勝負できなくなったら、おしまい
「勇者アカサタ」の第1部を上手くまとめようと集中していたら、1日の執筆量が激減してしまった。
それは第2部に入ってからも変わらない。毎日、丁寧に丁寧に書き進めていっている。
正直、時間は、かなりかけて書いている。
実際の執筆時間自体は、1~2時間程度。それで、1500~2000文字程度なので、そんなに速いわけでも量を書いているわけでもない。
それ以前に最低でも2~3時間は思考する時間を入れている。
「今日の回は何を書くかな?」という、目の前を見た考えはもちろんのこと。
「今後、どういう流れで行こうか?」
「大きな流れ自体は考えたけれども、それらをどういう順番で使っていこうか?」
「この辺で、もうちょっと細かい世界の設定を詰めておくか」
といったようなコトを、膨大な時間をかけて、考え続けている。
なので、“この作品は、見た目よりもかなり贅沢な作りになっている”と言えるだろう。
そのせいかどうかはわからないけれども、ここ最近、あまり執筆意欲が湧かなくなってきた。
「何の為に小説を書き続けているのだろう?」と、疑問に思うコトが多くなってきた。
「これでいいのだろか?」
「質は下がっていないだろうか?もっと質を上げるにはどうすればいいだろう?」
そういったコトを考えている時間も長い。
それは、直接、作品にも影響を与えていると思う。
主人公のアカサタが迷ったり悩んだりしてばかりで、あまり積極的に活動しなくなってきた。
ま、これはある意味で、いい傾向でもあるのだけれども。こういうのは、作品に深みを増すことができる。ただ単に戦闘して、勝利して、といった展開ばかりだと、物語が浅くなりがちだ。そこに、深い思考が加わるコトで、物語全体に深みを出せるようになってくる。
さて、そんな風に迷ったり悩んだりしながら書き続けている作品なのだけど。今回は、ちょっとばかり手ごたえがあった。
読んでいる人はわからないかも知れないけれど、今回の話は、大きく進展があった。ストーリーとかキャラクターとか設定についてではない。“表現”においてだ。
まだ、使い始めたばかりなので、そんなに大きな能力ではないのだけれども(どちらかといえば、以前よりも“ヘタ”に思われるような表現になっているのではないだろうか?)この能力を極めていけば、他の人にはない大きな“武器”になるコトは間違いないだろう。
小説を書く上で、大切なコトが1つある。
それは、常に勝負しつづけるコトだ。モノを生み出す行為において、安定は禁物。いつまでも、“世界を破壊し続ける!”というつもりで臨み続けなければならない。
新しいモノを生み出すというのは、誰もやったことのない表現に挑戦し続けること。言い換えれば、それは、何かを破壊する行為なのだ。
それを忘れて、あるいは恐れてしまい、“勝負できなくなったら、おしまいだな”と、そう思う。
もしも、僕が小説を書くのをやめる日が来るとすれば、そうなった時だ。
それは、決して、読者が0になり、書いた小説を誰にも読まれなくなった日ではない。そんなものは、どうでもいい。心の底から湧き上がってくる情熱があり、世界と戦い続けられる限り、小説の方も書き続けるコトができるだろう。