒミツノスイッチヲ押セバイイ。ソノスイッチハ、非常時ニ備エテ、ショウタロウガカクシタモノダ。」
プチは、答えた。
「ヒミツノスイッチ…?」
翔は、マックスの体をくまなく探した。
「あった!」
翔は、マックスの背中に、小さなスイッチを見つけた。
それは、まるで、マックスの毛に紛れ込んだ、小さなホクロのようだった。
翔は、スイッチを押した。
すると、マックスの体が、再び光り輝き始めた。
青白い光が、マックスの体を包み込み、まるで、新たな命が吹き込まれたかのようだった。
「マックス!」
翔は、マックスの名前を叫んだ。
マックスは、ゆっくりと目を開けた。
「ショウ…?アヤ…?」
マックスは、二人の顔を見て、微笑んだ。
「よかった…、マックス…!」
翔は、マックスを抱き締めた。
「マックス、無事でよかった…!」
アヤも、マックスに駆け寄った。
「二人トモ…、ありがとう…。」
マックスは、二人に感謝した。
翔とアヤ、そしてマックスは、再び、力を合わせて、クロノスに立ち向かう決意をした。