エピローグ 父の研究資料
翔は、自分の部屋に戻ると、押し入れの奥から埃をかぶった段ボール箱を取り出した。それは、父の遺品が入った箱だった。
「お父さん…。」
翔は、箱を開け、中に入っていた品々を一つずつ丁寧に眺めていった。
研究ノート、論文、写真、そして、小さな手帳…。
翔は、手帳を手に取ると、表紙に書かれた文字に目を奪われた。
「未来への記録…?」
翔は、手帳を開いた。そこには、父の走り書きのような文字で、びっしりと文章が記されていた。
「西暦2045年…。地球は、深刻な環境汚染により、壊滅的な状況に陥っている。原因は、私たち人類の愚かな行為だ。私たちは、経済発展を優先し、環境問題を軽視してきた。その結果が、これだ…。」
父の言葉は、まるで未来からの警告のようだった。
「私は、この危機を回避するために、タイムマシンを開発した。過去に戻り、歴史を変えることで、未来を救うことができるかもしれない。しかし、タイムトラベルには、大きなリスクが伴う。歴史に介入することで、予期せぬ事態を引き起こす可能性もある。それでも、私は、未来への希望を諦めない。私の息子、翔…。君に、この未来を託す…。」
翔は、父の言葉に胸を打たれた。父は、未来を救うために、命をかけてタイムマシンを開発したのだ。
「お父さん…、僕は、あなたの意志を継ぐよ。必ず、未来を救ってみせる!」
翔は、力強く決意を表明した。
その時、マックスが翔に話しかけた。
「ショウ、キミノチチハ、タイムマシンノ、ケンキュウヲ、シテイタ。ソノケンキュウハ、キケン、ダッタ。ダカラ、カレハ、クロノスニ、コロサレタノ、カモシレナイ。」
「クロノスに…?」
翔は、マックスの言葉に驚愕した。
「ソウカモシレナイ。ショウタロウハ、クロノスニトッテ、ジャマナソンザイ、ダッタ。カレラハ、ショウタロウヲ、ジャマモノ、トシテ、コロシタノ、カモシレナイ。」
マックスは、冷静に分析した。
「そんな…、お父さんが…、クロノスに…?」
翔は、怒りと悲しみで、体が震えた。
「ショウ、ワタシタチハ、マダ、クロノスノコトヲ、ナンニモ、シラナイ。カレラハ、ドコカラ、キタノカ、ナニヲ、モクテキトシテイルノカ…。ワタシタチハ、カレラノコトヲ、もっと、シラベナクテハ、イケナイ。」
マックスは、翔に言った。
「ああ、わかった。必ず、クロノスの正体を暴いて、お父さんの仇を討つ!」
翔は、復讐を誓った。
「ショウ、キミハ、ヒトリジャナイ。ワタシガ、イツモ、キミト、イッショダ。」
マックスは、翔の肩にそっと手を置いた。
「ありがとう、マックス。」
翔は、マックスの温かさに触れ、涙をこらえた。
翔は、父の研究資料を整理し、机の引き出しにしまった。
「お父さん、僕は、あなたの夢を叶えるよ。そして、未来を救う。だから、見守っていて…。」
翔は、心の中で父に語りかけた。
次の日、学校で、翔は、いつも通り友達と話をしていた。
「なあ、翔、週末、一緒にサッカーしないか?」
友達が翔を誘った。
「ごめん、ちょっと用事があって…。」
翔は、以前なら、喜んで誘いに乗っただろう。しかし、今は、未来を救うという大きな使命を背負っている。
「そうか…、残念。」
友達は、少しがっかりした様子だった。
「じゃあ、また今度な。」
翔は、友達に別れを告げ、教室を後にした。
(僕は、もう、以前の僕じゃない。未来を変えるために、やらなきゃいけないことがあるんだ。)
翔は、心の中で呟いた。
家に帰ると、翔はマックスに、父の研究資料について詳しく教えてほしいと頼んだ。
「マックス、お父さんの研究内容について、もっと教えて。」
「わかった、ショウ。キミノチチハ、タイムトラベルニツイテ、コウシテイタ。カレハ、トキヲコエルコトノ、キケンセイヲ、シッテイタ。ダカラこそ、キミヲ、マモルタメニ、ワタシヲ、ツクッタンダ。」
マックスは、翔の父であるショウタロウの研究内容や、彼が未来に託した希望について語り始めた。
「キミノチチハ、ミライヲ、シンジテイタ。キミガ、ミライヲ、スクウト、シンジテイタ。」
マックスの言葉は、翔の心に深く響いた。
「お父さん…。」
翔は、父の偉大さを改めて実感した。
「ショウ、キミハ、チチノ、ユメヲ、ツグモノダ。キミニアレバ、キット、ミライヲ、カエルコトガ、デキル。」
マックスは、翔のモチベーションを高めるように言った。
「ああ、マックス。僕は、必ず、未来を救ってみせる!」
翔は、マックスと共に、未来への希望を胸に、新たな冒険へと旅立つ決意を固めた。