問5:変態物語
山形淘汰17歳。前回我が部の可愛い可愛い愛娘三人(由那、神海、亜衣)をお人よしの命は何の疑いもなく、背徳集団に差し出してしまった故に、なんとしてでも取り戻す為に、我々は立ち上がった。
動画研究会の部室の前まで辿り着いた。軽くノックをする。
「失礼します。ご無沙汰しております。うちの部員がお世話になっているようで」
軽く、探りをいれてみる。これで、話が通れば一件落着。血を見ずに、平和のうちに何もかもが終焉を迎える。
「あぁ、天文部の山形さん。どうも、あぁ、あの三人ですか。めちゃくちゃ可愛いですね。もうちょっとだけ、お借りできませんか?」
やっぱり、予想はしていたが一戦交えることになりそうだ。
「いやぁ、ちょっと部で急ぎの用事がありましてね。今すぐ返して欲しいんです」
「ごめんなさい。ちょっといま『いいところ』なんでもうちょっとだけ…」
いいところ?
「ええ、ところでなにを撮ってるんですか?」
「……学園ものの、映画ですけど」
「ちょっと、見学して行ってもいいですか?」
「今、現場は非常にぴりぴりしているので、それはちょっとご遠慮願います」
くっ。これからどう攻めるか。このまま帰ってしまったら申し訳ない。せめて三人の安否だけでも確認できれば。強行突破? いや、相手は十五〜二〇、数では敵わない。どうする
「教室、使わないんですね」
「えっ……」
「学園ものの映画なら、わざわざ奥のスタジオ使わなくったって、一番雰囲気でる場所、知ってますよ。教室とかグランドとか。今は放課後なんだし、使い放題ですしね。撮影許可を貰えば」
「いえ、今日は映研が使用許可を先に取ってたんで」
「お宅、知ってますか?
こないだの停学処分のとき、まるで何事も無かったかのように部が再び存続しましたよね。
良かったじゃないですか。
なんかこういう根も葉もない噂も流れているみたいで
なんでも、前の生徒会長、買ってたんでしょ、お宅の『素晴らしい』作品を。
あなたのところの支持層は校内にも教師陣にもたくさんいたんで、総動員かけて騒動はもみ消されたとか。それで、出てきた断片的な少ない証拠からは、本来当然部員全員退学処分になるはずが、部長の佐伯を3日の停学で済んだと」
「いくらなんでも、怒りますよ」
「怒りついでに、我らの公僕、生徒会でも呼びましょうか。
『彼女』なら私の今の発言が行き過ぎたものかどうか客観的に判断してくれます。
見たでしょ、今期の生徒会委員長。あの誠実さ。彼女なら、もし発言の事実確認の為に生徒会の強制捜査が入って、凄まじい物的証拠を捕らえたとしたら、なんてことがあったら絶対に部員全員即刻退学でしょうね。
あっでも、『素晴らしい芸術作品』をつくっている動画研究会さんにはなにも関係の無い話でしたね。失礼失礼、じゃあ、今から呼んでくるので
」
「……。待ってください」
食いついた。あとは突撃準備を整えるのみ。
「ねぇっ、雛泉君。君に盗撮『疑惑』がかかったときに君と被害者に示談進めたの、実は僕なんだよ。知ってた? 『たまたま』知り合いで君も少年だったし」
「なっ……なんで……」
そのままこの子をぎゅっと抱き寄せて、やさしく耳元で囁く。
「君は若いし将来もある、今となってはあそこで起こった事は全部綺麗に流されているんだよ」
「っくうう、ええあああううええぇぇぇん」
「……そのことが、ここで知られたら僕はもうおしまいです。僕、何やっているんでしょうかね、もう一回やり直そうと思って遠く離れたこの高校に転校したはずなのに、『こんな』部活には入部して。……死にたい」
「大丈夫、私は君の秘密を誰にもばらしたりはしない。ここにいる私の連れにも言っとくから。君は良心を取り戻しただけで十分だ、後は自分の信じた道を行きなさい」
「……せ、せんぱい」
「君は僕に無理やり脅されたと言えばいい。さあ、案内してくれ」
「うっぐ。えっつ……はっはい、よっ喜…んで」
そうして、二人は熱い抱擁を交わした。そこの
なお、彼の手に握りしめられているメモには、こう記されていた。
「部員16、雛泉 行一。16歳。
元K県在住。何かの拍子に引っ越して本校に入学。その後動研に入部。
盗撮で補導歴あり。被害女性と示談後、和解が成立との噂が」
雛泉に案内され第4スタジオに到達。
ドアを開けると、そこには想像を遥かに凌駕した光景が。
カメラマンが五人ほど、そのうちの三人ぐらいが振り返った。
由那はスク水姿に、神海はメイド服を着せられ、亜衣は体操着(下はブルマー)+猫耳のおまけ付き。なんというか、このままこいつらをまとめて俺の嫁にしたい。
「あっ、命君、どうしたの?」
この娘たちこの光景にいながら笑ってる。どうしてだ?
メイドが淑やかに、柔らかそうな口を動かす。
「ご主人様。お帰りなさいませ」
ぐほぁああ。相当なダメージを食らってしまった。神海さん、あんたまじで可愛すぎだから悪ノリはよして。もしかして本当に調教されちゃった?
「って、教えてもらったんですけど。効果覿面ですね。淘汰君、顔赤いですよ」
落ち着け。もちつけおれ。現代日本社会においてメイドさんがこんなベタなステレオタイプな発言をするなんて、もはや日常茶飯事だろ。なにを誤爆しているんだおれは。いや、おちつけ。素数を数えるんだ。そもそもメイドさんはとは(ry
「とにかく、Mtよ、連れて帰ろう」
「待て、早まるなA。これは孔明の罠だ」
「私たちのこと、心配して迎えに来てくれたんだ。」
ああ。Aは頭から煙を上げてそのまま気絶してしまった。衛生兵、ここに衛生兵はおらぬか〜。Aは殉職した。だが、これだけは忠告しておく、今われわれが見ているものは、決して現実ではない、と。リアルな女の子はこんなこと言わない。それは所詮、男子の欲望にまみれた妄想に終始するだけだ。
しかし今有り得ない事が起こった。祟りである。とは言え、眼前に起こってる超常現象も悪くはないので、奇跡に感謝。
「いま、撮影中なんで、もうちょっと待ってもらえますか?」
「喜んで」
戦死者の亡骸を拾って、その様子を見つめる。当初の予定と大幅なずれができたが、まあ当人たちも楽しんでやってるわけだし。
しかし、国境なき萌え団はとあることから、再び始動する。
5組の学級委員長と風紀委員の激写本を見付けてしまったのだ。
うっ嘘だ。清楚系の恵里奈ちゃんが、なんで?
赤坂と並ぶくらい難攻不落と言われた洋子ちゃんがこんなあられもない姿に。
「あぁ。だいたいそんな感じにしようと思ってるんだけど」
え?
「そんな感じって、いいわけないだろおぉぉおおおお」
「どうした新入り、これがダメなんて、ずいぶんとマニアックな注文だな」
「いや、そうじゃなくて。そういうことは全般にダメ。ぜったいだめ。この娘達にそんな事するなんて、お父さん許しませんよ。
っていうか私は新入りじゃねええええ」
「えっ、違うの?」
「大体、恵里奈ちゃんはどうやっておとしたんだよ」
「えっ。普通に売り上げの8%支給するっていったら」
結構売れてるからな、ネットを通じてちょっとしたブランドにもなっているらしい。
「いやーー、そーいう話は聞きたくなーーーい。ああやだ、やだ。じゃあ洋子ちゃんは?」
「いや、聞きたくないって。お前が振ってきたんだろ。そしてまた聞くし
ちょっと手こずったぜ。まずイケメンに夜景の綺麗なレストランで」
「昭和か。いやああ。洋子ちゃん男は顔と金だなんて夢のないことしないで」
「ああいうまじめ一色なカタブツ系はそっちのが効くの
ってかお前は何なんだよ」
「俺はだから、えええっと、国境なき……じゃなくてこの三人の夫だよ」
「おーーい、淘汰君。なにこの状況利用しちゃってるんですか?
しかも三人同時に一夫多妻ってどこぞのエロゲーか」
「まあ詳しく言うと三人が所属してる天文部の副部長とメンバーなんだけどね」
「最初からそう言えばいいじゃん……。で、どうしたの?
どうしたのって言うよかなんなの?」
「メイドなんて、猫耳なんて……。そんなのただの妄想にすぎない。
という事で返せよ、その三人。お前らのとこに置いとくとマジで取り返しのつかない事になるから」
「しかし、副部長から許可は取ったって言ってたし」
「こいつが事の発端なんで、こいつを身代わりに」
私は命を掴むと、カメラマンに差し出した。
「ダメだ。使えない」
「ひどい扱いだな。
だいたい映画に出演させる許可は取ったが、何て言うか、その……、そういう許可は取ってないぞ」
「ん、あぁ。最初から借りる側にストレートに言ったら断られるに決まってんじゃん」
「この確信犯め。とにかく、佐伯呼んでこい」
「佐伯さん?
まぁ、今日も来てると思うからいいけど」
そうだ、最初からこうすれば良かったんだよ。
「よう。淘汰。どうしたん」
「この三人娘が出演する『学園映画』の企画担当は誰だ? お前か?
ちょっと人生ドロップアウトさせるから、犯人の身柄を大人しく引き渡しなさい」
「不可ナリ」
「其ノ不可ナルハ、如何ト」
「我、其ノ核タルヲ知ル也。夫レ即チ我ナリ。天文之君粗中ニシテ人為忍ズ。故ニ、君知ラバ、必ズ禍我ニアラント」
「やっぱり、この大衆のハートをがっちりと掴んだいかにも一般けしそうで、なおかつきれと独創性もあり、マニアな方まで満足いただける、諸葛亮孔明と肩を並べるくらいの素晴らしさを誇る発想力を見事に開花させた、我が部三人娘のコスプレビデオの発案・企画はおまえかーー!」
「はい。私、部長の佐伯でございます」
「こ、の、や、ろ、う。とにかく、こいつらを連れて帰るぞ。雛泉君も手伝ってくれ」
「無理です。入り口は新たに動研部員数名が新たに配置。
こちら側、負傷者一名。騒ぎを聞きつけた『大きいお兄さんたち』が続々と押しかけています。
また、女性陣三名は既に堕ちています。即戦力として、僕を除く二名しか残されていません」
「あれ、ヒナ君。淘汰と知り合いだったの」
暫く静寂に包まれたかと思うと、凄まじい雄叫びの後、ドアが破られて数々の益荒男が進入してきた。たぶんこいつらは動研愛好派、完全なる動研側、皮肉を込めていうなれば動画研究会の犬である。
「佐伯さん。あのあのあの…、天文部の三人を捕らえたって言うのは本当ですか」
「そうなんだけど、こいつら今から帰るって言うんだけど納得できるか?
俺は全然OKなんだけど(←ここ重要)、おまえらはこまるよなぁ?
こいつらを引き止めちゃって。実力行使で」
「了解しました。一同全力でこれを阻止させて頂く所存であります。
おっ、あそこに見えるは、左右田由那、紅谷亜衣、南神海ではありませんか。しかも各々スク水(白)、体操着、メイド服着用済みです。さすが佐伯部長、各軍の装備に抜かりはありません。これが、神の領域か、見える、見えるぞ天国が」
「あらあら、ご主人様がいっぱい。とりあえずお帰りなさいませ」
「tっ佐伯、おーまーえー、このやろう。神海さんも挨拶なんてしてる場合じゃなくて」
「大変です。敵勢力が格段に上がりました。圧倒的な数の差が兵力、士気に影響しています。相手はこれを利用して人海戦術を駆使してくるものと考えられます。隊長、早く指揮を」
「天文部副部長の水上だ。申し訳ないがちょっとそこをどいていただけないか、もちろんただでとは言わない。政治的取引をしよう。
もしこちら側の要求をのんで頂けるのなら、今度の文化祭の天文部の出展はメイド喫茶にしたいと思う。先日の生徒会総会でプラネタリウムと報告をしてしまったが、データの改竄はうちの部員山形の得意分野だ。どうだ、このままの状態をそのまま、でもいい。もちろん、そのときは最大限の要求は受け入れ、出展の暁には君たちを『優先的』に招待しよう。画面でこの三人娘を寂しく拝んでいるより、ずっと萌えるだろ。あ〜ん、だぞ。このかわいいかわいい三人娘に、甘くて芳醇なスイーツを、『はい、あ〜ん』ってして食べさせてもらえるんだぞ。これほどの悦びがどこにある、どこにある?
諸君の理解ある行動を期待する」
ごくり。と生唾を飲む音が聞こえ、一人また一人とその道を空けてゆく。
その道は、まるで長く果てしなく凛として気高く存在する絹の道のようであった。
「すごい。さぁ、今のうちに早くここを脱出しm」
「いや、まだ甘い。手ごたえはあったが詰めが甘かった。全軍防御体系に入れ。
来るぞ。伝説の詭弁家、佐伯が」
「はぁあああああっーーー。
コマンド:ABBA→→← 必殺技『憑詠み』
佐伯のLvが90上がった。
攻撃力が250上がった。
防御力が300上がった。
HPが100上がった。
MPが600上がった。
闇属性の技「闇討ち」、「病ム雨」、「闇鍋」を習得した。
皆さんちょっと聞いてください。
いや、いいかよく訊け皆の衆!
昨今一般人でもオタク文化の浸透に伴い萌え萌えと実に萌えは身近なものとなった。しかし我々が求めていた萌とはなんなのであろうか、そもそも萌というものには属性がありそれが個人の好みなどにより木の枝のように多岐にわたっていることはここにいる者には言及に値しない事ではある。全国のお兄様達、今こそ立ち上がる時なのだぁああ!
コスプレを枝葉の一端として例にとって挙げよういや挙げさせていただく。いいか制服系の御三家といえばなんだ?(K1基準) そう、セーラー服、体操着、スク水だ。細かいジャンル設定は各自の判断に任せる。ちなみにセーラー服は今回使用されていないのでマニアはもってけ。今回はゆうなさんには白スク、亜衣ちゃんには体操着という装備を施したが、ハイレヴェルな衣服の着用だけでは物足りないという贅沢な奴もいるであろう、彼らに足りないものは何か簡単かつ明快それは愛情だよ、愛だよ愛、つまり広義の萌え用語で言うところのデレ、欠如しているものはこれだったのだよ。
ちっちゃくて可愛げのある妹から『お兄ちゃん起きてもう遅刻しちゃうよ』、はたまた普段は意地っ張りだが急に『君にだけ』判定がゆるくなってしまう同級生(当然ながら付加効果として委員長キャラであることが多い)の放つまさかのもじもじもじぴったん。
この全てが愛故に墜ちていくとしたら、最高ではないかそうでないか。深すぎる愛ゆえに、その人を愛するが為に昼メロ的展開は加速し、『君(俺)の嫁』が『君を愛するが故に』どんどん狂って壊れて墜ちて逝き、もはや『君なしでは生きられない』状態へ。そうだよ、そのまさかの鬼畜プレイ『ヤンデレ』だよ。
ヤンデレ4強(凶)と言えば誰だ? そうだな、School Daysより桂言葉、アニメ版SHUFFLEより楓、ひぐらしシリーズより竜宮レナ(シリーズ内で詩音等にも交換可能)、なのはさん、といったところか。
なお、ひぐらしシリーズのキャラクターをヤンデレに含めるか否かは常に論争の火種となる所ではあるが今回は俺の主観でヤンデレ属性に含むものとする(L5でただ単に狂っているだけという反対意見も根強いがそれも熟考して十分ヤンデレ属性の領域に到達可能と判断)。また、なのはさんについては各自の判断にお任せする。
そこで、だ。先程のコスプレの論議を思い起こして頂きたい。
つまり、武器っ娘って萌えないか?
またメイド服も更なり。(メイド服が最強なのは言うまでもない)
まったく今世紀最大のコンセプトとはこのことである。
大日本帝国の男子諸君、君達の愛を求める心はしかと伝わった。最近のエ●ゲー市場を覗いてみろ。見事なまでのヤンデレブームだ。炉離っ娘ブーム(いや、幼●こそ永遠だ、という発言はこの際はっきりと『犯罪』とさせて頂く)に対抗できるほどである。そこに、このメイド服という販促技を、いや反則技を発動させる。
第二次大戦後、民主主義の進展につれ尊属殺人罪は最高裁判所により(違憲)立法審査により違憲とされた。この法律の解除は何を意味するか答えは現在にある。(まあ。勝手な解釈ではあるが)お兄ちゃんへの深すぎる愛=ド●ロちゃん的行為や、ご主人様への過度な愛、を一般水準まで引きあげたのだ。妹に金棒を。これまで従属の半透膜だったメイドさんに愛を。メイドインヘヴンである。
そこでだ、もうこの議論に終止符を打とうではないか。つまり、ここまでも結論から「メイド服+ヤンデレ=大量殺人兵器」という公式が導き出された。ということで、メイド服を完璧に着こなしている神海さん、彼女主役でA●撮影しよう。ヤンデレ風味の「八●優」とか「風間●」みたいな感じで。勿論、後の二人も魅力を最大限に活かしてご出演いただく。」
「結局のところ、ただの何を言ってるか(何処に逝ってるか)分かんない人じゃないですか」
「よく覚えておきなさい、雛泉君。あれが発狂した男の末路だよ」
しかし大衆は確実に佐伯に賛同しつつあった。
「け、けしからん。実にけしからん。そんなこと、人道的に許されると思っているのかーー」
「副部長さん、発言は立派ですが、さりげにTU●AYAの会員カード出さないでください。 ほら、ハンカチも貸してあげますから鼻血、拭いて下さい」
「……あまりにもけしからんかったので、俺としたことが」
orz
「そ、そんな本人が許すわk」
「御主人様の命令とあれば……。ところで陶太さん、A●って何ですか?」
「くっ。既に神海さんは洗脳されかかっていて、尚且●●(にゃんにゃん)の意味を心得ていない」
「どうする?
かつて俺と双肩を並べたお前が、とうとう本気を出さざるを得なくなったか?
またハッカーの地下大会で、首位の強奪戦を繰り広げたときみたいに、俺と淘汰といい勝負をしてみたいもんだよ」
「ふうっつttttttttttttttttttttt.
コマンド:四天王を倒した後、道具の七番目をセレクト
サブコマンド:とかちつくちて
控えええいひかええい。ここにいらっしゃる方をどなたと心得る。紅谷亜衣様なるぞ。
この尻尾つきブルマーが目にはいらぬか」
「えっちょっとなに? どうしたの淘汰」
「よいかここにいる亜衣様はボクッ娘属性なるぞ。愚民ども、その耳、よく研ぎ澄ませて聞くがよい。紅谷亜衣様のお言葉なり……」
そういい終わった後、一枚の紙を取り出して、鉛筆をはしらせる。数秒の後、亜衣に耳打ちをする。
「コレヨンデ」
「……へ? 無理、無理無理無理無理。『ボク』には絶対むり。あれ? 何で私、自分のことボクって言ってるんだろ……」
「ヨンダラチョットナオルカラ」
「ボクには絶対無理……はっtt」
その後、論議は数分に及んだ。
「わかった、わよ……しょうが、ないわねぇ……」
「命、雛泉君、準備は終わった。総員耳を塞げ、さもなくば萌死ぬぞ」
「ラジャーー」
「……すぅぅぅう。
☆愚民のみなさ〜〜ん、こんにちは〜〜。ミンナのアイドル亜衣ちゃんでしゅよおおお〜〜。今日もボクのこと見てキュンキュンしてくれたナリか〜ーー?
あれれーー? 何ボクの姿見て、よだれたらしてるナリかーーΣ
このド変態!
あなた達の考えなんてぜええええんぶお見通しナリよΔ
踏まれたいんでしょ?
ほら、跪いてボクの足を舐めるナリよ〜〜☆ミ」
気がつくと、いつの間にか聴衆はうつ伏せになっていて道ができていた、これぞ人柱。
「よし、渡るぞ。命、神海さん、由那、亜衣、それから雛泉君」
「あっ、帰るの? じゃあねーー。淘汰、今日は久々に面白かったゾ」
「お前こそ、生徒会の最高額賞金首だから気をつけとけよ。adiu〜」
幾人もの民を渡りながら私は今日も自分が人間であることを確認させられる。
「もっと、もっとです。もっと罵って下さいませ」
「亜衣様、足を舐めさせてくださいまし」
「誰に向かって口を聞いてるナリか? あなたのような薄汚い能無しがボクにお願いするなんて一億光年早いナリ」
「ぁああああ。亜衣様あああ〜〜」
「もっと、もっと洗脳されるナリよ〜ー☆」
訊いちゃダメだ。キイチャダメダ……。だいたいあんな台詞台本に入れたっけか?
「もっと、もっと高めて果てなくーーー亜衣様〜〜」
それは殉職したはずの永次の言葉だった。私達は無事に橋を渡り終え、そっとその扉を閉めた。
キァラクター詳細紹介
山形 淘汰
東桜高校天文部
17歳。高校ニ年生。
性格:クール?
特技:データ改ざん(年度予算会計やデータ報告で活躍。電気会社に勝負を挑んだ経験あり)
ハッキング(佐伯ほどの腕前=国家レベル)→その設定は活かされず
戦績:雛泉を部に引き込む。
「さて、メイド服メイド服……。早速着てもらおうか。あっ、そうだった、先週クリーニ(ry」