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プロローグ 『夢』
『ズドーン』9年前のあの日、全てが終わった。
始まりは、一つの小さな『隕石』だった。
その一つの隕石が落下した数秒後、複数の隕石が世界中を襲った。
子供達の泣き声、女性の叫び声、男性の怒声にも似た声、家の燃える音、高層ビルなどの崩れる音、響き渡る地響き、様々な音が飛び交っていたがそれは一つだった。
そう『恐怖』
それらの音が一瞬消えた。その時、さらなる恐怖が人々を襲った。
「地割れだ! 逃げろ!」誰かがそう叫んだ。
その瞬間再び、世界中に恐怖の音が鳴り響いた。
「光音、俺たちはもう駄目だ・・・縁を連れて逃げなさい・・」
「そうよ・・・お兄ちゃんなんだから、しっかり縁を守ってあげて」父と母は、隕石に足を潰されてしまっていた。
『自分の筋を通して生きろ』それが父の最期の言葉だ。