ザーケル・ハイメルトの小話3
やあやあ、待たせたね。
ザーケル・ハイメルト、そう俺様のことを首をながー--くして待ってたんだろ?
まあまあ照れるなって、わかってっから。
え、あ、ちょっと待って!!
あー----!!!
・・・・・・
非常にすみませんでした。
本当に、心から反省しております。
頼むから口をきいてください。そして耳を伏せないでください。
頼むよ、ほら、今回もこうしてちゃんとかすり傷ひとつ負わずに帰ってきたからさ!!
え?頼んでないって?
まあまあまあ、そう言うなって。
そう言いながら密かに安心してるの知ってっから。
あー-!待って待って!今回は本当に、マジのマジ。真剣に!
……似合わないって、はぁぁぁぁ。
俺だって好きな子の前では真剣になりますよ。
本当に。
だって、俺らが怪我して帰ってくるの、イヤなんだろ?
ああ~、ほら、そりゃあいつも見てればさ、わかるって。
俺らが怪我してここ来るとさ、一瞬だけどすげー痛そうな顔するじゃん?
最初は仕事が増えるのが嫌なのかと思ってたけど、すぐに違うってわかったよ。
そりゃあ、めっちゃ熱心に診てくれるし、処置が終わった後も気にかけて、訓練中に傷が開かないようにって細かい注意事項まで一人ひとりの分作ってまとめて、怪我した隊員用に食事まで考えてくれたり、他にも色々…そんだけされりゃあさ、わかるよ。
俺らが怪我するが嫌なんだろう?
俺らっていうか、まあ誰かが怪我するのが、嫌いなんだ。
だから誰よりも一生懸命治療して、必死に良くなるように努力してくれる。
そういう姿に惚れたんだよ。
…………
え~っと……?
さすがに何か反応がないと……ザーケルさんも傷つくって言うか、その~……意外とガラスのメンタルっていうか、ですね?
はい、はい!待ちます、はい!!
でも、惚れたのは本気だからさ。
あんたに惚れた日から、俺は絶対に怪我しないって決めたんだ。
そうじゃなきゃあんたにまた嫌な思いさせるだろ?
だからさ、絶対無傷で帰って来るって。
あ、ちゃんとラビオリ先生にも殴られる覚悟はある!
それが怖くて怪我しないじゃないかって、そういう気持ちもなくはないけど…
嘘うそ!!本気で、怪我しないって決めたのはあんたに嫌な思いさせないためです!
え~~!そう言うなって。
その、俺は団長とかみたいにすげー強いわけでもないし、ベイルみてーに素直にアプローチできる程真っ直ぐでもねぇんだよ。
でも、それでもあんたのことは本気なんだ。
番じゃねぇけどさ、それでも、おれはあんたがいい。
番ってのは諸刃の剣だろ?
俺がいなきゃ潰れちまうっていうような、そんな存在は正直俺には抱えきれない。
俺がいなくても自分の力で逞しく生きれるような、俺なんかの助けはいらないっていうくらいの方がいい。
そういって頑張っている姿を支えてやりたいっていうか、応援したいっていうか……
いや、そのあんたが逞しいって言っているとかじゃなくて、いや、逞しいんだけど。
なんて言ったらいいのかな…
すげぇなって思ってんだよ。
怪我した人が嫌いだから、それを治すんだって、そう言って努力しているところとか、ひたむきに頑張ってるところとかさ、すげえなって思う。
でも、同時に肩の力を抜いて寄りかかって欲しいとも思う。なんてゆうか、休憩?っていうか、甘えさせてやりたいと思うんだよ。
………ん?
みみ?……ああ、耳!
いや、それはずっと言ってるじゃん。うさ耳も可愛いと思うって。
本気だよ!しまえないって、そんなの別に気にしてないし、そもそも可愛いんだからいいだろ。
あっ!もしかして、誰かに言われたのか?!!どこのどいつだ?!!とっちめてや……
…………
え?
あ、ちょ!ちょっと待って!!もう一回!!もう一回だけ!!お願いします!!!
あ~~~~ちょっとー----!!!!!




