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テディベアが時空を超える時  作者: Gにゃん
第二章 恐竜世界サバイバル
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アヤの秘密

「ねえ、翔。あの子、ずっとこっちを見てるけど…。」


アヤが、少し不安そうに、翔の後ろに隠れるようにして言った。


「あ、ごめんごめん。紹介が遅れたね。」


翔は、アヤとプチの方を振り返り、マックスを紹介した。


「えっと、アヤ、プチ、こっちがマックス。僕の…、えーっと…。」


翔は、マックスを何と紹介すればいいのか、少し迷った。


「アイボウ、ダ。」


「相棒…?」


アヤは、目を丸くした。


「ぬいぐるみが…、喋った…!」


アヤは、信じられないという様子で、マックスを見つめた。


「ショウ!ナゼ、コノコニ、ボクノコトヲ、ナイショニシテイタンダ!? ボクハ、キミノコト、シンヨウシテイタノニ…!」


マックスは、顔を真っ赤にして翔に詰め寄った。


「え…?い、いや、だって…。」


「ショウ、ボクヲ、ナカマハズレニ、スルノハ、ヤメテクレ…。ボクダッテ、キミタチト、ナカヨクナリタイ…。」


マックスは、うるうると涙を浮かべながら訴えた。


「そんな…、そんなつもりじゃ…。」


翔は、慌てて言い訳をした。


「ショウ、ボクハ、キミト、イッショニ、ボウケンヲ、シタインダ。キミヲ、タスケタインダ。ナカマ、ナン、ダカラ…。」


マックスは、真剣な表情で言った。


「マックス…。」


翔は、マックスの言葉に、胸を打たれた。


「わかったよ、マックス。もう、君を仲間外れにしたりしないよ。ごめんね。」


「ホントウニ…?!」


マックスは、顔を輝かせた。涙もどこへやら、すっかり笑顔だ。


「ああ、本当だよ。僕たちは、最高のコンビだもんね!」


翔は、マックスに笑顔を向けた。


「ああ、ショウ!ボクモ、ソウ、オモウ!」


マックスは、嬉しそうに言った。


「…。」


アヤとプチは、二人のやり取りを、ぽかんとした顔で見つめていた。


「あの…、ちょっと、二人とも…。」


アヤは、遠慮がちに二人に声をかけた。


「あ、ごめんごめん。アヤ、プチ、改めて、こっちがマックス。僕の…、相棒だよ。」


翔は、改めてマックスを紹介した。


「はじめまして、マックス。私は、アヤ。恐竜の研究をしているの。」


「はじめまして、アヤ。ボクは、マックス。ショウの相棒だ。よろしくね。」


「はじめまして、マックス。ボクは、プチ。アヤの相棒のロボットです。」


「はじめまして、プチ。ボクは、マックス。ショウの相棒の…、ぬいぐるみです。」


「ぬいぐるみ…?」


プチは、首を傾げた。


「ああ、ボクは、ちょっと変わったぬいぐるみなんだ。」


「そうなんだ…。よろしくね、マックス。」


「こちらこそ、よろしくね、プチ。」


こうして、翔とアヤ、マックスとプチは、お互いに紹介し合い、打ち解けることができた。

翔は少し緊張した面持ちで、話を切り出した。

「ところでアヤ、君はどうして恐竜の研究をしているんだい?」

アヤは翔の少し沈んだ表情に気づき、真剣に耳を傾けた。


「それはね…。」


アヤは、少しだけ表情を曇らせた。


「私の両親は、恐竜学者だったの。でも、私が小さい頃に、調査中に消息不明になってしまって…。」


アヤは、言葉を詰まらせた。


「…そうだったんだ。」


翔は、アヤの気持ちを察し、優しく言葉をかけた。


「二人は、白亜紀の恐竜について研究していたの。いつか、両親のように、恐竜の謎を解き明かしたい。そして、行方不明になった両親を見つけたい。それが、私の夢なの。」


アヤは、力強く言った。


「きっと、見つかるよ。君の両親は。」


「ありがとう、翔。」


アヤは、翔に微笑みかけた。

その時、プチが、何かを発見した。


「アヤ、あそこに、何かあるみたいだよ!」


プチは、指差した。


「あれは…?」


アヤと翔は、プチが指差す方向を見た。

そこには、古い建物の一部のようなものが、地面から突き出ていた。


「あれは…、もしかして…。」


アヤは、目を輝かせた。


「行ってみよう!」


翔は、アヤの手を取り、遺跡へと駆け出した。

遺跡は、かなり古く、崩れかけている部分も多かったが、かつては、かなり大きな建物だったようだ。


「これは…、研究所…?」


アヤは、遺跡の中を見て、驚いた。

研究所の中には、古びた研究機器や資料が残されていた。


「これは…、私の両親の研究所…!」


アヤは、壁にかかった写真を見て、叫んだ。

写真には、若い頃のアヤの両親が写っていた。


「お父さん…、お母さん…。」


アヤは、涙を浮かべながら、写真を見つめた。


「アヤ…。」


翔は、アヤの肩にそっと手を置いた。

アヤは、涙を拭くと、研究所の中をくまなく探し始めた。

そして、机の引き出しから、一枚の紙を見つけた。


「これは…?」


アヤは、紙を開いた。

そこには、アヤの両親の筆跡で、メッセージが書かれていた。


「アヤへ。もし、このメッセージを読んでいるとしたら、私たちは、もうこの世にいないだろう。

私たちは、恐竜の研究中に、ある恐ろしい組織の陰謀に巻き込まれてしまった。

その組織は、クロノスと呼ばれている。

クロノスは、タイムトラベルの技術を悪用し、歴史を改変しようとしている。

私たちは、クロノスの計画を阻止しようとしたが、失敗してしまった。

アヤ、君は、クロノスに気を付けて。

そして、もしできることなら、クロノスの計画を阻止してほしい。

愛するアヤへ。お父さんとお母さんより。」


アヤは、両親のメッセージを読み終えると、顔を上げた。


その顔には、悲しみ、怒り、そして、強い決意が入り混じっていた。


「クロノス…。彼らは、私の両親を奪っただけでなく、タイムトラベルの技術を悪用して、歴史を…、未来を…、メチャクチャにしようとしているのね…!」


アヤは、怒りで体が震えるのを抑えきれなかった。


「翔、覚えてる?あなたが、未来から来たって言ってたこと…。」


アヤは、翔の目をまっすぐに見つめた。


「うん。僕は、未来でクロノスが引き起こすであろう危機を食い止めるために、ここに来たんだ。」


翔は、真剣な表情で答えた。


「そうか…。やっぱり…。」


アヤは、小さく呟いた。


「私の両親は、クロノスに殺されたんだわ…。そして、翔、あなたも、クロノスに狙われているのよ…!」


アヤは、翔にクロノスの危険性を訴えた。


「え…?」


翔は、驚きを隠せない。


「あなたも、タイムトラベラーだから。クロノスは、自分たちの計画を邪魔する者を、絶対に許さない。だから、あなたも…!」


アヤの言葉に、翔はハッとした。

(そうか…。僕も、クロノスに狙われているんだ…。)

翔は、改めてクロノスの恐ろしさを実感した。


「翔、一緒に戦おう!クロノスを倒して、未来を守ろう!そして…、私の両親の仇を…!」


アヤは、涙をこらえながら、力強く言った。


「アヤ…。」


翔は、アヤの決意に心を打たれた。


「ああ、もちろんだ!僕も、未来のために、そして…、アヤのために、クロノスを倒す!」


翔は、力強く答えた。

翔とアヤは、互いに見つめ合い、固く握手を交わした。

二人は、共通の目的を持ち、共に戦うことを誓ったのだった。



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