もう1度、“小説とはなんぞや?”
僕は、半日ほど、ゆったりと休んだ。
その間に、もう1度、“小説について”考え直した。
“小説とは、なんぞや?”
“おもしろいとは、なんぞや?”
朝、起きなければ“ならない”
ご飯を食べなければ“ならない”
働かなければ“ならない”
お金を稼がなければ“ならない”
生きなければ“ならない”
小説とは、それと同じ類のものなのだろうか?
小説を書かなければ“ならない”
毎日の義務だから?
昨日も書いたから?
だから、今日も書かなければ“ならない”
もちろん、明日も書かなければ“ならない”
そういうものだろうか?
では、“書きたい”は、どこにいった?
義務感が先立ち過ぎていて、純粋な執筆意欲というのが消え失せてしまっていたのではないだろうか?
完全に消えてしまったわけではないにしろ、減退してしまっている。
それでは、いけないのでは?だから、僕の小説は狭くなってしまっているのでは?
心の底から声が聞こえる。
「オレは、お前の“書きたい”が見たいんだよ!“書かなければならない”ではなくてな!」
そうだ。そうなのだ。
子供のように純粋無垢に書き殴っていた、あの頃をもう1度思い出そう。
そうして、疲れたら休めばいい。
毎日更新するコトが優先され過ぎてしまい、義務感になってはいけない。
もちろん、ある程度は義務でやり続ける必要もあるだろう。
そうしなければ、サボってしまいがち。小説は全く書けなくなり、先へ進めなくなってしまう。
けれども、あまりにも、それを重視し過ぎてはならない。
心の底から、疲れている日には、ゆっくりと休めばいい。そうすることで、またいい小説も書けるようになってくるだろう。“小説を書きたい”という思いも湧いてくるだろう。
幸い、新作のアイデアも浮かんできた。
どうしようもなくムチャクチャで、破天荒で、矛盾だらけで、それでいてパワーに満ちあふれている小説のアイデア。
それを始めるのもいいだろう。
他の作品と並行しながらやっていくのは大変かも知れないけれど、まあ、そんなに肩ひじ張って書くような作品でもない。気が向いた時にだけ書いて、それ以外の時は放置しておけばいい。そういうタイプの小説だ。
今は“小説を書く楽しさ”を取り戻したい。その為にならば、なんだってやるさ。
人々が、「絶対にやってはいけない!」と言っているタブーにだって挑戦してみせる!
なぜなら、それこそが“真の意味で小説を書く”ということなのだから!
誰もやったコトがない。あるいは、やりかけたけれども、途中で諦めた。そんなコトにこそ、挑戦してみるべきじゃないか!