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◆◇◆◇◆


「不味いです【鎮まりなさい!グランド…】!?」


 グランドグラットンの身じろぎにすら成す術なく、続く高波と尾の叩きつけからなる渦により一隻が呆気なく沈み、盤上の劣勢は誰の目にも明らかだった


 真っ暗な夜の海の上悲鳴だけが辺りに響いていた

。先刻の光により夜に慣れていた目が暗闇に適応する時間を欲していた


 その間にも攻撃は止まない。一隻、また一隻と沈められていく。冒険者、船員はその度に他の船に助けられる。結果回避が遅れ、沈まないにしろかなりの損傷を受け続けることになり、沈むのも時間の問題となった


「これでは【呼び掛け】を使う暇が」


 事態の好転を喜ばれたグレイの到着も蓋を開けてみれば焼け石に水だった


 それもその筈、『龍骨』を含む昨今の船は『元々が30前後を想定しての中型船であり、今回の異例と呼んで不足ない今日の60となったグランドグラットンになす術がなかった


「このままでは」


 焦りを募らせるグレイに更なる緊張が走った


「グレイ様!」


 自分の名が呼ばれ咄嗟に大声で怒鳴った


「今度はなんなのです!」


 しかし、船員は静かに告げた


「何かがこちらに多数急速接近中です」


「なんですって!?」


「応答確認できません」


 瞬間脳裏によぎる最悪『追加』のグランドグラットン。そうなってはなす術どころではなく『全滅』が目前に迫っている『絶望』


「…ッ!」


「グレイ様!?」


 たまらず船室から飛び出したグレイが迫る不明物体を視界に収めるべく走った。『生物』なら【足止め】となれると思っての行動だった


「【止まりなさい!】」


 視線を上げるより早く【呼び掛け】を放つ。放射状に広がる声の波。咄嗟の行動───これ以上事態の悪化が起きないことを前提にした先手


 その視界に入ってきたのは生物ではなく、機械の塊達だった


◇◆◇◆◇


『Entity No◾️◾️』〜『Entity No◾️◾️』

『全艦』『システム権限』『取得』


起動シーケンス開始…

 燃料10%〜12%

 補助システム 応答なし

 主力エンジン 応答なし

 副力エンジン 応答あり


『ERROR』

『艦長システム』の破損を確認

 手動による舵の操縦を推奨


 副力エンジンにより

 30%の航行のみ可能


 推進補助ユニット 応答あり

 レッドアラート『漏洩の恐れあり』

 モニターより当該箇所の確認

  及び復旧を推奨


 予備推進補助ユニット 応答あり

 50%での操縦を推奨


 航行データの再読み込み

  失敗…


 航行データの再読み込み

  失敗…


 航行データの再読み込み

  失敗…


 タイムアウト

  原因究明…メモリーの破損

  もしくは取り出されています


 航行システムの初期化

 座標の確認 完了


 艦内の快適維持機構 応答あり

 オレンジアラート『ジャイロの機能不全』

  分解の後、清掃を行って下さい


 通信システムチェック 応答あり

 レッドアラート『破損の恐れあり』


 緊急脱出システム 応答なし


 起動シーケンス終了


『◾️◾️◼︎◾️』『All Ready』

 手動航行モード へ 強制移行

 準備完了 発艦できます


◆◇◆◇◆


「…月鼠に続け『猫の手』」


 崩れ落ちる錆の膜、老齢にひかれ次々と海へと舞い戻る亡者の抜錨


「逃がしはしない

 ハーサバル・グレイ」


 魔力により編み込まれた糸を両の手で操るアノスは宵闇に埋もれるグレイを静かに睨みつけた


『人材輸送船『猫の手』』18隻

『60対応型 鹵獲船『月鼠』』1隻

 が戦線に合流した

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