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テディベアが時空を超える時  作者: Gにゃん
第二章 恐竜世界サバイバル
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手がかりを求めて


「さてと、次はどこを探せばいいんだろう…?」


リトルとの別れを惜しみつつも、翔は古代植物探しを再開した。


「マックス、何か手がかりはないの?」


「ショウ、キミノチチノ、ケンキュウシリョウニヨルト、コダイショクブツハ、コウザンチタイニ、セイイクシテイルラシイ。」


マックスは、翔の父の研究資料を分析した結果を伝えた。


「高山地帯…? この辺りは、ジャングルだけど…。」

翔は、周囲を見回した。見渡す限り、うっそうと茂る木々が生い茂り、高い山は見当たらない。

「ショウ、コノジャングルヲ、ヌケレバ、コウザンチタイガ、アルハズダ。ワタシノ、ナビゲーションキノウヲ、ツカッテ、ミチヲ、サガソウ。」


「ナビゲーション機能!? え、そんな機能、あったの!?」


翔は、目を丸くしてマックスを見つめた。


「ソウダ。ワタシハ、キミノチチカラ、シュウトクシタ、データヲ、モトニ、ハクアキノ、チズヲ、コクチクシタ。ソレヲ、ツカエバ、ドコヘデモ、イケル。」


マックスは、さも当然のように胸を張った。


「…って、なんで今まで言ってくれなかったの!? もっと早く言ってくれれば、あんなに迷子にならなかったのに…!」


翔は、呆れたようにマックスに言った。


「…ソンナコト、イマサラ、イワレテモ…。」


マックスは、少しバツが悪そうに目をそらした。


「まあ、いいや。とにかく、頼むよ、マックス!」


翔は、マックスのナビゲーション機能を頼りに、ジャングルを進んでいった。

しばらく進むと、巨大な肉食恐竜、カルノタウルスが姿を現した。鋭い歯と、頭に生えた2本の角が特徴的な恐竜だ。カルノタウルスは、翔たちを見つけると、獰猛な咆哮を上げながら突進してきた。


「うわあああああ!」


翔は、叫び声を上げながら、必死に逃げ出した。


「ショウ、アブナイ!」


マックスは、カルノタウルスの足元に転がっていた石を念力で持ち上げ、カルノタウルスの頭にぶつけた。


「ガオッ!」


カルノタウルスは、頭に衝撃を受け、よろめいた。

その隙に、翔とマックスは、逃げることができた。


「ふう…、危なかった…。」


翔は、息を切らしながら、言った。


「ショウ、コノサキハ、モット、キケンガ、オオイ。チュウイシテ、イコウ。」


マックスは、真剣な表情で言った。


二人は、さらに進んでいくと、今度は、巨大な沼地に出た。


「うわあ…。」


翔は、思わず息を呑んだ。目の前に広がるのは、深い緑色の水面に、奇妙な形の植物が浮かぶ、広大な沼地だった。水面からは、水蒸気が立ち上り、幻想的な雰囲気を醸し出している。


「ショウ、コノヌマチハ、キケン、ダ。オチタラ、ヌケダセナクナル。」


「わかってるよ。」


翔は、マックスの言葉に頷きながらも、沼地の美しさに目を奪われていた。

水面には、ピンク色の睡蓮のような花が、あちこちに咲いている。その花は、直径50センチほどもあり、白亜紀の強い日差しを受けて、輝いている。


「きれいだな…。」


翔は、思わず呟いた。

その睡蓮に似た花の中心には、黄金色のおしべが密集 しており、 まるで太陽の光を閉じ込めた宝石のように輝いている。 花びらは透き通るように薄く、その奥に は 、 水面のきらめきが透けて見える。


「ショウ、アブナイ!」


マックスの叫び声で、翔は我に返った。

翔は、睡蓮に似た花に見とれて、うっかり足を滑らせてしまったのだ。


「うわあああ!」


翔は、沼地の中に落ちていった。


「ショウ!」


マックスは、慌てて翔を助けようとした。

マックスは、 念力で翔の服を掴み、沼地から引き上げた。


「ショウ、ダイジョウブカ?」


マックスは、心配そうに尋ねた。


「う、うん…。ありがとう、マックス。」


翔は、震える声で答えた。全身が泥だらけで、ひどい 臭い がする。


「ショウ、モウ、チュウイシテ。」


マックスは、厳しく言った。

翔は、マックスに叱られて、反省した。

二人は、気を引き締め直し、再びジャングルを進んでいった。


「ショウ、コウザンチタイマデハ、マダ、シバリ、アル。ガンバッテ。」


マックスは、翔を励ました。

翔は、不安な気持ちを抱えながらも、マックスを信じて、前に進んだ。


未知の領域へ足を踏み入れる不安と、未来を救いたいという強い決意。


翔の心は、揺れ動いていた。


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