プテラノドン襲来!
「見て、ショウ! あれは…!」
マックスが指差す方向を見ると、巨大な影が空を覆っていた。
「プ、プテラノドン…!」
翔は、図鑑で見たプテラノドンの姿を思い出した。
巨大な翼を広げ、悠々と空を飛ぶプテラノドン。その姿は、まさに空の王者と呼ぶにふさわしい。
しかし、次の瞬間、プテラノドンは鋭い鳴き声を上げながら、翔たちに向かって急降下してきた。
「うわあああああ!」
翔は、恐怖で叫び声を上げた。
プテラノドンは、巨大な翼で風を巻き起こしながら、鋭いクチバシで翔を掴もうとした。
「危ない!」
マックスが、翔を突き飛ばした。
「マックス!」
翔は、マックスがプテラノドンに掴まれるのを見て、叫んだ。
「ショウ、ニゲテ!」
マックスは、プテラノドンの爪に捕まりながら、翔に叫んだ。
「そんな…!」
翔は、マックスを置いて逃げることができなかった。
翔は、近くにあった石を拾い上げ、プテラノドンに向かって投げつけた。
「グァアア!」
石がプテラノドンの頭に当たると、プテラノドンは苦しげに鳴き声を上げた。
「今だ!」
翔は、その隙に、マックスをプテラノドンの爪から引き離した。
「ショウ…。」
マックスは、翔の顔を見て、安堵の表情を浮かべた。
しかし、プテラノドンは、まだ諦めていなかった。再び、翔たちに向かって襲いかかってきた。
「どうする、マックス…?」
翔は、恐怖で震えながら、マックスに尋ねた。
「ショウ、アレヲ、つかえ!」
マックスは、プテラノドンの背中に生えている長いトサカを指差した。
「トサカ…?」
翔は、マックスの言葉の意味がわからなかった。
「アレニ、つかまれ! そして、ワタシモ、ツレテイッテ!」
マックスは、叫んだ。
翔は、マックスの言葉の意味を理解した。プテラノドンの背中に飛び乗り、トサカを掴めば、プテラノドンを操縦できるかもしれない。
「わかった!」
翔は、勇気を振り絞り、プテラノドンに向かって飛びついた。
「うわあああああ!」
翔は、プテラノドンの背中に飛び乗ると、トサカをしっかりと掴んだ。そして、マックスを自分の隣に座らせた。
「マックス、しっかりつかまって!」
「ショウ、コワイ! モット、ヤサシク、ソウジュウシテ!」
プテラノドンは、翔を振り落とそうと、宙返りや急降下を繰り返しながら、激しく暴れた。
「うわあああ! マックス、しっかりつかまってて!」
「ショウ、コレジャ、ジェットコースターヨリモ、コワイ! オチル~!」
翔は、必死にしがみつきながら、プテラノドンの操縦を試みた。
「右に傾けて…、いや、左か…? ああ、どっちだ~!」
「ショウ、ボクヲ、フリオトス気…?!」
翔は、プテラノドンの動きに合わせて、体を動かし、バランスを保とうとした。
「マックス、ちょっとだけ、体重を右に…、いや、左か…?」
「ショウ、ボクヲ、オモリニ、シナイデ!」
何度か失敗を繰り返した後、ついに、翔はプテラノドンを操縦することに成功した。
「やったー!」
翔は、喜びの声を上げた。
プテラノドンは、翔の操縦に従って、空高く舞い上がった。
「すごい…!」
翔は、眼下に広がる白亜紀の景色に、感動した。
深い緑色の森が、どこまでも広がっている。巨大なシダ植物が、まるで緑の絨毯のように地面を覆い尽くしている。その間を縫うように、川が流れ、キラキラと輝いている。
さらに高く上がると、森の向こうに、青い海が見えた。白い砂浜が、太陽の光に照らされて眩しい。
「なんて、美しいんだ…!」
翔は、息を呑んだ。
「ショウ、キミハ、ホントウニ、スゴイ! プテラノドンヲ、ソウジュウデキルナンテ…!」
マックスも、感動した様子で言った。
プテラノドンは、翔とマックスを乗せて、白亜紀の空を自由に飛び回った。
翔は、プテラノドンの背中で、風を切って空を飛ぶ、最高の気分を味わっていた。