14(裏)
その時は、やって来た。
「…来るぞ。」
彰が、急いで監視側から戻って来て、言う。
デニスは、彰が戻ったのでほっとして、急いで脇にある作られた石板の辺りを、調べているふりをして、待った。
すると、大河が必死の形相で駆け込んで来た。
「教授!デニスさん!早く、早く来てください!理久たちが閉じ込められて…!天井に圧し潰されそうなのに、謎が解けないって湊が!」
何も知らなかったら、訳が分からないぞ、その説明では。
彰は内心思ったが、弾かれたように駆け出した。
「行くぞ、デニス!」
そうして、大河と共に入り口近くまで走った。
到着すると、叫び声と叫び声のぶつかり合いの最中だった。確かに、天井が迫って来るわ、謎が解けないわでは、気が狂いそうになるだろう。
このままでは、一気に3人が消えて、ゲームがつまらなくなる。
彰は、急いで湊を見た。
「なんだ?!」と、湊の手の紙を見た。「貸せ!」
彰は、3枚をスッスと繰って見た。問題は何にするか知らなかったが、物理にしたのか。だが慌てていて物理を、一般人には難しくないか。
彰は思ったが、問題を読み終えてすぐに叫んだ。昔から計算は得意中の得意で問題を見ると同時に解ける。
「20だ!」彰は、ここでの犠牲を一人ぐらいに抑えたいので、必死に言った。「問題の答えは、水面波が伝わる速さは20cm/sだ!」
湊は、同じように叫ぶ。
「20だよ理久!石を2と0に置くんじゃないのか!急げ!」
すると、答えは無かったものの、ゴロゴロという音がして、岩が横へと転がって、出口は開いた。
「理久!」
湊が叫ぶと、理久がその僅かな隙から転がり出て来た。
「他は?!まだ天井が下がってるぞ、急げ!」
「美里さん!弥生さん!」
大河が、手を伸ばす。もう、20センチほどしか隙間がない。美里が、必死に手を伸ばしてその手を掴んだ。
「弥生!弥生、早く!」
引き出された美里が、振り返って叫ぶ。弥生の声が、中からくぐもって聞こえた。
「駄目…!届かない!届かな…、」
ズン、という音と共に、天井が完全に降り切って、その部屋自体が無くなった。
「弥生!嫌よ!弥生ーーー!!」
弥生の声は、返って来なかった。
彰は、それを見てホッとした…良かった、とりあえずここでは犠牲が出ても一人でと思っていたから。




