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◆夜間行動
「ちょっと抜け出すけど心配しないでね。絶対に助けてあげるから」
「え?」
首をかしげる理絵から視線を外し考えるように目を上に向けて後ろ手をゴソゴソとする。
「うん、これなら外せそう」
前の時はちょっと混乱してたから上手く出来なかったけど……と言った時ロープがパラリと解けた。
「!?」
声を出しそうになった少女に無言で自分の口の前に人差し指を立てて声を制止する。
このまま理絵ちゃんのロープも解いてあげたいけど2人で逃げるのは今は避けた方がいい。時弥はそう考えて再度「必ず助けるからね」と言い残し警戒しながら倉庫をあとにした。
「えーと……杜斗はどこかな?」
キョロキョロしていると微かに声が聞こえる。
「おいっこっちだ!」
傾きかけた太陽の下、山の中から手招きする人影があった。