水道橋博士の話
浅草キッド水道橋博士さんの著書「芸人春秋」を昨日、kindleストアにて買いました。
という、報告だけで終わってしまうのも、なんだこりゃ。で終わってしまうので、本書の知ってる限りのデータと僕の「水道橋博士さんの本」に関する思い出を少し。
本書は2012年12月に単行本の「芸人春秋」が、そして今や数々のレギュラー番組をもっている有吉弘行さんのエピソードとオードリー若林さんの推薦文を特別収録した「文庫版」が2015年に発売。
そして、その続編となる「芸人春秋2」の上下巻が先月の11月30日に発売された。
本書は水道橋博士さんが、様々な芸人・芸能人と交流したエピソード。そして水道橋博士さんが見聞きした芸人・芸能人のエピソードが「エッセイ」として収録されています。
で、僕はこの「芸人春秋」の文庫版をkindleにて昨日購入した。本来というか、普通というか、僕の常識からすると、発売されたてホヤホヤの「芸人春秋2」から読み始めるべきなのでは。ともおもうのだが、「芸人春秋」を1ページも読んでいないため、まずは基本の基本に立ち返ってみるために2年も前に発売された本を昨日購入しました。
・・・言い訳をするというわけでもないのですが、僕はかなり本に浪費に浪費を重ねているのか、気づけば「積読本」が100冊を超えまして。これがなかなか読み終わらず・・・。
本来であればそんな「積読本」を無視してでも「読みたい本があるんじゃあ!!!」と無視して購入したい本も山ほどあるのですが、流石にお金もない今、そして本棚のスペースも限りがある今、読みたくても「ガマン!」とこらえてわざと買わない本もあるんです。
いや!ほんとにほんとなんですよ!水道橋博士の本はすごい読みたかったもんで・・・。
(一体僕は誰になんの言い訳をしているのだろうか・・・)
で、積読している中で「これは今読むべきじゃない本」を除いた本、まぁ「ノルマ」いうもんなんでしょうか。積読している本がある程度読み終わったので、幾つかの本とともに「ご褒美」として、「芸人春秋」を購入しました。
水道橋博士さんの本を購入したのはたしか高校生の頃。
あの時、水道橋博士さんは、相方の玉袋筋太郎さんと一緒に「浅草キッド」として、月に数回、当時、日曜日1時〜5時放送のTBSラジオ番組「伊集院光 日曜日の秘密基地」内のコーナー「日曜ゼミナール」という、ゲスト講師が今話題になっているモノや時事問題について1時間解説するコーナーに出演していました。
今や水道橋博士といえばお笑い芸人としてテレビやラジオ番組で活躍する一方で、様々なワイドショー番組で「コメンテーター」として活躍したり、またチャンネルをひねれば格闘技番組のMCとして格闘家にインタビューするなど、テレビではジャンルを問わずに活躍している。
その他にも、「週刊芸人春秋diary」を始め幾つもの雑誌や広報誌で連載を持つ一方で、メールマガジン形式での文芸誌「水道橋博士のメルマ旬報」を立ち上げ、編集長としても活躍するなど、今や活動の幅は「テレビ・ラジオ」に限らず、文字の世界でも活躍している、めちゃくちゃ働くカッコイイ大人だと思っています。
ただ、恥ずかしながら高校生の頃の僕はそんな「水道橋博士」に関するデータなど全くないどころか、水道橋博士が出ているテレビ番組もほとんど見ることがなかったので、唯一、博士の「素性」を知れるのが、この「日曜日の秘密基地」だけでした。だから「この人はなんか色々と物事知っているし、伊集院さんとも絡めてうらやましいなぁ。」ぐらいにしか思っていませんでした。
そんな博士から「本が出ました」という告知が、ある日、その番組内でされました。
その本というのが、水道橋博士が自ら体験した「健康法」を紹介するエッセイ「博士の異常な健康」でした。
ただ、この博士からのお知らせに「違和感」を持っていました。
確かに「秘密基地」では様々な時事問題や話題など「様々な知識を持っているおじさんの一人」としてしかカウントしていなかったので、そんな博士から「健康」なんてワードも想像できるはずもなかったのです。だから僕は博士が「こういう本を出したんですよ。」と伊集院さんと話していても僕には正直「フーン」という感想しかもたず、本自体には全く興味がありませんでした。だって、当時高校生ですもの。高校生の年齢からしてみれば「健康法」なんて気にするものでもないし、興味を持つわけでもないじゃないですか。でもそんな「様々な知識を持っているおじさんの一人」としてカウントされた水道橋博士のことを「もっと知りたい」という気持ちはあったので、「どんなおじさんなんだか正体を暴いてやろう。」そんな気持ちで、この本を購入しました。
購入して読み始めた感想というのは、当たり前ですが「高校生が知らなくても良い話題ばかりだなこりゃ笑」という、読む前から知っていたような感想しか思いつきませんでした。
仮に「高校生が知りたい話題」だとすると、「部活やっているんだから筋力をつけたい!」とか思うじゃないですか。もちろんこの本の最後には、今や当たり前のトレーニング方法になっている「加圧トレーニング」も紹介されているんですが、本書をめくって一番最初に出てくるタイトルが「博士の頭に髪が生えた」でした。育毛法です。そりゃ「高校生が知らなくても良い話題ばかりだな」と思ってもしまうないようでした。(ここまで書いてみたのですが、博士にとても失礼な内容ばかりだな。これ。ホントすみません・・・。)
ただ、そんな感想も一気に吹き飛ぶぐらい、読み進めると博士の「行動力」に没入していたのを覚えています。
この「髪の毛」の話は、内容としては「頭が寂しくなっていた博士」が、とある育毛クリニックの診断を受けて、適切な治療をうけるまでをエッセイ形式で書いているのですが、大量の写真やイラスト、そして彼がラジオで披露してきた「面白おかしくわかりやすい話し方」ですべてを紹介していました。
当然、この「言葉をなりわいにする人たち」としては、もちろん「体験」するだけで終わってしまっては仕事にならないので「文章にする」とか「番組で紹介する」なんてのは当たり前のことだとは思います。
そういう仕事に携わったことのない僕ですが、仮に同じように「自分が健康法を実践してレポートを書く」と言われたら、自分だったら仮に「体験する」事はするとしても、「じゃあこの健康法に詳しいという人は誰なのか担当さんに調べてもらおう」とか、「感想は書くけど、細かいその時の様子を書いたり、記事の構成をするのはだれだれにまかせよう。」とか、何かしらの「妥協点」を考えてしまうと思うんです。だって、楽したいじゃないですか。
でもそんな妥協も一切考えず、自ら「体験レポを書くこと」はもちろん「クリニックを探すこと」である「取材のアポイントメント」、「これからやる治療はどのようなものなのか」というインタビューまで全部自分で行い、その全てで「得たこと・噛み砕いたこと」を書いて、一つのレポートを書いているのには高校生の一人としてビックリしました。「いや、あんたどんだけ行動力あんねん。」と。
話は変わりますが、親父からよく「自分の目で見たもの、聞いたもの、調べたものだけを書きなさい。人から『こういう話を聞いたんだけどさ』という口伝えで言われたことを『知ったかぶり』で話すのはやめなさい。」と注意されたのを覚えています。
そこからすると、博士の「異常な健康」はすべて「自分の目で見たもの、聞いたもの、調べたもの」だけが書かれている、まさに「ホンモノ」の文章で心がスッキリしたのを覚えています。
今、この文章は「異常な健康」を全く読み返さずに書いていますが、これだけ詳細に色々覚えているとなると、本当に「ホンモノ」の文章に惚れた証でもあるのでしょう。
だから、今回博士が発売した「芸人春秋」もホンモノであり、博士の「行動力」に見惚れた文章をまた味わえるのではないか。そう思って、これから読み始めようと思っている今、ワクワクしています。
最後に、もし「異常な健康」を読む際に注意したほうが良いことを書いておきます。
「帯」は必ず外してください笑
帯には「博士の頭に髪の毛が生えた」と、この本の一部分が書かれています。
なので、ハゲ頭の人の前でこの帯がついたまま本を読むと、本人の意図とは別に「喧嘩を売ること」になります。
現に僕もこの本がきっかけで「先生に怒られました」笑
僕は「この本の面白さ」に惹かれ、家ではもちろん、高校の休み時間にも読んでいました。
あれは1限目が終わって、2限目の「数学」が始まるまでの間の休み時間の事でした。
数学を担当していた先生は、いつも授業が始まる数分前から教室に来て、授業の準備をするとても真面目な先生で、ほとんど生徒のことを怒ったことのない(正確に言えば注意はするけれど、キレない)今年いっぱいで定年を迎える「おじいちゃん」のような先生で、頭もきれいに禿げ上がっていました。
普通だったら、「禿頭」はコンプレックスに感じるものだとは思うのですが、その先生は生徒から「おじいちゃん」のように慕われていたことと、そのキャラクターから「禿頭も似合う」と思っていたのでしょう。授業中にも自分の「禿頭」をネタにするほどの余裕を出していました。
そんな先生が授業の準備をしていたそばで、この本を読んでいたとき、先生に「注意される」ではなく「マジギレ」で「何本を読んでるんだ!」と怒られました。その時は、正直ショックというかビックリしました。授業中ではないし、校則で禁止されていた「携帯電話」をいじっていたわけでもないので。
ただ、先生にあとになってから聞くと「禿げ上がった頭を自分でいじるのは良いが、他人からいじられると腹が立つ。それにストレートに言わなければ言わないほど。」という考えがあったらしく、もちろん生徒から「ハゲ」と言われれば怒りたくなるのもわかりますし、生徒もそんな事をする気も起きないのですが、そうやって口に出さず「文章」として、ましてやそれに関する本を目の前に出されることはかなりの屈辱。という理由で僕に対して怒ってきたそうです。
僕はその当時も今も頭は禿げ上がってもいないのですが「まぁ、同じ立場になってみれば怒られて当然か。」とその時も思いましたし、これを書いている今も「あの時は申し訳ないことをした。」と反省しています笑
なので、これから「博士の異常な健康」を読む人はくれぐれも帯だけは外してください笑