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真っ暗な部屋で、僕は考える

 真っ暗な部屋で、僕は考える。

“小説とは、何だろうか?”

“小説のおもしろさとは、一体、何なのだろうか?”と。


 小説を書く前に考えると、悩んだり迷ったりしてしまうので、小説を書いてから考える。

 最低限、その日に書くと決めておいた分だけは書いてから、考え始める。


 さて、“おもしろさの正体”とは、一体、何だろうか?


         *


 ここ最近、僕は人の小説を読むようになった。

 特に海外のSF小説を中心に読んでいる。


 心の底から“おもしろい!”と思えるモノもあれば、そうでないモノもある。

 ストーリーがおもしろい作品もあれば、全体の仕掛けがおもしろい作品もある。ちょっとした設定や、雰囲気、圧倒的なリアリティだったり、主人公が別世界に投げ込まれて必死にあがく姿がおもしろい場合もある。

 そこに共通しているのは、“何もかも全てがおもしろいというわけではない”というコトだ。

 

 ストーリーは奇想天外、キャラクターは物語の舞台を縦横無尽じゅうおうむじんに駆け回り、非常にった設定で、会話もウィットにんでいる。

 そういった作品には滅多めったに出会えない。もはや、“奇跡”だと言ってもいい。

 もちろん、そういう小説が全くないわけではない。わずか数作ではあるけれども、この人生で、運よくそのような作品に巡り会えたこともある。

 だが、大抵は、大したことはない。


 それでは、そのような“全てがおもしろいわけではない小説”は、駄作なのだろうか?

 そうとも言い切れない。ほとんど全て特筆すべきコトはないにも関わらず、“たった一点だけムチャクチャにおもしろい!”と断言できるような作品もある。

 それは、駄作だろうか?むしろ、傑作の部類に近いのではないだろうか?

 それよりは、“何もかもがそれなりなんだけど、全てが中途半端”という方が、駄作に近いのではないだろうか?

 そういう考え方もある。


         *


 ここで、僕は迷う。

 自分の作品を書いている時もそうなのだけれど、人の作品を読んでいても同じコトを考えてしまう。

「“おもしろい”って、一体、何なのだろうか?」と。


 一部分だけ特化した作品にするのか?

 それとも、何もかも全てを盛り込んで、欲張ったおもしろさを目指すのか?


 どちらも、ひたすらにおもしろさを追求する道ではある。

 けれども、全く別のルートだ。

 どちらが正解というわけでもないのだろうけれども、選んだ道によって、読んでくれる読者が変わってしまうだろう。そういうコトも、一応は、頭の中に入れておく。

 最終的には、自分の判断。僕自身の判断にゆだねられるコトになる。自分が“最高におもしろい!”と思える作品を目指して、小説を書き始めるコトとなる。

 けれども、それ以前には徹底的に考える。考え、迷い、悩み抜く。

 そうして、書き始める。書き始めてしまえば、後は早い!!ズバズバと、音を立てるように書き進んでいける。


 もちろん、長編となれば、話は別だ。

 書いている途中で、立ち止まる時がやって来る。そうして、また迷い、悩む。

“おもしろいとは何だろうか?”と。


 その繰り返し。ひたすらにひたすらに、その繰り返しの人生。

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