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第5章の1 春、不良は大忙し

 桜は満開、時は春。暖かい風に桜の花びらが舞っている。

 続々と新学期が始まり、初々しい新入生を迎えて学校の空気も清々しくなる。

 勇輝が通う高校は本日始業式。入学式は明日になっている。

 校長の式辞があり、生徒指導部長の長い説教が始まった。春休み中に生徒が事件を起こしただの入院しただのと話は尽きないらしい。

 強面の生徒指導部長が口泡を飛ばすその体育館に、彼らの姿はなかった。それ以前に不良の目立つ頭は片手で足りるくらいしかない。


 静かな体育館で式が淡々と進んでいるそのころ、彼らは屋上にいた。厳密に言えば弥生、零華、癒慰の女の子だけであるが。

 その三人はフェンスごしにグラウンドを見ていた。それぞれ違う表情を浮かべながら……。


「……羨ましい」


 つまらなさそうにぼそりと呟く弥生はフェンスを掴む手に力を込めた。目が忙しく動いている。


「男って本当に馬鹿だと思います」


 呆れかえった様子で零華は断定する。


「あはは~でも生き生きしてるね」


 スポーツ観戦でもするように楽しげに手を叩いて癒慰は笑っている。

 三人の視線の先では、乱闘が起こっていた。

 ご近所と学校関係者への騒音対策と目隠しとして、しっかり障壁がはってある。


 事の始まりはしごく簡単。全員仲良く始業式をさぼっていたところ、喧嘩の誘いが校門の方から飛んできたのだ。

“春日勇輝~、出てこ~い!”

 校門を見てみるとぞろぞろと金髪茶髪が目白押し。

 品の欠片もない誘いに、もちろん勇輝は嬉々として乗った。新学期最初の他校への殴りこみは恒例行事である。その校で我こそはと思うものが他校に乗り込み名をあげようとするのだ。

 そしてこの地域一の不良校のトップである勇輝の下には、こうして多くの挑戦者がやってきたのだった。


 ざっと見ただけで確認できる制服は四種類。総勢五十人強を三人で相手をしている。

 己の小ささを生かした素晴らしい身のこなしで敵を撹乱し、拳と錬魔特製武器で倒していく勇輝。

 挑発を交えて敵を転がし、好き放題に暴れ、敵を殴り飛ばし麻酔銃で眠らせていく秀斗。

 無駄のない動きで相手の隙をつき、長い脚を使って敵を蹴散らす錬魔。

 男二人は“楽しそうだから”“運動不足だから”と勇輝の助太刀に入ったのである。

 そしてそれを不満そうに見つめる弥生。

 もちろん彼女も闘いに行こうとしたが、全員に止められた。彼女の手に握られていた得物を見ればそれも仕方がないのだが……。


「ちょっと峰撃ちするだけじゃないか……」


「弥生ちゃんの剣って両刃ですよね?」


「女の子はここで観戦しとくのよ」


 二人の言葉に、さらに弥生はふてくされるのだった……。






 始業式が終わり、長い説教から生徒たちが解放されたころには、すでに勝敗は決していた。のろのろと敗走していく他校の不良たち。捨てゼリフを吐いて出ていく奴もいたが、すでに三人は彼らに背を向けている。

 勝者三人はその他の生徒に上手く紛れて教室へと移動すると、すでに女の子三人が待っていた。


「お疲れ~」


「見てるだけなどつまらん……」


「何時まで経っても子どもですよね」


 そして三者三様の言葉をかけられた。


「楽勝~」


 勇輝は親指を立てて圧倒的勝利をアピールした。癒慰がぱちぱちと拍手を送る。


「やっぱ身体を動かすっていいよな!」


 秀斗が勇輝の首に腕をまわして引き寄せた。


「痛っ……」


 秀斗の身体が当たった腕に痛みが走る。

 顔をしかめて身をよじる勇輝に、秀斗は目を瞬かせた。


「え、怪我してんの?」


 無論秀斗は無傷である。


「怪我ってほどのものでもないよ。避け損ねたのを喰らっただけ」


 あははと勇輝は苦笑いしてひらひらと片手を振る。その様子に錬魔が近づいてきて勇輝の腕を掴んだ。


「痛ってぇぇ!」


 容赦なく掴まれて不覚にも悲鳴をあげてしまった。


「……強がるな。しっかりとバットを受けてたくせに」


 見せろと言われ、勇輝は唇をとがらせながらも大人しく袖を捲し上げた。


「あ~あ。見事に青あざだな」


 秀斗はしげしげと勇輝の怪我を見て、くくっと笑った。


「……なんだよ」


「いやぁ? 高校一の不良でも怪我するんだな~って」


「……あんだけ人数がいれば数発は喰らうって。あいてて……それに怪我してこそ喧嘩した気分になれるじゃん」


 錬魔に青あざの付近を触られて顔をしかめる。


「まぁ骨に異常はなさそうだ」


「あたり前だって。俺丈夫だから」


 勇輝はにっと笑ってその腕をぐるりと回し、袖を直した。


「はーい、出席取るよ~」


 勇輝が席に座ったと同じくらいに、声とともに葉月が入って来た。彼らの担任であり、龍牙隊から派遣された科学者でもある。

 始業式でも白衣に寝癖頭と普段通りの格好だ。


「ほらほら席について」


 パンパンと名簿で机を叩くと、生徒はしだいに座りたい席に座りだした。勇輝たちは教室の後で固まって座っている。

 勇輝はざっと教室を見まわして違和感に気がついた。ついっと隣の席に目をやるとそこには誰もいない。


「……歩は?」


「あら。そういえば今日は見ていませんね」


 そう言えばと言った感じで零華が教室を見まわした。

 葉月が出席を取り始め、勇輝は扉から駆けこんでくるか、スパイよろしく天井から飛び降りてくるかと視線をあちらこちらに飛ばしていたが最後まで歩は姿を見せなかった。


「変だな……」


 葉月が三年になっての話をしていることなど気にせずに勇輝は携帯を開いてメールを確認した。新着メールはない。


(あいつさぼる時はメール入れてくんのに……)


 携帯を片手に難しい顔をしている勇輝を後の席の秀斗がつついた。


「なあ。歩今何してんだ? あいつ鷺のとこだったよな」


「ん~スパイ中? 春休みから全然連絡取れないんだよな……何してんだろ」


 勇輝は春休みに何度か歩にメールを送っていたが一度も返事が来なかった。

 さすがに心配になってくる。


(忙しいのかな……)


「……ってことで、三年生だから進路のことを考えるように」


 気づけば葉月の話が終わっていた。真面目に聞いている生徒などおらず、彼の額に青筋が立っている。

 ホームルーム終了までまだ時間はあるが、葉月はさっさと教室から出て行った。それを勇輝が追う。


「すんませーん。ちょっといいですか?」


 勇輝の呼びかけに葉月は足を止めて振りむいた。


「おや。これは龍牙隊の後輩であり僕の生徒でありながらさっき全くとして僕の話を聞いていなかった春日勇輝くんじゃないか……どうしたんだい?」


 爽やかスマイルを浮かべながらも流れるような言葉には嫌みが満載だ。


「う……あ、すいませんでした」


 ひとまず勇輝は謝ってから、本題に入ることとした。


「えっと。森本歩が休んでるんですけど、何か知りませんか?」


「森本君? ……あぁ、彼ね」


「最近連絡が取れなくて」


「うん。彼今入院してるから」


「……はい?」


 担任なら何か知っているのではと期待して訊いてみたら、あっさり答えが返って来たが……。


「にゅ、入院!? だ、誰かにやられたとか?」


 不良の日常茶飯事は不意打ち、殴りこみ、決闘だ。


「いや、交通事故だってさ。表向きはね……」


 いやに含みのある言い方に勇輝は悪い方向に考えを巡らせた。


(ま、まさか。どっかのワルにナイフでぶすっと……とか。やーさんに日本刀でズバッと……)


 勇輝が自分の想像に青ざめていると、葉月がおもしろそうに勇輝の顔の前で手を振った。はっと我に返った勇輝の視界を銀色の線が尾を引いて過ぎ去る。


「こっちの世界にいるかい?」


「……あ、はい。戻ってきました」


 そして勇輝は引きつけられるようにその銀色に目をやった。葉月の指には指輪がはまっており、小さな小石が可愛らしい。


(変な指輪……)


 指輪をすること自体になんの違和感も覚えないが、この指輪はどう見ても女物だ。


(……この人も変態属性?)


 不審な眼差しを向ける勇輝に葉月は爽やかスマイルを放った。


「よかったら森本君の入院先を教えるけど?」


 その一言で勇輝の中の邪推は消え去り、ピシリと姿勢をただす。


「ぜひお願いします!」


 ぺこりと頭をさげた勇輝は、葉月の顔に何とも形容できない種の笑みが浮かんだことを知らなかった……。






 葉月の教えられた病院は勇輝も小さい頃お世話になった病院だった。最近は風邪をひいても怪我をしても寝て治しているので病院は久しぶりだ。

 彼らは受付で病室を尋ね、看護師の案内について廊下を進む。


「この病院にこんなとこあったんだ」


 看護師はどんどん人気のないところへと歩いていく。


「この病院には龍牙隊専用の区画があるのよ」


「そこは異空間として切り離してるから一般人は気づかねぇけど」


 癒慰と秀斗の説明に勇輝はへぇっと興味深そうに周りを見る。ということは前を行くこの看護師も龍牙隊関係者なのだろう。

 看護師は一つの部屋の前で足を止め、ここですと言い残して去っていった。

 歩がいる病室は病院の中でもさらに奥まった場所にあった。ネームプレートもなく、閑散としている。


「だ、大丈夫かな」


 ドアの取っ手に手をかけて勇輝は動きを停止した。


「看護師さんの話ではそんなに重傷じゃないみたいよ?」


「とっとと行こうぜ。こうやって土産も持って来たわけだし」


 やんわりと癒慰が勇輝の背中を押し、秀斗が手に持つ酒をあげて見せた。


「う、うん」


 勇輝は深呼吸をして気持ちを落ち着かせるとドアを開けた。がらがらとドアが滑り、病室の風景が目に入ってくる。


「……あ?」


 音に気付いてドアの方を向いた歩と目が合う。起こされたベッドの上では、歩が漫画を読んで寛いでいた。


「お~勇輝~。どうだぁ? 元気にしてたか?」


「元気じゃん!」


 只今入院中の歩は、手をひらひらと振って勇輝たちを迎え入れた。

 ひとまず勇輝は歩の傍に立ち、チョップを歩の頭に入れた。


「痛ぇ!」


「なんだよ……入院したなら連絡くらいよこせ!」


 むすっと勇輝はベッドの横に置かれた椅子に腰をかけた。


「しょーがねぇじゃん。携帯ぶっ壊れたんだから」


 叩かれた頭をさすりながら、空いているほうの手でサイドテーブルを指差した。そこに輪真っ二つになった携帯電話が……。


「怪我人に向かって暴力振るうなよ……」


 秀斗が呆れ顔で可哀そうな携帯の隣に見舞いの品を置いた。


「お……日本酒だ」


 それに歩は反応する。どうやら彼もお酒が好きらしい。


「まあ、見舞いに行くのに酒を持っていくのもどうかと思うけどね」


 癒慰は手近にあった椅子をベッド脇に持ってきて座る。


「全然オッケー」


 それに歩は親指を立てて返した。


「ピンピンしやがって……心配して損した」


「ひでぇな。こう見えても肋骨数本やって、肺に穴が開いたんだぜ?」


 そう言われて勇輝が歩の胸に視線を落とすと、たしかにギプスがはめられて固定されていた。


「なんでそんな怪我したの?」


「いや~。任務である国家企業に潜入してたんだけど、あらかた情報を集め終わったころにばれちゃって。またばれたところが空の上でさ~仕方ないからパラシュート背負って飛び降りたわいいものの。着地前に風に流されて、からまっちゃって森に落下した」


 あはは~と軽いノリで話す内容に、三人は返す言葉が出てこなかった。


「まじで、着地場所を仲間に通信しておかなかったら俺死んでたぜ。いや~、木の枝にふとんのように引っかかってたんだってよ」


 勇輝はがしっと歩の肩を掴んで真剣な目を歩に向ける。本人は軽く話しているがこれは全く笑い話ではない。


「今すぐ違う部署に転属しよ。バイトなのにどんだけ危ないことしすぎだろ」


(潜入してパラシュートで逃走って……なんてうら……なんてスリリングなバイトだよ)


「あはは。バイトなんてただの名目だぜ? いったん入ったら辞めれねぇし」


 歩は心配するなと勇輝の頭を乱暴に撫でた。

 勇輝は鉄拳制裁しそうになる拳を必死に抑える。一応怪我人に気を使った。


「……まぁ、元気ならいいよ。俺はまた前みたいに死にかけてんのかと思ったから」


 勇輝ははぁと息をついた。歩は勇輝の頭から手を離す。


「まぁ、ちょっと三途の川見えかけたけどな」


 顔をひきつらせた勇輝に、歩は冗談冗談と笑った。


「前にも大怪我したことがあんのか?」


「あぁ。中学の時に喧嘩で……あん時はまじで死にかけたぜ」


 懐かしいな~と思い出に浸る歩を勇輝は恨めしさと怒りが混じった目で睨む。


「俺はあの時もまじで心配したんだからな」


「悪い悪い」


 歩はむくれる勇輝を宥める。


「おい歩。気にくわねぇ仕事は蹴っちまえ。てか鷺の奴をやっちまえ」


 鷺と犬猿の仲の秀斗は自分の首をかき切る仕草をする。


「いやいや、返り討ちにあうって」


「でも無理しないでね」


「ありがと。でももうこんな危ない仕事はねえよ。俺異動があって如月つきになったから」


 さらりと言われた内容に、三人はん? と耳を疑って首を傾げる。そして三人が同時に訊き返した。


「如月つき?」


「そう。なんか今年から牙軍と黎明の繋がりをもっと深めようってことで連絡係が出来たらしいんだ。んで俺が如月担当ってわけ」


 最初は如月とのパイプ役は鷺自らが買って出たのだが、彼は世界を飛び回る必要があるため隊長に却下された。そしてその他の隊員が如月つきを渋る中、白羽の矢が立ったのが歩だ。もちろん如月の勇輝と仲がいいというそれだけの理由で……。


「それは……苦労するね」


 しみじみと癒慰が憐みの眼差しを歩に送る。

 それを受け取った歩はゆっくりと頷いた。

 その辞令を受け取ったのは一週間前、この病室に突然鷺がやって来て紙を渡したのだ。それと共に送られた言葉を歩は鮮明に記憶している。


“弥生に何かしたら……殺す”


 痛む胸がさらに痛くなった。

 そして鷺はこうも言った。


“間違って秀斗を殺してもそれは事故として片づけてやる”


 鋭い目で見降ろされ、歩はただ頷くことしかできなかった……。


「ってことは、結界に歩が入れるようにしねぇと……ん、これ持っとけ」


 秀斗は制服のズボンのポケットに手を入れてしばらく探ると、金色の珠を取りだした。秀斗の紡命珠である。


「何これ」


 それを受け取った歩は珍しそうにしげしげとそれを見る。


「それを持っとけば本部からでも入れるぜ。屋上のテントは今までどおり入ってこれる」


「へ~、サンキュー」


 歩はそれをサイドテーブルに置いた。


「それで? いつ退院できんの?」


「もうだいぶ治ってっから、明日検査してよければ明後日には退院できる」


「え、もう退院? 何週間入院してんだ?」


「あ~怪我したのが春休みに入るちょい前だから……三週間くらい?」


 歩は記憶をたどってそう答えた。それと同時に全く娯楽の無い入院生活がまざまざと脳裏に蘇って辟易とする。


「早っ。そういうのって一カ月くらいかかるんじゃないの?」


「ここは表じゃ使えねぇような医療技術や薬もあるからな。普通の病院よりも早く治るんだ」


 勇輝の疑問に秀斗が答えた。

 この病院は美月擁する科学班医療班の技術の粋が集められたところなのだ。


「あら。じゃぁ退院祝いと異動祝いをしなきゃ」


 癒慰が嬉しそうに手を叩いた。秀斗も楽しそうな笑みを浮かべている。


「いい酒用意しとくぜ」


「あはは、リーダーに目をつけられない程度でお願いしまーす」


「じゃあ私たちはこの辺で。あまり長居すると傷に障るしね」


「もっといりゃぁいいのに。まぁすぐに退院するけどな」


 歩はにこやかにひらひらと手をふる。


「あ、もうこんな時間なんだ。家に帰んないと……」


 勇輝は腕時計に目を落としてやるせない表情をした。昨日久しぶりに家に帰ったところ、一週間の夕飯当番を命じられた。母、暁美曰く、春休みの分を働きなさい、だそうだ。


「じゃぁな歩。いつでも如月に来いよ」


 秀斗は軽く手をあげてドアへと身体の向きを変えて歩きだした。


「歩君、また学校で」


「新学期は忙しいから覚悟しとけよ~」


 勇輝は扉から出る時にもう一度振りかえって手を振った。


「じゃあな~」


「おう。また学校でな」


 歩もひらひらと手を振って勇輝を送り出す。

 ドアがゆっくりと閉まっていった。

 完全に扉が閉まりきると、歩はふぅっと息を吐いてベッドに背を預ける。


(そんなに心配させたか~)


 入って来た時の切羽詰まった勇輝の表情を思い出して、歩は口元を緩めた。

 歩も大怪我を負った時のことはまだ覚えていた。中学の時、勇輝と一緒に歩いていたところを他校の不良に襲撃されたのだ。

 どうやら高校生だったらしく、バイクを乗り回しての襲撃だった。二人は当時常備していたバットで応戦したが、そのいざこざの中で歩はバイクに当たられたのだった。


(あれは痛かったな~)


 その衝突で肩と内臓を少し痛めてしまった。そして何よりも頭を打ったらしく、勇輝によると非常に血が出ていたらしい。それに恐れをなした不良たちは一目散に逃げ、勇輝が半分パニックになりながらも救急車を呼んだのだった……。


(今から思えばあん時はまだまだだったな)


 自然と歩の顔には苦笑いが浮かぶ。そしてふっと思い出し笑いをした。

 病室で目を覚ました時すぐ目の前に可愛い女の子の顔が見えて、これがあの世からのお迎えかと死を覚悟した。だがそれが勇輝だと気づいた時、身体の痛みも何もかもきれいさっぱり飛んでいったことを覚えている。


(こんなことあいつに言ったら殺されんな)


 歩はゆっくりと目を瞑った。久しぶりに勇輝たちと話して少し疲れたらしい。



「……如月、か」



 歩はそう呟くと、静かに眠りへと落ちていった……。



ストックが欲しい……

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