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◆◇◆◇◆


 事態の複雑さはハーサバルのみに在らず


『ナンバル山 頂上F級迷宮』

 攻略作戦『沈黙』となっている


 外聞を保たんと『攻略中』をうたっているが『停滞中』。アーロン家、ジルバレー王家の領域主が迷宮内にて行方不明・生死不明となっているのが実情である


 ジルバレー王国騎士団団長のバーテンはこれを受け、フラワーライト皇女殿下の元に急いで向かっていた


 作戦実行中に『軸』となるものの不在は基本としてあってはならない。しかし、これは『作戦の流れ』が滞りなければその限りではない───『作戦の開始、中断、継続、終了、失敗』の判断ができれば『軸』の不在は問題にならないのである


 それを踏まえて現在、『軸』となっている『両名』の不在、生死不明というのは最悪の状態であるといって差し支えなく、最早作戦行動は瓦解していると言っていい。バーテンはこれの収拾を進めんとしていた


 目標は『フラワーライト皇女殿下』の安否確認、並びにヤナマで現在作戦実行中となっている『ナンバル山 頂上F級迷宮』の攻略を引き継いで貰うべきとハーサバルに向け馬を走らせているのであった


◆◇◆◇◆


 船体によっては無人に近い有様のものから、ゴーマンの乗り合わせたもののように転覆を免れ、大凡問題なく作戦続行できるものまで様々であった


「半壊状態ですね」


「全滅していなければ立て直せます」


「それにしても大きいですね」


 フラワーライトの乗り合わせた船体は大きな揺れに見舞われつつも立て直しの効く範囲での被害に収まっていた


「ですが奇跡はそれ程長くは…」


 フラワーライトが言葉を続けようとしたその瞬間、天を染め上げる白光が辺りを夜から昼へと瞬きの内に変えると皆の注意は空へと向けられた


「何ですか、あれ」


「不味い!」


「皆さん衝撃に備えて!」


 リリアナが惚ける中、フラワーライトとシルビアの見上げる先に今にも地に突っ込もうとする龍の背が視界に入っていた


『質量爆弾の衝撃』───フラワーライトはその全長から、シルビアはその魔力量から次に起こるであろう物理現象に魔力を構えた


 龍や竜の脅威のひとつ、その巨体から来る質量爆弾、その単純な衝撃、大きければ大きい程、速ければ速い程にその威力は上がっていく『加えて』纏う魔力の濃度、刻み込まれた術式によって威力が変化する


 最悪なのは『収束』『加速』『膨大な魔力』『大質量』───故に現在街に突っ込まんとする竜の脅威は局所的にG級『仮定されている最大の等級・災害』に匹敵すると直感させる脅威を孕んでいた


◆◇◆◇◆


 しかし、フラワーライト達の感じた危機感は訪れることなく夜に沈み込んだ。疑うべくもない確かな存在は宵闇に漂う雲が如く『消えた』


 アノスの使った『ルシフェル・スフィア』の持つ魔力が如何に整頓され、束ねられ、制御を持っていたとして、それを必要とする術式そのものが消失、もしくは完遂した場合残る魔力はエーテルに還るために『物理現象』を伴う


 そうなれば『魔力災害』へと発展し、エレメンタル鉱石と同様の現象も併発することになる


 一般人では扱うことのできないそんな魔法の欠点を打ち消す存在がアノスの中にはあった───『アーテルレスト』は術式の『一節』になりこれを防いだのだった


◆◇◆◇◆


「何…一体」


「アノス様」


「何を…いや、そう言いたくなる気持ちも

 分からなくはない」


【第六感】の見せる視界に竜の心臓にアノスの『気配』を見たのだった。シルビアはそれを咄嗟に否定しようとしたものの今までの経験から納得せざるを得えず、言葉を切った


「と、とにかく戦場に集中を」

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