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星屑彼方の君とあの夏の旅  作者: 憮然野郎
第一章 星屑彼方の君とあの夏の旅
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第15話 マイトリーカルナ 平等ないのち ②

回想•すれ違い 後編


※前回の話 『アートマン 心の壁③』 の続き


その子は何か物を入れた白い袋を手に持っていた。

そしてその袋ごと焼却炉に捨て、

すぐに教室に戻って行った。


あたしは本当にショックでその子を後で問い詰めたけど、

その子は何も話してくれなかった。


あたしは悔しくて悔しくて、その子を絶対許せなかった。

貧しいあたしが必死でお金を貯めてその子のために買ったプレゼントが捨てられるなんて……。


次の日からあたしは学校に行かなくなった。

そして担任の先生からの電話で、その子が親の仕事の都合で急遽引っ越しをしたことを聞かされた。



『なぜいつもいつもいっつも!あたしばっかりこんなに辛く苦しい目に遭わないといけないの?ねえ?誰か、教えてよ!教えろー!』


誰もいない土砂降りの公園で、あたしは泣きながら声が枯れるまでひたすら心の内を叫び続けた。



一年後。

あたしの父親がある日を境に突然失踪した。

置き手紙も無く、失踪の原因は今でもわからない。

あたしは農家をしている田舎の親戚の家に引き取られた。

 そこでの暮らしは世間一般的に決して裕福とは言えなかったが、当時のあたしにとってはまるで天国のようだった。


友達もそこで新しく何人かできたが、友達と予定が合わないときは一人で近所の神社に行って一人物思いにふけっていた。


そしてある日、そこで懐かしい友達に会った。バナナの件で一度は絶交したみどりちゃんに……。


あれから月日が経っていたこともあって、

あたしたちは話をすることができた。

そこでみどりちゃんから初めて聞かされたことがある。

 それは、その子が果物アレルギーだったということ。


そして、あの日バナナはその子の家族で食べてくれていたということ。


あたしが果物でしかお返しができないけどって条件付きで、しかも強くあげるって言ったから、つい彼女の弟が好きなバナナって答えてしまったらしい。


彼女はあの時、正直に自分の気持ちを言えなかったことを今までずっと後悔してたらしい。


『じゃあ、焼却炉に入れた白い袋は?』


『見てたのね。あれは校庭の池のゴミだよ』


飼育委員の彼女は自主的に池や校内のゴミを拾っていたらしい。池の亀や魚が食べて死なないようにって。


あたしはそれを知った時、自分がなんでこんなにも自分の事ばかりで器が小さいんだろうって思った。


※今回の要約※

幼少期の辛い経験から疑り深くなった空は孤立するが、みどりとの出会いで変わる。


【掲載に関するお知らせ】

いつもお読みいただきありがとうございます。

今後の運用方針に伴い、当サイトで公開中のエピソードは、予告なく非公開とする場合がございます。

公開されている今のうちに、ぜひお楽しみいただけますと幸いです。

尚、当内容については、憮然野郎のnote 掲示板にて詳しく告知しています。

https://note.com/buzenguy/n/n9517e6b198fc


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