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「拾った彼氏を理想の男性に育てるまで」

 「拾った彼氏を理想の男性に育てるまで」

 この作品は“恋愛小説を書いてみたい”という思いから始まった。それも、女性向けの恋愛小説だ。


 パッと頭の中に浮かんだのは、最初のシーンだけだった。

 だから、ラストはどうなるか全くわからなかった。先の展開は全然考えていない、そういう状態でスタートした。第1話と第2話の出だしくらいまでしか考えずに始めてしまったのだ。


 それでも、絶対的に有利なコトが1つだけあった。

 それは、最初の5行。わずか5行。されど5行。


 第1話の最初の5行を書き終わった瞬間に確信した。

「勝った!たとえ、この物語がこの後、何万文字、何十万文字に渡ろうとも、必ず最後まで完成させられる!」と。


         *


 とはいえ、先の展開を考えていないコトには違いがない。

「ここから先は、1話ずつ確実に書いていくしかない。その過程で、先の展開を考えていこう」

 そう思って、書き進めていった。


 それが、3話目を書き、4話目を書いている内に段々とストーリーが固まっていった。

 次に思いついたのが、“観覧車のシーン”

「これは、凄い!」と、我ながら、そう感じた!

 ただし、それゆえに非常に危険なシーンでもある。おそらく、読者の多くがドン引きして、ヘタをすればそのまま読むのをやめ、離れていってしまうだろう。

 だからといって、書くのをやめるつもりはない。「あのシーンがなければ、この物語は完成しない!」そういう確信が、心の底にある。

 だから、来るべき時が来れば、必ずあのシーンは書くつもりだ。


         *


 純粋な恋愛小説として始めたこの作品。

 大きな流れ自体は、決定した。料理でいえば、“素材”はそろったわけだ。

 ただし、それをどう調理するかまでは決まっていなかった。


 それが、完全に決まったのは第6話。

 ここで、もうこの作品の作風まで決定した。

「エロ小説でいくぞ!」

 心の底で、僕はそう叫んだ。


「純愛小説なのに、エロ小説!?どうなってんの!?」と思われる方もいるかもしれない。

 それは、実際にこの小説を読んでもらえばわかると思う。思いっきりハードな官能小説。でありながら、同時にあり得ないほど純粋に1人の人を愛する物語でもある。

 確かに、そういう作品になっているはず。そこは保証する!


 6話目が終わり、7話目以降はバリバリのエロ小説になっている。

「これでもか!これでもか!」と、能力とエネルギーの限りを尽くして、エロシーンを連発した。それも、できるだけ同じようなシーンが重ならないように気を使って。

 たとえ、似たようなプレイになるとしても、いろいろと表現方法を変えたり、工夫をこらしたりしている。


 同時に、この作品では“健全なエロ”を目指してもいる。

 超ハードに過激なエロを描きながら、それでいてどこかさわやか。

「これって、文科省推薦の性教育本になるんじゃないか!?」

 自分では、本気でそんな風に考えながら書き進めている。


         *


 さらに、主人公の女性。

 これは、ポンッと勝手に生まれてきた。僕が意図して生み出したわけではない。ほんとに、何もないところから突然にパッ現われたのだ。何の計算もない。完全に、流れと感性が生み出した登場人物。

 非常に多感で、いつも喜んだり、恐れたり、感激したり、快感を感じたり、涙したりしている。どこか情緒不安定なところがあって、それでいて基本的には明るい。そんなキャラクター。


「こんな女性が現実にいたら、恋をしてしまいそう…」と思えると同時に、まるで娘のような気もしている。

「彼女が、最後に幸せになってくれればいいな…」という、結婚前の娘を持つ父親の気持ちで書き進めていっている。

 さて、どうなることやら?


         *


 ちなみに、この作品、ほとんど人物名が出てこない。

 主人公の彼氏のみ名前が登場し、他は全くなし。


 なぜ、こんなコトになったかといえば…

 正直、名前を考えるのがめんどくさかったのだ。ただし、ある種の効果を狙った演出でもある。


 主人公の名前が出てこない理由。

 これは、読んでくれている女性に感情移入して欲しかったから。誰もが、「これは、私のコトだ!」と思いながら読んで欲しいな、そういう思いでこの手法を採用した。

 もしも、読者が男性であれば、別の視点で読んでもらって構わない。特に、濃厚なエロシーンメインで。


 それ以外のキャラクターの名前が出てこない理由。

 これは、あまり重要ではなかったから。いわば、“モブキャラ”というヤツだ。

 メインの2人以外は、影絵かげえのような存在でいい。そういうつもりで書いている。なので、さして重要でもないし、名前も必要ない。

 どうしても必要となれば、映像化する際にでも、誰かが勝手に名前をつけてくれればいい。脚本家とか監督とか、そういった人たちが。


         *


 一応、現時点で、ラストシーンは決定している。

 おそらく、これが変更されるコトは、もうないだろう。


 ただし、そこを事実上の最終回とし、その続きを書く可能性はある。その可能性は、かなり高いだろう。

 いわば、「人気が出たから続けるか…」的な理由なのだけど。それだけでは、終わらない可能性もある。


「ああ~、やっぱりあそこで終わっておいた方がよかったね。その方がきれいに終われていたのに…」となるか?それとも、「これはこれで、おもしろいかも!やっぱり、続きを書いてよかったね」となるかは、実際に書いてみないとわからない。


 とりあえず、頭の中にあるラストシーンまでは書き続けてみよう。

 まずは、それから。全てはそれからだ。

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