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ただの

作者: hana
掲載日:2025/11/12

私、辻七海はアルバイトの少し変わった後輩から質問された事の答えを探している。


私は、アルバイトの後輩の比嘉穂乃果に突然聞かれた。

「七海さん、友達ってなんですか。」

「友達は友達、それ以外になにかあるの。」

「でも、私がその人を友達と思ってなかったら友達じゃないですよね。」

「それはそうだね。」

「じゃあ、友達の定義はなんですか。」

「定義ね。お互いが友達と認識していれば友達なんじゃないのかな。」

「それは嫌いな人でもですか。」

「え、嫌いな人とは友達にはならないでしょ。」

「でも、友達の中には嫌いな人いますよね。七海さんはどうですか。」

「うん、確かに嫌いなところもあるけど全部引っ括めて好きなんだから友達でしょ。」

「では、七海さんの友達に嫌いな人はいないんですね。」

「そうなるね。」

「じゃ、私には友達一人もいませんね。」

「・・・え、ん、なんで?」

「だって、お互いが友達だと認識していれば友達、嫌いな所も全部引っ括めて好きだから友達なんですよね。なら、私には一人も居ません。友達だと思ってる人も、好きだと思える人も誰もいないので。」

「あー、でもさバイトに幼馴染三人居るじゃん。その子達は友達じゃないの。」

「違います。ただの幼馴染です。」

「そーなの。じゃ、この前オレンジジュース買いに来てた子は違うの、仲良さそうだったし。」

「違います。ただのクラスメイトです。」

「ただのクラスメイトは噂をすれば来てくれたみたいだね。」



「「いらしゃいませ。ご来店ありがとうございます。」」

「ご注文がお決まり次第お伺い致します。」



私達はモール内のフードコートでアルバイトをしている。さっきまでのやり取りは作業をしながら話していたのだ。20時半頃はお客様も少ないから。それにしても、穂乃果は難しいことを考えるな。今もクラスメイトの接客してるけど、難しい事考えてるのかな。定義をちゃんと考えると分からない。お客様2名が御来店だ。



「いらしゃいませ。御来店有難う御座います。ご注文がお決まり次第お伺い致します。」

バイト上がりまでの21時まで精一杯お客様の接客をする。


「ただいま」

22時14分帰宅。

「おかえりなさい、なな」

「ただいま、優奈。ご飯は食べた?」

「まだだよ、お腹空いた」

「お母さん、まだ帰ってきてないのか。じゃあ、ハンバーガーとポテト、バイト先の先輩から貰ったから食べよう」

「うん、ポテト好き」

「待っててね、着替えてくるから」

「うん。」

妹の優奈は夜遅くなっても、母か私が帰ってくるまで起きている。食事もファーストフードで申し訳ないけど学校とバイトで疲れてて、ちゃんとしたご飯を作る気力がない。帰りも1時間近く歩いている。優奈は身体的発達が遅いのか他の同学の子達より小さくて細い。なのに、夜遅くまで起きて食事も満足出来るものではないから心配だ。

「優奈、食べよっか。」

「うん。」

「「いただきます。」」

「優奈、お風呂入って寝る準備するよ。」

「お母さん、まだ帰ってこないね。」

「仕事、遅くまで頑張っているんだもん仕方ないよ。

先に寝とこうね。」

「お兄ちゃんと朔、寝ちゃった。」

「お兄ちゃんもバイトだったし、朔も部活が忙しいんだよ。」

「そっか。ななは大丈夫なの。」

「大丈夫だよ。ほら、ポテトだけじゃなくてハンバーガーも食べなさい。」

「多いから残す。」

「もう。もう少しだけ食べて残りは、ななが食べるから。」

「うん。ごちそうさまでした。」

「はい。じゃあ、お風呂と歯磨き、明日の準備したら眠ってね。」

「はーい。」


私は優奈がお風呂に入っている間に学校の課題をする。

課題は数学と英語和訳だ。課題をやりながら穂乃果の質問を思い出した。友達の定義とは。穂乃果に言ったのは半分本心で半分嘘だ。友達が居ればそう思うだろうということを言った。私も穂乃果と一緒でクラスメイトの事もよく話すクラスメイトも幼馴染も友達とは思っていない。これは悪い意味で思っている訳では無い。友達と思ってないだけで、その人をその人だと認識しているし、その人の内面、外見、言動、好意的に思っている。多分、穂乃果もそうなんだろう。私と似た考えの人に初めて逢った。考えは似ているけど、私と穂乃果は別の人だと今日改めて感じた。


穂乃果の手首に複数の傷痕があった。















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