ズボラーウーマン2 ・ 横綱
一つの話では、最低文字制限数に届かなかった為、二つの話を合わせたものとなります。
ご了承ください。
ズボラーウーマン2
午前八時起床。
眠い目を擦りながら、三十分かけて、制服に着替える。
三十分うたた寝。
二時間目に登校。
昼休みまで眠る。たまに起きてる時は、机に突っ伏して、ボケ――――ッとする。
昼食をボケ――――ッとしながら、摂る。
放課後まで眠る。
一応、委員会には顔を出す。
委員会解散後、午後六時に帰宅。そのまま眠る。
海野十六夜の毎日は、ほぼ、このサイクルである。
横綱
「輿錦というのは、どこで獲れるお米ですか?」
職員室で。
高校二年の真田雪と三好清海は二人して、そんな質問を霧隠才麗国語教師にした。
米じゃねーよ、ハワイ出身のお相撲さんだよ、と答えるのもバカバカしくって、才麗は一言、
「ハワイ」
煙を吐き出した。
「ハワイと言うと、アメリカですか?」
と、清海。
「つまり、アメリカのお米ですか?」
「ああそうそうそのとーり」
「なるほどー」
雪はなにやら一人で合点した。
「さすが米国だけある」
「……んん? ……おお! 凄い! 雪ちゃん凄い!」
「……」
才麗はもう何も言わない。ただただ、二人の行く末を、憐れんだ。そして新しいピースの封を切った。
そういや、昔、日本の総理大臣がアメリカの大統領と会談したとき、似たような事言って、ダダスベリした事があったような気がするな、とあやふやな記憶が蘇った。
「先生、もう一つ」
雪が手を挙げた。
「何? まだなんかあんの?」
「DVDとブルーレイの違いを――」
「六華に訊けっつったろうが!」