空と街
空の雲にさ
青い先が透けていたんだ
何だか今にも消えてしまいそうで
なくなってしまいそうで
暇でもないのに
ひたすら空だけを眺めていたのさ
車は行き交う
すぐそこには人の群れ
巨大な広告を脇目に
誰もが先を急ぐのさ
街はこんなにも
せわしなく動いているのに
空だけはのんびりなのさ
今にも消えてしまいそうな雲を
いつまでも眺めても
空は街とは違って
僕を置いてけぼりにはしないのさ
ぼーっと座って
背伸びして空を見て
悠久の世界に誘われる
普段の些細な問題も
明日への心配も
一度脇へ追いやって
僕も空に浮かび上がって
のんびりと街から離れていくのさ
今にも消えてしまいそうな雲は
いつまでも消えはしなかった
空と街とでは
流れる時間が違うのだろうさ