表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星屑彼方の君とあの夏の旅  作者: 憮然野郎
第一章 星屑彼方の君とあの夏の旅
33/40

第31話 イハ この場所で②

※前回のあらすじ※

愛理栖は母親が知らない男性と子供と一緒にいるのを見てショックを受ける。

ひかるは彼女を気分転換のつもりでデートに誘うが。

愛理栖は泣きながらひかるの前に現れ、

そして、ひかるの頬を叩いた。

※あらすじ 終わり※



僕は痺れの残る右頬を片手で抑えながら、

目に涙を浮かべている愛理栖の顔を呆然とただ追っていた。


愛理栖は口を開くと、

まるで哀れむように僕に言った。


「信じられない。 ひかるさん。 わたしはひかるさんを信じてたのに……。 ねえ、 どうして?」


「どうしてって、何が……」

僕が言いかけている時に愛理栖は言葉を続けた。


「迷子の男の子、 ひかるさん知っていますよね?」

僕は胸を締め付けられるような気持ちになった。


「知ってるけど、 どうして愛理栖がその事を?」


「私もあの時間迷子の男の子が泣いているところの近くに居たんです。

わたしはひかるさんがどう行動するか最初は見ていたんですよ。

ですが、 ひかるさんは見て見ぬふりをしていましたよね?

その時どうして私に電話して事情を話してくれなかったんですか?」


「それはごめん。 でもね、 愛理栖との約束もあったし、

それだって正しいだろ?

愛理栖に心配かけたくなかったから言えなかったんだよ」

僕は愛理栖にそう説明した。


「私、そんなの私全然うれしくありませんよ!」

涙目の愛理栖は強い口調で続けた。

私がひかるさんを許せないのは事情を話してくれなかったことももちろんありますよ。

ですが、 わたしが一番許せないのは、

思い遣りの気持ちをみせてくれなかったことです!


大切なのは、

これが"正しいからと自分の意見を押し付けるんじゃなくて、

相手の"きもち"に寄り添って、本当はどうしたらいいのか考えることじゃないんですか?」

愛理栖は泣きながら僕にそう言い放った。


「ひかるさんには失望しました。

一応言っておきますが、あの後迷子の男の子は私が迷子センターまで連れて行ってお母さんみつかりましたから。


ひかるさんは結局自分が一番かわいいんですね。

もう勝手にしてください」

愛理栖は鋭い目付きで僕にそう言うと、

その後は無言でその場立ち去ってしまった。


「フン、勝手にしろよ!」

僕は愛理栖の後ろ姿からわざと目を逸らすと、

そう一言吐き捨てた。


(オレ)だってなぁ!……」

そして、愛理栖がどこかへ行ってしまった後

僕は喉の奥に溜まっていた気持ちを一気に吐き出した。


(オレ)がなんでそこまで言われなきゃなんねーんだよ!……くそー!

 (オレ)だってわかってるよ!

だけど、愛理栖があんなに落ち込んでいたから。

だから、なんとか愛理栖を元気付けようと思って頑張って夜更かししてまでいろいろプランを練ったんだ!

 (オレ)の気持ちも少しはわかってくれよ!

なにも、 あそこまで酷く言わなくてもいいじゃないか!」


 そのときの僕は、無意味な自分のプライドと自己嫌悪が邪魔をして素直になれなかったのだ。

 そして、喉の奥に指を突っ込まれたような気持ちに我を忘れていた。





※※※ ※※※ ※※※


痛いよぉ!


ママ!

どこに行っちゃったの?

お願いだから出てきて!


???

おや、お嬢ちゃん舞子かい?


う、ううん……やっぱり大丈夫。


???

そうかい?


???

いい、愛理栖?

知らない人に声をかけられても……


わかってるよ、ママ。



寂しいよ。

早く迎えに来て、ママ


きみ、ありすじゃない?


え?


この前公園で僕と会ったの覚えてる?


あ!?


足の指大丈夫?

血マメができてるじゃない。

どれどれ?


痛いっ!?


あ、ごめん。

これじゃ歩く時痛いよね。

さ、肩に乗って。


ありがとう……。








馬鹿っ……。

※※※ ※※※ ※※※


愛理栖

「昔の夢!?」





次の日。

僕の住むアパートの集合ポストに手紙がはいっていた。

手紙には写真も入っていて、 差出人は以前お世話になった空さんからだった。

手紙の内容によると、次の日曜日、

僕と愛理栖の休みに合わせて、僕のアパートに久しぶりに会いに来てくれるらしい

「これって明日じゃないか!」

僕は愛理栖のおばさんに直ぐに確認をとったが、おばさんには既に泊まりの件で空さんから連絡が入っていて、秒でオッケーしたらしい。

僕は慌てて部屋を掃除した。 

そして翌日、 空さんが愛理栖と食材の買い出しをしてから僕の家に来てくれた。


「おっじゃましま~す!」

空さんはひまわりのように明るいテンションで僕に挨拶をしてくれた。

僕は手紙で事前に知ったが、空さんは結婚と妊娠の知らせも兼ねて遊びにきてくれたそうだ。

相手の旦那さんは木彫りのオブジェや日用品をつくる仕事をしながら自給自足の生活をしていて、2人はかなり前から交際していたそうだ。




その日の夜。

僕の部屋がワンルームという理由で、 寝るときに愛理栖が嫌がった。

あやうく僕だけベランダで寝るという話になりかけたが、

空さんが愛理栖を説得してくれて、 なんとか条件付きで同じ部屋で寝れるようになった。


ただし目隠しして手首も縛るっていう条件で。

「くそ~、 2人にとって僕ってそんなに信用無い?」


「ありません!」

愛理栖と空さん2人の返事はまさに阿吽の呼吸だった。


僕は、空さんと久しぶりに会えた事で

愛理栖は機嫌が直ったのかとあわい期待を寄せたが、

大きな間違いだったと言う事が直ぐにわかった。


空さんがお手洗いに行っている間、

愛理栖は僕と絶対に目を合わせようとはせず、

僕から愛理栖に話しかけても、 射ぬくような目を向けられ一言も話してくれなかった。

どうやら、 空さんに心配をかけないように、

空さんがいる間は仲が悪いところをみせないようにしてるみたいだな。


僕がまさに眠ろうとしていた時、 空さんから呼ばれた。


【掲載に関するお知らせ】

いつもお読みいただきありがとうございます。

今後の運用方針に伴い、当サイトで公開中のエピソードは、予告なく非公開とする場合がございます。

公開されている今のうちに、ぜひお楽しみいただけますと幸いです。

尚、当内容については、憮然野郎のnote 掲示板にて詳しく告知しています。

https://note.com/buzenguy/n/n9517e6b198fc







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ