ザーケル・ハイメルトの小話
俺の名前はザーケル・ハイメルト。
泣く子も黙る鰐獣人だ。
地元の悪い奴は全員友達、とまでは言わないがまあそれなりに腕っぷしがあり第2騎士団に所属している。
ちなみに彼女募集中だ。
聞いてないって?
まあそう言うなよ。第2騎士団だぜ?聞いたことあるだろう?
そうそう。あの金獅子将軍のいる、あの第2騎士団だよ。
金獅子将軍だってもちろん知っているさ。俺たちにとっては団長だけどな。
間近でその強さを見てきてるんだ。ほんと、あの人、獣人じゃないと思うね。他の生き物だと思った方がいいぜ、マジで。
え?団長が見たいって?
それは無理だな。運が良ければ訓練中に見られるが、団長は忙しいからな。
今日も隣国の王子ってやつが見たいとかゆうから、特別に団長が来て手合わせしてくださったんだ。
まあ、第2騎士団の誰かと付き合ったりしたら、見れる確率は高くなるかもなあ。誰とは言わないが。
ああ、そいえば今日の手合わせときたらなっ!
………1人で笑って気持ち悪いとかゆうなよ。傷つくじゃねえか。
まあ聞いてくれよ。
俺たち第2騎士団には一人だけ女騎士がいるんだよ。
シイラ・ローゼンってゆうんだけどよ。え?美人かって?
う~~~ん。正直、俺たちにとってシイラは女じゃなかったからな。
ああ、男みたいな見かけってわけじゃねえよ?ゴリマッチョでもないし、そうだな…細身だがスタイルはいいし、顔もそれなりに綺麗な方じゃねえのか?
でもあいつ、入団時にベルンハルトって同期をタコ殴りにした猛者でさ。
それはもうエグい殴り合いだったもんで、俺たちの中ではあいつは女っていう概念から外されたんだよ。
と・こ・ろ・が!
今日そのシイラが女装して来てたんだよ!
あ、いや、女だから女装っていわねえのか?
まあ、そのいつもの騎士服じゃなくて侍女服着ててさ。
俺はちょっと前にも見たことあんだけど、初めてそれ見た奴らはびっくりして口が開ききってたよ。
まあ、面白い顔だったぜ。
いやいや違う違う、似合ってなかったんじゃなくて、その逆だったんだよ。
いや~ホント、びっくりだよな。
女って服変えるだけですごい変わるんだな。
それ見た時にはシイラが“女”の概念に入ってたわ。
あいつの小隊のやつなんかは顔赤くしてたし、うっかり上司に惚れちまったかねえ。
そういうギャップって男は弱いもんなのよ。
あ、俺はギャップなんてなくても全然、ほんとそのままでいいと思うぜ?
そのウサギ耳もホント可愛いと思うし。
……ちょっとくらい反応してくれよ~!
まあそんなわけで俺たちにはなかなかの衝撃でさ。
聖女様ってのも見たけど、正直そっちの衝撃が勝っちまったよ。
ああ、聖女様?
そうそう。団長の婚約者って噂のな。
あ~~。かわいい人だったぜ?美少女って感じでな。
でもまだ子どもっぽくて俺のタイプじゃなかったな。
あ、俺のタイプ、聞きたい?……あ、はい。すみません。
まあその婚約者が王子と一緒に見学に来たからかなあ。
今日の団長はいつになく怖かったわ。
いや、いつもそんなに怖い人じゃないぜ?
指導は的確だし、冷静だし。
ただまあ…なんか今日は殺気立ってたっていうか…
まあ今度の任務の決行が近いから、厳しくなったってのもあるんだろうけど。
え?ああ、汚染区の討伐はしばらくないよ。
あっ!もしかして俺のことが心配になっちゃった?
大丈夫!
かすり傷ひとつ負わずに帰ってくるからさっ!
あれっ?俺のウサギちゃんはどこ行ったん?
書いていて一番楽しかったです。




