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テディベアが時空を超える時  作者: Gにゃん
第一章 目覚めたテディベア
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未来への帰還

「ショウ、そろそろ現代に帰ろう。」


神社の本殿で祈りを捧げた後、マックスが翔に言った。


「え、もう? まだ江戸時代にいたいよ…。」


翔は、名残惜しそうに境内を見渡した。


「江戸時代とも、お別れだね…。」


「ソウダ。ツギノ、ボウケンニ、ムカウタメニモ、ゲンザイニ、モドッテ、ジュンビヲ、シナクテハ、イケナイ。それに…。」


マックスは、少し言いよどんだ。


「それに…? なんだい、マックス?」


翔は、マックスの様子がおかしいことに気づいた。


「…ショウタロウノ、シジニ、ツイテ、チョウサスル、ヒツヨウガアル。カレノ、シニハ、ナゾガ、オオスギル。ゲンザイニ、モドッテ、カレノ、ノコシタ、ケンキュウシリョウヲ、シラベナクテハ、イケナインダ。」


マックスは、真剣な表情で言った。


「お父さんの死…。そうか、マックスは、お父さんの死の真相を解明するために、僕を過去に連れてきてくれたんだね。」


翔は、マックスの言葉に改めて気づかされた。


「そうだね。マックス、帰るよ。」


翔は、マックスを抱きしめ、タイムトラベルの準備を始めた。

その時だった。


「翔!」


聞き覚えのある声が、境内に響き渡った。


「ツユさん…!」


翔は振り返ると、そこにはツユが立っていた。


「ツユ…さん…? どうして…?」


翔はツユの突然の登場に驚きを隠せない。


「翔、よかった…、無事で…。」


ツユは、安堵の表情で翔に駆け寄った。


「ツユさん、クロノスの連中は…?」


「心配しないで。みんな、追い払ったわ。」


ツユは、優しく微笑んだ。


「ツユさん…、ありがとう…。」


翔は、ツユに感謝の気持ちを伝えた。


「ショウ、あなたはもう、一人じゃない。私が、いつもあなたを見守っているわ。」


ツユは、翔の頭を優しく撫でた。


「ツユさん…。」


翔の目には、涙が溢れていた。


「ショウ、あなたは、強い子よ。どんな困難にも、きっと、打ち勝てる。だから、自分を信じて、前を向いて進んでいきなさい。」


ツユは、翔に語りかけた。


「ツユさん…、僕、必ず、未来を救ってみせる!」


翔は、ツユの言葉に励まされ、力強く宣言した。


「ええ、信じているわ。」


ツユは、翔に微笑みかけた。


「ショウ、もう、時間 だ。」


マックスが、二人に告げた。


「ツユさん…、さようなら…。」


翔は、ツユに別れを告げた。


「さようなら、ショウ。またいつか、会えるわ。」


ツユは、涙をこらえながら、翔に微笑みかけた。

翔は、マックスを抱きしめ、タイムトラベルの準備を始めた。

再び、マックスの体がまばゆい光に包まれる。轟音と共に、翔の意識は、時空の渦の中に吸い込まれていく。


翔は、最後の最後までツユの姿を見つめていた。ツユもまた、翔が消えるまで、その場を動かなかった。

目が覚めると、翔は、見慣れた自分の部屋にいた。


「ただいま、マックス。」


翔は、ベッドにマックスを置いた。


「オカエリ、ショウ。」


マックスは、いつもの優しい声で言った。


「なんだか、すごく長い夢を見ていたみたいだ…。」


翔は、江戸時代での出来事を思い返していた。


「夢じゃないよ、ショウ。キミハ、ホントウニ、江戸ジダイニ、イッタンダ。」


マックスは、翔に微笑みかけた。


「そうだね。ツユさんとの稽古、クロノスとの戦い…、ツユさんとの別れ…、全部、鮮明に覚えているよ。」


翔の頬には、涙の跡が残っていた。


「ショウ、キミハ、江戸ジダイデ、タクサンノコトヲ、マナンタンダネ。」


マックスは、翔の成長を感じ取っていた。


「うん。ツユさんから、侍としての誇り、そして、どんな困難にも立ち向かう勇気を教わった。クロノスとの戦いでは、自分の弱さを痛感したけど、同時に、未来を守るために戦う決意も固まった。そして…、大切な人との別れも経験した。」


翔は、力強く言った。


「ソレハ、ヨカッタ。キミハ、ミライヲ、スクウ、ヒーローニ、ナル。」


マックスは、翔の言葉を励ますように言った。


「でも、正直、不安だよ。クロノスは、本当に恐ろしい敵だ。僕なんかが、本当に未来を救えるのかな…。」


翔は、不安な気持ちを吐露した。


「シンパイシナイデ、ショウ。ワタシガ、イツモ、キミト、イッショダ。キミニアレバ、キット、ミライヲ、カエルコトガ、デキル。」


マックスは、翔の不安を和らげるように、優しく言った。


「ありがとう、マックス。」


翔は、マックスの言葉に勇気づけられた。


「さあ、ショウ。ツギノ、ボウケンニ、ムカッテ、シュッパツダ!」


マックスは、目を輝かせながら言った。


「うん! 次なる冒険へ!」


翔は、未来への希望と不安、そしてツユとの別れを胸に、新たな冒険へと旅立つ決意を固めた。


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